富士電機

富士電機機器制御株式会社

電力監視システム・ワイヤレススイッチ導入事例

歴史を重ねた工場に、電力監視を。

Powering the Future of Local Industry

合資会社西岡勝次商店様の工場内観

だし原料メーカとFCSが
ワンチームで挑んだ、
電力の見える化

熊本県天草市牛深町で90年余りにわたり、だしの原料となる魚の加工を手がけてきた合資会社西岡勝次商店様。近年は社員が働きやすい職場環境づくりや、省エネ・業務効率化を見据えたDX推進に注力しています。
今回、工場の電力量最適化と作業効率の向上を目指して富士電機機器制御(以下 FCS)の電力監視システムとワイヤレススイッチを導入。もともとの配線図面すら残っていない手探りの状態から、どのようにしてプロジェクトを成功へ導いたのか。代表の西岡氏に、導入の経緯やFCSとのパートナーシップ、そして地方産業の未来に対する想いをお聞きしました。

KEY POINT

この記事でご紹介していること

  • 多様な魚種を扱う、牛深の一次加工メーカ
  • 見える化への想いと、FCSを選んだ決め手
  • 図面のない工場で、系統を紐解いた道のり
  • 補助金の期限を"ワンチーム"で乗り越えることができた理由
  • 中小製造業がDXに踏み出すために

だしの原料をつくって90余年。
多様な魚を扱い、メーカの期待に応える

まずは、西岡勝次商店様の事業について、お聞かせいただけますでしょうか。

西岡弊社は、わかりやすくいうと「だしの原料」をつくっています。一次加工といいまして、削り節やだしパックになるひとつ前の段階の加工をして、だしの加工メーカ様などに卸しています。取り扱うのは、魚を茹でて乾燥させた、いわゆる煮干しと、燻製をした節ですね。

歴史の長い会社とお聞きしました。

西岡そうですね。代々続いてもうすぐ100年になろうとしているところです。わたしの代になってから、魚醤やふりかけなど直接皆様のお手元に届ける、いわゆるBtoCに挑戦したりもしたのですが、現在は業者に卸すBtoBに集中している形です。

だしの原料というものつくりにあたって、こだわっている点や、御社ならではの強みと思うところはどんなところでしょうか?

西岡拠点としている熊本県天草の牛深という地域の特性でもあると思うんですが、いろいろな種類の魚を取り扱えるところが強みのひとつかなと思います。たとえばカツオ節に強いところですと、カツオが獲れなければ売り物もつくれないということになるんですが、わたしたちだとカツオがなければ他の魚でというふうに、だしの原料となる魚をうまくスライドさせながら生産することができます。
こだわっているところについては、やはりお客様の期待に応えることですね。そのために、しっかり原料を見極めて仕入れるといったことから丁寧に取り組むようにしています。また、ここ2〜3年は、社員の方が働きやすい職場環境をつくることにも力を入れています。

合資会社西岡勝次商店様 代表 西岡勝太郎氏
合資会社西岡勝次商店様/西岡 勝太郎代表

電力量の最適化と業務効率化を
視野に入れた提案が決め手

今回、弊社の電力監視システムとワイヤレススイッチをご導入いただきましたが、弊社を知るきっかけや、お問い合わせいただいた経緯などについて、お聞かせください。

西岡当初は富士電機さんという会社を存じ上げておりませんでした。もともと工場の電力量を監視して、ある水準を超えたら自動でスイッチをオフにできるとか、そういう自動化に取り組みたいという想いがあって。自分で調べるには限界もあるのでコンサルの方に相談したところ、いくつかの会社をご紹介いただき、ご提案を受けました。その中にFCSさんもあったというのが最初のきっかけです。

そもそも、電力の「見える化」に取り組もうと思われた背景には、どのような課題があったのでしょうか?

西岡これまで製造の効率化はずっとやってきたんです。この工場のキャパで年間どれだけつくれるのか。生産量の上限はある程度把握できました。では次に何に取り組むかと考えると、やはり経費。電気の使用量を把握しておかないと効率的に稼働させることができないなと。
電力使用量そのものは、契約している保安協会のシステムで確認できていました。ただ、あくまで数値でしかなくて、今後どうなるかの想像がしにくい。それに工場全体の電気量でしかないので、たとえば冷蔵庫にどれくらい使っているのか、乾燥機にどれくらい使っているのかは、やっぱりわからないんです。そこを今回、機器ごとの電力使用量をデータとして見えるようにするのをFCSさんにお手伝いいただいた形ですね。

いくつかあった提案から、弊社を選んでいただいた理由はどんなところでしょうか?

西岡はじめに興味を持ったのは、リモコンでドアを開閉できるワイヤレススイッチでした。フォークリフトで移動するので、移動しながらドアを操作できるのは無駄がないなと。そこから対話を重ねる中で、電力量の最適化をしたいというわたしたちのニーズも汲み取っていただき、ワイヤレススイッチと電力監視システムをセットで考えていったという感じです。電力の見える化と、仕事の効率化の両軸から考えていけたのがよかったです。

ワイヤレススイッチとは

押しボタンで、離れた場所の機器を操作できるワイヤレス操作機器。配線・電池が不要で既存設備に後付けでき、フォークリフトに乗ったままの扉開閉など、操作者の移動をともなう現場の作業効率化に役立ちます。

ワイヤレススイッチ 受信機 ZBRRA ワイヤレススイッチ 送信機 XB5 ワイヤレススイッチ 送信機 モバイルボックス XB4-5R

工場の仕組みを探る作業から、
同じチームとしてゴールを目指してくれた

電力監視システムのご導入にあたり、難しかった点や、ハードルが高いと感じたところはございましたでしょうか?

西岡実は工場の仕組みを知っている人間が誰もいなかったんですよ。もともとの設備の図面もないうえに改造も重ねているので、もうどうなっているかわからないという状態で。そこからFCSの方には入っていただいたので、大変だったと思います。それで現場を見てもらって、ひとつひとつ電源のオン・オフを切り替えて、「ここがこうつながっている」というのを手作業で把握して工場の配線などを紐解いていきました。FCSの方には根気よく取り組んでいただいて、本当に助かりましたね。

今回は熊本県の補助金を活用されてのご導入だったとお聞きしています。申請にあたっては弊社からも、審査基準に沿った資料をご用意するなどのサポートをさせていただきました。スケジュール面ではいかがでしたか?

西岡補助金の計画に乗っていたので、時間のゆとりはあまりなかったんですよね。ただ、関係者全員で、進捗状況を共有しながら進められたので、予定どおりに完了できました。あれがなかったら、たぶん終わっていなかったと思います。補助金の効果測定も無事に済みました。

そうした取り組みの中で、弊社にはどんな印象をお持ちになりましたか?

西岡名前を調べていったら富士電機さんといえば全国的な会社で、そんな会社さんが弊社のような地方の中小企業を相手に、真摯に向き合ってくれるのだなというのが、恐縮しながらもうれしい発見でした。平たくいうと「皆さんいい人ばかり」。最初の仕様検討の段階などは月に複数回の打ち合わせを重ね、受発注の関係ではなく、ひとつのチームのような雰囲気で、一緒にゴールに向かって進められたのがとても印象的でした。
あとはわたしがやりたいと思っていることを、ただ聞くだけでなく深掘りしながら対話して、すぐに理解していただいたというのもよかったです。工場の中の季節要因とか稼働状況とかに合わせてどうデマンドを下げていけばいいのかとか、そういった話も親身に聞いていただきました。

電力監視システムとは

工場全体や設備ごとの電力使用量・デマンド値を計測し、リアルタイムに見える化するシステムです。何に・いつ・どれだけ電力を使っているかを把握することで、省エネ対策の優先順位づけや、電気基本料金にかかわるデマンド値の管理につながります。

電力監視システムの設置イメージ

仕事を面白く、かっこよく。
地方の産業に今後もノウハウをいただきたい

働く環境づくりにも力を入れているというお話がありましたが、目指している工場の姿や働く環境は、どのようなものでしょうか?

西岡人数の少ない会社で、まだまだわたしが行う作業も多いのですが、遠隔操作という話で言うと、わたしが現場にいなくても仕事が進むような環境はつくりたいです。経営者って現場のこと以外にもやらなければならないことはたくさんあるので。いまはスマホで水揚げの状況などの連絡が来るようになっていますが、どこかで現場には行かなければならない。今後は現場の電力状況の把握からスイッチのオン・オフまで現場にいなくてもコントロールできるようになって、どこからでも仕事ができるような状況はつくりたいです。
あとは、特に若い人が見て「かっこいい」「自分もやりたい」と思えるような仕事をしたいというか、そういう想いはあって。だからIT化やDX化ということにもどんどん取り組んでいきたいなと思っています。そういうのも、この地域での将来性につながると思うので。

ご導入されて、効果は実感されていますでしょうか?また、今後弊社に期待することはどのようなことですか?

西岡まだ導入してから1年も経過していないので、効果を見極めるのはもう少し先になるかなと思います。ただ先ほども申し上げましたが、わたしたちのような中小企業にコミットしてくれるところってなかなかないんですよね。そういう意味でFCSさんはとてもありがたい存在だなと感じています。今後も自動化、IT化には取り組んでいきたいんですが、全部を新しいものに入れ替えるとなると、それはそれでコストがネックになります。なので、既存の設備をうまく使いながら推進していけるようなことができるといいなと。そういったところで今後も知見をお借りできれば大変ありがたいです。

各地域で地場産業に携わりながら、自動化やエネルギーの効率化などに課題を抱えている方に対し、メッセージがあればお願いします。

西岡わたし自身、いろいろ新しいことを取り入れたいというタイプで、業種を問わずさまざまな製造現場を視察に行ったりします。自動化などの領域は、なかなか踏み切れない部分も大きいのかなと思いますが、「失敗するかもしれないけど、とりあえずやってみよう」という姿勢が大事なのかなと思います。たとえそれで失敗したとしても、それは次にどうすればいいかという判断や意思決定につながりますし、長い目で見て成功すればそれは損ではなく投資になるので。そうした現場にFCSさんも関わっていただいてノウハウを提供いただければ、日本がもっと元気になっていくのではないでしょうか。

ありがとうございます。「失敗を恐れず、まずやってみる」という姿勢は、ものつくりに携わる私たちにとっても大切にしたい言葉です。弊社としても、西岡勝次商店様をはじめとする地方の中小企業の皆様の挑戦に寄り添い、既存の設備を活かした効率化やDXの推進を、製品とノウハウの両面からお手伝いしていきたいと思います。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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