富士時報
第68巻第8号(1995年8月)

汎用制御機器の現状と展望

黒田 一彦,村山  功

制御用リレー、操作用スイッチなどの汎用制御機器は、歴史ある製品群でありながら、各種の新技術開発、適用用途の拡大に伴い拡大傾向にある。本稿では、最近の市場の状況、動向、各機種の技術開発、技術動向あるいは新開発製品の状況について概説する。新分野機種としてプログラマブル操作表示器(POD)について述べる。また、電磁開閉器についても詳述する。

欧州規格対応機器の開発への取組み

石川 雅英

欧州連合の誕生とともに各種EC指令が公布され、1995年1月から欧州へ輸出する機械装置にはCEマーキングの表示が必需となった。これらの装置に使用される電磁開閉器、配線用遮断器などの電気機器にはEN規格に適合した製品が求められ、適合の証明として第三者機関の認証を取得するニーズが高まっている。本稿では欧州の安全規格の要求事項と低圧開閉・制御機器の対応状況およびTUVの認証取得状況について紹介する。併せて、ISO9000シリーズとCEマーキングの関連についても述べる。

ソリッドステートコンタクタの特徴と使い方

田中 順造,沖田 宗一,大久保幸治

電磁接触器の無接点化機器であるソリッドステートコンタクタ(SSC)は、負荷の開閉をサイリスタなどの半導体素子で行っているため、適用負荷に合ったSSCの使い方・機種選定が重要である。本稿では、次に記す代表的な負荷への適用例を紹介し解説する。
(1)電動機:各種制御方式への適用方法および電磁接触器と組み合わせてシステムの合理化を図った応用例
(2)ヒータ:各種発熱体の特性に基づく選定方法
(3)コンデンサ:開閉時の突入電流と共振電流を考慮した選定方法

制御リレーNew-RB1およびターミナルリレー

月花 正志,町田 謹斎,鈴木 健司

制御リレーには小形化とランプ負荷などの開閉寿命の向上が強く望まれている。本稿ではNew-RB1リレーの開発にあたり、二つの課題を解決するために実施した次の二つの解析手法と結果を記述する。(1)有限要素法による三次元磁界解析で最適な電磁石を設計し、必要な吸引力を確保する。(2)接点バウンスの解析で可動接触子・固定接触子・アーマチュアの最適形状を設計して接点バウンスを低減し、接点の開閉寿命を向上する。同時にNew-RB1リレーを用いて省スペース化を実現したターミナルリレーについても紹介する。 

新形コマンドスイッチ

西尾 三男,野口 信和,竹内 剛久

配電盤・制御盤を主用途とするコマンドスイッチには、多様な要求がある。省力・省スペース化の点から一層の取付性や配線作業性などの容易化、機器の小形化が求められるとともに、欧州連合の誕生に伴いEC指令により機械装置に使用される電気機器の安全性・信頼性の向上がより一層求められている。これらのニーズにこたえるため、新φ22および新φ30コマンドスイッチシリーズを開発したので、主な仕様・特長および構造について紹介する。

デコーダ内臓定置形バーコードリーダ

佐藤  剛,辻  伸彦,佐藤 尚彦

バーコードリーダはPOSをはじめとしてFA、物流の分野で情報入力端末として不可欠のツールになってきており、さらに小形・高速・高機能が求められている。今回、二眼受光方式の採用や専用ICの内臓で小形化、高速化を図り、バーコードラベルの部分的な汚れや位置ずれに強いラスタスキャンやラベルそのものから自動的に読取り条件を設定できるティーチング機能などを有するセンサ・デコーダー体形のバーコードリーダを開発したので、その構成と機能について紹介する。

サーキットプロテクタの新系列

小塙明比古,林  英雄

機械装置用の制御盤は、機械の大形化・高機能化に伴い複雑化・大容量化している。このため、制御盤の小形化・標準化のニーズが急速に高まっている。制御盤のこうしたニーズに対応するため、サーキットプロテクタの新系列の開発を行った。この新系列は、1994年に発売したCP30F形のシリーズ拡大として開発された。この新系列により制御盤用のサーキットプロテクタは、すべて幅17.5mmの超薄形に統一されるばかりでなく、高い遮断容量と低い遮断容量の二つのタイプをそろえた。

新スーパータイマMS4Sシリーズ

野寺 俊夫,山先 孝雄

各種生産設備機器の自動化・省力化が推進されるなかで、時間要素の制御を行うタイマに対しては、(1)小形化、(2)電源波形ひずみに対する耐性向上、(3)操作性・保守点検性の向上、などといったことがより一層求められている。今回これらの要求にこたえるため、従来のDIN48mmサイズのスーパータイマST4Pシリーズを刷新したMS4Sシリーズを開発し、首下寸法の短縮化(短胴化)とともに操作性・信頼性の向上を図った。本稿ではその概要について紹介する。

プログラマブル操作表示器(POD)
UD15,UD25,UD41,UD46

伊藤 広治,中間 倫之,斉藤 泰昌

市場のコストダウン要求などにより、生産設備の合理化・自動化が著しく進んでいる。この一翼を担うPODも近年の適用分野拡大に伴い、ユーザーニーズの多様化・高度化が進んでいる。富士電機では、これらのニーズにこたえる製品としてPODを発売しているが、今回さらに高機能化を図った製品「UD15,UD25,UD41,UD46」を開発し、小形・中形・大形機種のラインアップを一新した。本稿では、この新シリーズの概要を紹介する。

汎用プログラマブルコントローラMICREX-F70S,F55シリーズ

小泉 浩治,八ツ田 豊,小高 秀之

MCREX-F70S,F55シリーズは、「コンパクトでありながら大容量・高機能、一歩先いく高性能プログラマブルコントローラ」である。自動化システムの多様化・複雑化とダウンサイジングの時代の要求にこたえるべく開発した。それぞれ、Fシリーズの上位機種F120S,F80Hが持つ抜群の演算性能と高度な制御機能を継承し、大幅にコンパクト化した。いずれも、機械組込みの自由度を増すため、着脱可能なI/Oカード群、高機能カード群および数種類のベースボード(ラック)を用意している。

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