富士電機株式会社

富士電機製品コラム

FA(ファクトリーオートメーション)

エッジコントローラとは?

従来のインターネットのようにPCやスマホだけでなく、家電や工場の機器がセンサ機能を持ち、web経由で様々な情報のやり取りが可能な世界。これがいわゆる“物のインターネット” IoT(Internet of Things)です。

IoTが発展するにつれ、工場内の現場( = エッジ:IoTにおける「縁」の意味)機器のデータを収集する装置、エッジコントローラの重要性が増してきました。

近年では、このエッジにおいてより高度なデータ収集/処理のみならず、データ解析や、将来起こりうる事態を予想する予測技術の一部を負担させる、エッジヘビー化に対応できるエッジコントローラの需要が高まっています。

そこでこの記事では、エッジコントローラの概要と課題、その解決策についてもご紹介したいと思います。

エッジコントローラとは?

エッジコントローラとは、工場をはじめとする生産現場におけるIoTシステムにおいて、現場に設置された多様な機器のデータを収集する装置を指します。

エッジコントローラの役割

この装置は、現場で稼働する機器から生み出されるデータを収集して、クラウドやオンプレミス(自社運用のデータ処理施設)のサーバへ「橋渡し」する役割を果たします。
そのためかつては、現場機器が接続するフィールドネットワークと、情報系ネットワーク間を接続させるゲートウェイ装置として、通信プロトコル変換を主な役割としていました。

エッジコントローラの課題とそれを解決するエッジヘビー

しかし休みなく稼働する工場機器からは、日々膨大なデータが生成されます。これら膨大なデータをそのまま送信してしまうと、サーバ側のリソースが破綻してしまいかねません。

従来のエッジコントローラの課題

<データ処理における課題>

① ネットワークおよびクラウドに接続されている機器の処理が過多となり、それに伴ってトラフィックコストも増大する。
② ネットワーク機器の処理能力がボトルネックとなり、反応速度が低下。結果としてリアルタイム応答性が低下する。
③ 生産現場で生成される貴重なデータを、外部ネットワークにさらすこととなるため、情報漏洩の観点よりセキュリティ強化を迫られる。

課題を解決するエッジヘビー

そこでクラウドだけでなく、工場などの現場(すなわちエッジ)で、機器から収集したデータの一部を処理。クラウド側と現場で、処理を分散するというシステム構造が必要になります。
このアーキテクチャを可能にするため、エッジ側でもデータ処理を分担して行う“エッジヘビー”化が進行しています。

エッジヘビーを実現するための課題

エッジヘビーを実現するには、エッジサイドにおける上位システムとの処理分担のバランスや接続時のセキュリティといった問題があります。

<上位システムへの接続における課題>

① 上位システムと、エッジサイドにおける処理分担のバランスをどうするのか?また処理を通じて得られるノウハウを、上位層/エッジどちらに蓄積させるのか?
② エッジコントローラから、上位システムもしくはクラウド側に接続する際のセキュリティ問題をどのように確保するのか?

富士電機では、これらエッジヘビー化に伴う課題も解決していきます。

これまでの通信

従来のエッジコントローラは現場とサーバを接続してデータをただ通過させるだけだった。

エッジヘビーな通信

エッジコントローラ側でデータ処理を行う(=エッジヘビー)ことで、サーバへの通信負荷を軽減できる。

富士電機がリリースする IoTシステムとエッジコントローラの役割

富士電機は、多様な機器や設備製造、それらにまつわるシステムの構築に携わってきた経験から得た、数多くのノウハウを蓄積しています。

ことIoTに焦点をあてると、現場データのセンシングからゲートウェイ・ネットワーク接続技術・データ解析・予測技術・最適化技術・高度制御技術および、その実行基盤としての制御機器まで、幅広いソリューションをご提供できます。

今後はますます現場のデバイスや設備・機器のIoT化が進み、直接ネットワークに接続されることが予想されます。

富士電機がリリースするエッジコントローラは、現場で刻々と生み出されるデータを独自のネットワーク技術でサイバー空間に届けることができる、“ゲートウェイ機能”を持つプラットフォームです。

現場デバイスとサイバー空間への接続方法

現場デバイスのサイバー空間への接続方法は、以下の3つのパターンに分類されます。エッジコントローラはⅡとⅢに区分けされる現場機器と、サイバー空間へのゲートウェイ機器の役割を果たしています。

直接型

コンピューターやネットワークによって構築された仮想空間を、サイバー空間といいます。直接型は、現場デバイスをサイバー空間に直接接続するタイプです。

富士電機がリリースする機器

富士電機では直接型の機器として

  • 監視・制御システムである、MICREX-VieW XXやMICREX-VieW PARTNER
  • コントローラである、MICREX-SX
  • 中容量/大容量無停電電源装置や高機能インバータ
  • 放射線モニタリングポスト など

をラインナップしています。

  • 監視制御・設備監視システム

  • MICREX-SX

エッジコントローラ型

機器に付帯する各種コントローラ・インバータ・計測機器は、元来サイバー空間に接続する機能を持ちません。エッジコントローラ型は、これらの機器のローカル通信機能を利用し、エッジコントローラを介することで、サイバー空間に接続するタイプです。

富士電機がリリースする機器

富士電機では、現場デバイスとローカル通信機能で接続するエッジコントローラとして

  • 現場型表示器のMONITOUCH V9/X1シリーズ
  • 現場型表示器をベースとした診断装置のSignAiEdge
  • 汎用ゲートウェイをベースとするFiTSA Σ
  • 生産設備のあらゆる情報をワンパッケージ化できるOnePackEdge など

をラインナップしています。

これら当社の製品は、他社のプログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controllerリレー回路の代替装置)や各種NC加工機器・計測器・ロボットとも接続が可能。お客さまの監視系や制御系に関わる、フィールドデバイスのIoTに貢献します。

  • MONITOUCH V9/X1シリーズ

  • SignAiEdge

  • FiTSA

  • OnePackEdge

エッジコントローラ+センサ型

電動機や発電機それにタービンなどの回転機や建物などは、そもそも通信機能自体や情報処理機能であるインテリジェンス機能がありません。

このような機器・機材をIoTに組み入れるために、エッジコントローラと振動・温度・電流といった各種センサを組み合わせます。このエッジコントローラ+センサ型では、追加した各種センサを経由して、対象機器の状態をデジタル化しサイバー空間に接続します。

富士電機がリリースする機器

富士電機では現場デバイスの状態を各種センサと組み合わせて監視するエッジコントローラとして

  • 最大5つのセンサで複合的に設備を診断できる診断センサHUB
  • 回転機故障予兆監視システムであるWiserot
  • 建物の構造状態をモニタリングする感振センサ など

をラインナップしています。

  • 診断センサHUB

  • Wiserot

  • 感振センサ 構造ヘルスモニタリング

富士電機のエッジコントローラの特徴

富士電機のエッジコントローラは、エッジヘビー化に対応するため、増え続ける現場データ処理と通信トラフィックコスト・リアルタイム応答性の問題を解決することができます。

セキュリティ面においても、大切なお客さまのデータをしっかりガード。生産現場から寄せられる要望にお応えするため、制御系と上位情報系に対応する高い処理能力も併せ持ちます。さらにはオープンアーキテクチャの適用や現場での予兆保全のサービス適用にも対応しています。

エッジコントローラに求められる機能

機能分類 概略
データハンドリング

A. データ収集
システム状態解析や設備診断などをするためのさまざまなデータを収集

B. データ蓄積
収集したデータを蓄積、転送

C. データ加工
収集したデータの価値化(データ解析・予測技術の一部搭載)

ネットワーク

・サイバー空問接続実現のための標準プロトコルの搭載

・さまざまなメーカーの現場機器接続実現のためのオープンプロトコルの搭載

セキュリティ

サイバー空問接続に対するセキュリティリスクの低減

エンジニアリング

・各種機能を実現するエンジ‘ニアリングツール

・エッジコントローラ問水平連携支援

・サイバー空問ーエッジ問垂直連携支援

重電メーカーならではの幅広い技術で対応

弊社は重電メーカーならではの幅広い技術基盤を活かし、データ技術の収集/解析・予測技術・最適技術・高度制御技術に対応するエッジコントローラを製造。お客さまに最適なIoTソリューションをご提供することが可能です。

富士電機におけるエッジコントローラの導入事例

エッジコントローラによる現場データの情報収集

OnePackEdgeの事例

生産設備で異常を検知した場合、従来であれば、

1. 現象確認
2. 復旧処置と再現待ち(罠掛け)
3. 再発時に調査開始

というフローで対応を行うのが一般的でした。

しかしこれでは、“現象確認作業 = 復旧作業”で終わってしまいかねない他、通常時の点検がトラブルの未然防止につながっていない問題もあります。

富士電機のOnePackEdgeは、異常や故障の「兆候」や「傾向」を事前に検知し、計画的に保守・点検を実施するためのエッジコントローラ。

1. 異常を自動検知
2. 予知保全による計画停止で「即」調査開始
3.「しきい値」で監視を継続

というフローにより、収集したデータから原因を究明して、対策を実施する好循環をつくり出すことができます。OnePackEdgeは、兆候や傾向をもとに計画的な保守・点検を実現できるエッジコントローラです。

エッジコントローラにより現場における診断が可能に

SignAiEdgeの事例

エッジコントローラ導入の美点として、現場データを分析することで“設備課題の解決方法が明確になる”というものがあります。

例えば、工場などの生産設備で不良品の発生率が高い場合、設備につけたセンサからの情報を分析。生産設備の消耗部品の劣化と不良品の発生率が関係していることがわかれば、対象の消耗部品を交換して解決できるわけです。

弊社のSignAiEdgeは、このような診断が生産現場において可能なエッジコントローラ。設備内のデータ収集/分析の他、診断・判定表示までを1台の機器で行うことができます。

まとめ

ここまで生産現場の機器と、サイバー空間とを接続するエッジコントローラについて記述してきました。本文中でも述べましたが、IoTの発展とシステムの多様化に伴い。エッジサイドで知的な判断を伴うエッジヘビー化の要求はますます高まっています。

IoT実現のためには、センシング・通信環境構築・データ管理/分析・機器制御などの課題があります。しかし最初のステップとして、エッジコントローラを導入してデータ収集を行い、そこから得たデータの分析から現場の改善を行うなどすれば、既存の仕組みよりも更なる生産性の向上を目指すことも可能です。

弊社はIoTに欠かせない、現場データのセンシング・データ送信に関わるゲートウェイ技術を有し、収集したデータの解析・予測技術・最適化技術・高度制御からその実行基盤としての制御機器もカバー。IoTに関する一連の機器製造や、それに関わる技術を持つ会社です。IoT導入や、各種エッジコントローラに関するお問合せは、富士電機にお任せください。

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