富士電機E&CのDXは「人」が主役です。デジタル技術は、熟練の技を次世代に「継承」し、若手の成長を「加速」させるツール。現場のあらゆるデータを活用し、誰もが安全に、効率的に働ける環境を構築し、人と技術が響きあう、持続可能な働き方を実現します。

Messageメッセージ

技術戦略本部長メッセージ

〜デジタル変革による
持続可能な成長への挑戦〜

 当社は経営戦略の実現に向けて、デジタル技術の活用を経営の中心に据え、全社的なDX推進に取り組んでいます。当社にとってDXは、持続的成長を支える活動であり、この活動を支える「デジタル戦略の推進力」、「データ活用や技術基盤の整備」、「セキュリティと人財育成」の3つの重点領域についてご説明いたします。

取締役常務執行役員CIO 牧 伸一

取締役常務執行役員CIO

牧 伸一

持続的成長を支えるDXの3つの重点領域

経営戦略を実現する
デジタル戦略の推進力

  • 経営戦略と連動したIT投資・デジタル施策の最適化

  • 業務効率化や新規事業創出を支える技術的基盤の構築

  • 経営判断を迅速化する情報可視化・分析体制の整備

データ活用・技術基盤整備

  • 組織全体でデータを活用し、意思決定を高度化

  • AI・クラウド・データドリブン基盤などの最新技術の導入

  • DX推進を支える柔軟で安全な情報基盤の整備

セキュリティ・人財育成

  • 情報セキュリティやガバナンス体制の徹底

  • DX時代に必要なスキル・知識をもつ人財育成の推進

  • 社内と業務や文化の変革と
    技術教育を通じて持続可能なDXを実現

 まず、ひとつ目のデジタル戦略の推進力とは、デジタル化による単なる業務効率化にとどまらず、経営戦略を具体化し、持続的な成長の実現に向けて実行する力です。当社では、経営方針と連動したIT投資を計画的に行い、最適な技術の導入・活用を通じて、事業運営の質を高めています。
既存業務の効率化に加え、より価値の高い仕事ができるデジタル基盤の整備と経営判断の迅速化や組織全体の機動力向上の実現を目指しています。

 次に、データ活用や技術基盤の整備についてです。データは、今や企業にとって最も重要な経営資源のひとつです。当社では、組織全体でデータを共有・活用することで、現場から経営層に至るまで意思決定の質を高める仕組みの構築を進めています。さらに、クラウドやAI、データドリブン基盤といった最新技術を積極的に用いて、事業活動を支える柔軟で拡張性の高いデジタル環境の整備を行っています。これにより、変化の激しい市場環境や社会的要請に対して、迅速かつ柔軟に対応できることを目指しています。

 最後に、セキュリティと人財育成についてです。DXの推進においては、安全・安心が前提条件です。当社は、情報セキュリティやガバナンス体制を徹底し、信頼性の高いシステム環境を維持することに注力しています。同時に、DXを継続的に推進していくためには、人財の育成が欠かせません。社員一人ひとりがデジタル技術を理解し、活用できるようになるためのさまざまな教育・研修を行い、スキルや知識を持った人財が組織全体を支える体制を整えています。これらの取り組みは、単なる技術習得にとどまらず、持続可能なDX活動によって社内の業務プロセスや文化、働き方を変革することにつながると考えています。

 当社のDXは、単なるシステム導入に終わるものではなく、経営戦略の実現と社会的価値の創出を両立する取り組みです。これからも、安全で信頼性の高い技術基盤を整備し、人財力を高め、変化に強い企業へと進化してまいります。そして、社員が一丸となって顧客やパートナーの皆様と共に新たな価値を生み出し、社会の発展に貢献していくことを目指します。

DX STRATEGYDX戦略

 当社は、DXビジョンとして3つのフェーズからなる計画を推進しています。2024年から2030年にかけて、全社的なデータ活用とAIの導入および業務プロセスの自動化を通じて持続可能性を強化するとともに、迅速な対応と高品質なサービスにより、お客様にさらなる価値を提供します。

「現場起点型DX」を定着させ、「価値創造型DX」によって全社最適・AI駆動のDX基盤を確立し、変化に強く価値を生み続ける企業へ進化する。

DXロードマップのロードマップフェーズ図。現場起点型DXの『第1フェーズ 2024〜2026:ビジネスプロセスを変革するDX』(受益部門主導の推進、AI・データ活用の全社推進、2025.04.01 DX認定取得)、および価値創造性DXの『第2フェーズ 2027〜2030:AIによる業務高度化・変革DX』(全社データ統合、フロントラインワーカー(現場作業担当者)のAI活用、AIエージェントによる業務自動化等)と『第3フェーズ 2031〜2035:AI・ロボットと協働するDX』(人とAI・ロボティクスの協働、デジタル共創)の3段階の進化を示す図解

DX活動のねらい

  • 個人と組織の生産性向上
  • 意思決定の高度化
  • 全部門の自律的な取り組みによる価値創出の最大化

 当社のDXによる価値創造ビジョンは、人とデジタル技術の融合を通じて社内の変革と持続可能な価値創造を実現することです。対応スピードやサービス品質の向上、新たなサービス・ビジネスモデルの創出など、多岐にわたる取り組みを推進しています。

人とデジタル技術の融合によって社内の変革と価値創造を実現

DXによる価値創造ビジョンの構成図。人とデジタル技術の融合により、『DXを支える基盤(DX人財、組織文化、データドリブン基盤、セキュアなITインフラ)』から『社内の変革(個人と組織の生産性向上、意思決定の高度化、自律的な取り組み)』を経て、『社会・顧客への価値(持続可能性の強化、対応スピード、サービス品質の向上、新たなサービス・ビジネスモデル)』へ繋がる3段階の積み上げ構造を示す図解

 当社は、価値創造に資するDXとして、技術、営業、調達、オフィス、経営管理など各分野でDX活動を推進しています。

価値創造に資する各DXの位置付けを示した概念図。縦軸に『社会・顧客への価値』『社内の変革』『DXを支える基盤』の3層、横軸に『攻めのDX』『守りのDX』を配置。攻めのDXには『技術DX』『営業DX』が属し、守りのDXには『調達DX』『オフィスDX』『経営管理DX』『ビジネス基盤DX』が属する。さらに、これらを横断し『社会・顧客への価値』と『社内の変革』を跨ぐ中央の基軸として『データ駆動型DX』が位置付けられている構造を示す
DX活動の種類 概要
技術DX 設計・施工・維持管理の業務をデジタル基盤に統合し、業務効率と競争力向上を実現。
営業DX データドリブン化と営業プロセスの標準化・自動化を進め、営業力と競争力を強化。
調達DX 資材調達・購買業務の査定力・生産性を高め、コスト最適化と競争力強化を実現。
オフィスDX AI活用により、組織・個人の生産性と業務品質向上を実現。
経営管理DX 全社共通業務のデジタル化を通じて、生産性と業務品質向上を実現。
ビジネス基盤DX 基幹システム、周辺システムおよびネットワークを柔軟で持続可能なIT基盤として整備し利活用を推進。
データ駆動型DX 経営・現場の迅速な意思決定を支えるデータドリブンマネジメント基盤の整備とデータドリブン経営の推進。

 当社では、DX活動を定量的な指標で管理・評価することで、成果を追求し、全社で一体感のある活動を醸成しています。

主なDXの活動効果一覧。①技術DX:創出効果時間80万時間/年(2026〜2030年度累計目標)、定性効果としてDX基盤をパートナー企業と共用し生産性・品質向上を実現。②営業DX:付加価値創出110億円(2025〜2030年度累計目標、25年度実績11億円)。③調達DX:創出効果時間15万時間/年(2025〜2030年度目標、25年度実績2万時間/年)。④オフィスDX:AIアクティブユーザー率100%(2030年度目標、25年度実績82%)、AI活用による創出効果時間60万時間/年(2025〜2030年度目標、25年度実績7万時間/年)を示す実績・目標グラフ

 当社は全社的にDXを推進するため、DX推進委員会および各部会を設置し、経営ガバナンスのもとで運営しています。これにより、全社的なコミットメントと変革の加速を実現しています。

DX推進委員会およびその下部組織である各部会の体制のもと、全社的に推進
DX進捗を社長・取締役会へ定期報告し、経営ガバナンスのもとで運営

DX活動体制の組織図。社長および取締役会のもとにDX推進委員会を設置し、その下部組織として『技術DX部会』『営業DX部会』『調達DX部会』『オフィスDX部会』『経営管理DX部会』『ビジネス基盤DX部会』『データ駆動型DX部会』の7つの各部会を配置して全社的に展開する報告・推進体制を示す図解

TOPICS主なDXの活動内容

 当社では、労働生産性の向上や業務負担の軽減、技術継承問題へ対処するために、技術部門の業務プロセスを効率化する業務統合システムの導入と業務プロセスの変革を推進しています。

テーマ:「技術部門の業務プラットフォーム整備」

*業務プラットフォーム:12の業務プロセスの作業を効率化する業務統合システム

背景
労働生産性の低迷、技術継承、業務負担の増加
目的
生産性と競争力の向上
目標
技術部門(約700名)の
ビジネスプロセス軽減 ▲10%
稼働時期
2026年7月から
技術DX『技術部門の業務プラットフォーム整備』の業務プロセス循環図。中央の『案件情報(図面,図書,BIM等)』を中心に、営業(案件管理)、設計/積算(基本設計、見積支援、見積/積算)、引き合い/調達(引き合い、施工図書作成)、施工(原価検討/管理、工程管理、進捗管理)、検査/引き渡し(品質管理、引き渡し)、運用・保守(運用管理)の11の業務プロセスが環状に連携する概念図
業務プロセス プラットフォーム化の目的
①案件管理 案件情報のデータを構造化
②基本設計 設計業務の自動化と効率化
③見積支援 拾い、集計の自動化と効率化
④見積/積算 積算ソフトとの連携と業務効率化
⑤引き合い 引き合い業務の一元管理
⑥施工図書作成 施工図作成の自動化と効率化
⑦原価検討/管理 原価管理業務の効率化
⑧工程管理 工程管理の効率化
⑨進捗管理 進捗管理の効率化
⑩品質管理 検査図書の自動作成
⑪引き渡し 完成図書の自動作成
⑫運用管理 施設情報の一元管理

①案件管理

 概要:各種図書の管理を一元化することで進捗確認、会議の準備作業と図書の管理、検索を効率化

『①案件管理』における業務プラットフォームの仕組み図。左側の『資料作成』エリアでは、案件データの収集、工程・進捗の整理、予実管理の整理、報告資料の作成を自動化して工数を削減しJK会議に活用。右側の『図書管理』エリアでは、各業務領域システム(設計・調達・施工等)と連携する案件情報管理システムおよびダッシュボードにより、一元的な図書管理、明示的なバージョン管理、承認プロセスの元管理を実現するイメージ図

③見積支援

 概要:設計変更に連動した集計情報のバージョン管理と後続システムとの連携

④見積/積算

 概要:設計変更に伴う集計情報のバージョン管理および後続システムと連携するシステム

『④見積/積算』における業務フローとシステムの連携概念図。設計→拾い→集計→積算→引き合い→原価管理→施工→検査のフローに対し、設計は『各設計システム』、拾い・集計は『本システム』を活用。前工程の各設計システムからの拾い情報自動連携、リビジョン管理による変更差分明細出力(チェンジオーダーへの都度追加請求に対応)、および後工程への自動データ連携を行う仕組みを示す構造図

⑤引き合い

 概要:引き合いの実施、見積表の収集・比較からメーカー選定まで引き合い業務を標準化

⑥施工図書作成

 概要:施工図書に関わる情報収集・転記・共有作業の標準化とAIによる情報抽出・自動記入により、書類作成や図書情報検索を効率化

『⑥施工図書支援』における『施工図書作成』のプロセス図。INPUT(設計図書等、法規書類、社内標準書類)からAIが情報を抽出し、PROCESS(プロジェクト名・施主名・現場住所、法規、社内標準データ)を経て、OUTPUT(施工計画書、手順書、チェックシート)へ抽出情報を元に作成対象書式の蓋然性の高い箇所へ自動転記する仕組みを示す図解
『⑥施工図書支援』における『現場展開』のシステム構成図。施工図書管理システムおよびファイルクラウドサーバーを連携させ、作成した施工図書をペーパーレスで即時展開。客先や現場事情に合わせて複数の現場管理アプリ(①〜③)とデータ連携する仕組みを示す図解

※「CheX」は株式会社 YSLソリューションの商標または登録商標です。

※「eYACHO」は株式会社 MetaMoJiの商標または登録商標です。

※「SPIDER+」はスパイダープラス株式会社の商標または登録商標です。

⑧工程管理

 概要:過去実績、積算情報、客先のマスター工程をもとに工程の自動生成と進捗情報の取り込みを自動化

⑨進捗管理

 概要:紙・Excelで分散していた実績情報の一元化とAIによる出来高集計と工程反映を導入することで、進捗把握と報告業務を効率化

『⑨進捗管理』における業務フローとAI連携の仕組み図。作業日報・数量・施工写真のデータ入力から『進捗管理システム』を通じて進捗管理を行い、AIがデータを集計し出来高を自動集計・反映。『工程管理システム』へ自動反映することで施工管理を進める、工数削減とミス防止を実現するシステム構成図

⑩品質管理

 概要:検査条件設定から現場検査、帳票作成までの一連のプロセスをシステム化し、二重作業と手作業の解消

 当社では、経営の効率化と業績の最大化を目指し、データドリブン基盤の整備とその活用に注力しています。社内外の状況変化に迅速に対応することで、ビジネスの持続的な成長と拡大を実現します。

データ駆動型DXの実現イメージ:
刻々と変化する「現在」と「将来」の状況を捉えて臨機応変に判断する

『データ駆動型DX』の実現イメージ図。車の運転になぞらえ、『過去の情報』(バックミラー:過去実績・過去の市場動向)、『現在の情報』(ハンドル・メーター:商談状況・予算および当該月/年度の実績・市場や顧客の状況)、『将来の予測』(カーナビ:市場や顧客の需要予測・受注見込み/進捗予測・リスク管理/予測)の3段階で整理。結果(売上等)を問うのではなく状態(事業指標)を問うことで状況を共有し、次なる打ち手を考えることを説明する図解

 当社は、データ活用によるビジネス変革と新たな価値創出に向けて、全社共通データ基盤の整備、データリテラシーの向上、AIによる業務最適化、データ管理ルールの強化を戦略要素とし、データドリブン経営の実現を目指して活動を進めています。

データ活用によるビジネス変革と新たな価値創出を実現

データドリブン経営の実現に向けた『データドリブン基盤の構成』図。社外の情報(顧客情報・業界動向・市況)と社内の情報(オフィスDX・技術DX・ビジネス基盤DX・調達DX・営業DXからのデータ)を仮想統合データベース(DWH)に集約。データ駆動型DX(DDM基盤)として、分析/シミュレーション・AI活用・可視化を通じ、1.先読み経営 2.案件×技術者の最適化 3.強みの標準化 4.データ活用の民主化を図り、経営・事業マネジメントを統合支援するアーキテクチャ図
『「データドリブン経営」に資する4つの戦略要素』の概念図。中央の「データドリブン経営(データドリブンマネジメント/DDM)」を中心に、「データドリブン基盤整備(全社共通データ基盤の整備と品質管理)」「人財育成と文化醸成(データリテラシー向上と活用文化の定着)」「活用促進・AI活用(可視化・分析・AIによる業務最適化)」「ガバナンス強化(データ管理ルール・セキュリティ・権限制御)」の4要素の連携を示す構造図