富士時報
第73巻第11号(2000年11月)

産業プラント用ドライブ制御システム特集

産業プラント用ドライブ制御システム特集に寄せて

松瀬 貢規

産業プラント用ドライブ制御システムの現状と展望

荒井  至,紙本 博史

産業プラント用ドライブ制御システムにおける最近の技術進歩について概要を述べる。制御システムではオープン化と分散化,可変速駆動システムでは高圧IGBT 駆動インバータの進展と永久磁石同期電動機駆動システムの登場,可変速制御技術ではアドバンスト制御の適用拡大,そしてエンジニアリング支援システムでは編集設計 支援機能の充実が特筆できる。

オープン化ドライブ制御システム

西村 英二,高橋  薫,神  俊裕

近年の産業プラント用ドライブ制御システムはマルチベンダ環境,汎用ハードウェア適用による低価格化が進んでおり,高信頼性・高速性が要求されるドライブ制御システムにおいてもオープン化,システムの分散化を求める声は大きい。本稿ではオープンバスに対応したドライブ装置とプログラマブルコントローラ(PLC ),システムの分散化をめざしドライブ装置に主幹制御機能を取り込んだインテリジェントドライブ装置の概要と適用例を紹介する。

産業プラント用可変速駆動システム

西郷 宏治

産業プラントに適用される可変速駆動装置は,それぞれのプラントにより出力容量が数kVA から十数MVA まで多岐にわたっており,制御方法,揃速(せんそく)性,速度やトルクの制御精度などの要求もさまざまである。本稿では,富士電機の可変速駆動装置のラインアップ,IGBT インバータ,サイリスタレオナードと,可変速駆動装置とプログラマブルコントローラ(PLC )の接続や保守・監視システムについて概要を紹介する。

汎用ベクトル制御インバータ

鉄谷 裕司,金沢 直樹,市中 良知

各種産業機械における可変速用途でのインバータに対する高性能・多機能・システム対応といったニーズが高まってきており,さらに,操作性・保護機能・メンテナンス機能・海外規格対応・同期電動機駆動などのインバータ使用上の改善要求も高まってきている。これらの要求に対応するため,性能・機能を大幅に向上させ,ユーザープログラムの実装可能なテクノロジーカード,上位コントローラとのインタフェースを充実させた新形ベクトル制御インバータ「FRENIC5000VG7S 」を製品化したので,その特長を紹介する。

省エネルギー用可変速駆動システム

星  昌博,河野 正志,木谷 昌史

省エネルギーは地球環境保全の重要な1 テーマである。わが国もその一環として,温室効果ガス排出総量目標値の達成を目的とし,省エネ法の改正を行った。富士電機は第一次石油危機以前から省エネルギービジネスを展開してきており,省エネルギー機器を提供している。本稿ではそれらの機器のなかのドライブシステムとして,永久磁石同期電動機および高圧インバータを紹介する。また,ドライブシステムを用いた省エネルギー化の具体事例を紹介する。

産業プラントにおける新しい可変速制御技術

宮下  勉,西田 英幸,伊藤 伸一

アドバンスト制御応用について数々の研究・開発ならびに実用化を進めている。これらのなかから外乱オブザーバを応用した,現場でのチューニングが不要となるチューニングレス制御について述べ,電動機速度制御と電流制御への適用例を示す。続いて,現在開発を進めている簡易型(単純)適応制御による電動機速度制御のオートチューニングとその実験結果について述べる。さらにトルク制御系の応答を考慮に入れた2 慣性系の振動抑制制御について述べ,実験結果を示す。

産業プラント用エンジニアリング支援システム

田中 芳紀,根本 成幸,渡辺  悟

電動力応用システムのエンジニアリング過程で発生する多種多様なデータを一元管理し,プログラマブルコントローラ(PLC )のソフトウェアを効率よく設計する統合エンジニアリング支援システム に,さらなる効率の向上を狙い,下記の支援機能を追加した。
○運転方案とソフトウェアの連携支援
○エンジニアリングデータと汎用ツールの効果的な連携支援
○既設PLC の置換え支援
本稿では,追加したこれらの機能の内容について紹介する。

圧延機用ドライブ制御システム

葛西 隆夫,栃木  勉

大型圧延機駆動装置としてはサイロコンバータ方式,GTO 方式,高圧IGBT 方式がある。棒鋼線材圧延機,パイプ圧延機駆動装置としては3 レベル/2 レベルIGBT インバータがある。それぞれの駆動装置の適用と圧延ライン全体を制御するプログラマブルコントローラ(PLC)やHCI(Human Communication Interface )を含めて,最近の技術動向について述べる。

プロセスライン用ドライブ制御システム

西郷 宏治,田中 芳紀

プロセスラインに使用されるドライブ制御システムは,搬送する鋼板に適切な速度・張力を与えながら多数の電動機を運転するために,高精度な速度揃速(せんそく)制御,張力制御,負荷バランス制御などが必要である。本稿では,最新のプロセスラインのシステム構成,中間コントローラ(MFC )の機能,炉内張力制御,電動機速度系のオートチューニングなどの制御技術の特長について述べる。

製紙・フィルムライン用ドライブ制御システム

小田 孝一

紙・パルププラントおよびフィルムプラント用制御システムを構築するうえで,特に重要と思われるキーテクノロジーの現況とそれぞれの特長について述べる。キーテクノロジーとしては,オープン化,インテリジェント化,制御性能向上,電源対策などを取り上げている。

ドライブ用保守支援システム

西村 英二,石橋 景二,岩崎 哲之

産業プラント用ドライブ制御システムは高機能化,複雑化してきており,安定・安全操業には保守支援システムの高度化を図る必要がある。本稿では用途・使用者に合ったドライブ保守支援システムを提案し,それぞれに対応した製品のなかから,集中監視システム「FORS‐7000 」とWeb 技術を用いた「フィールドWeb アダプタ」,さらに設備のライフサイクルを通して管理を行う設備監理システムについて紹介する。

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