富士電機株式会社

富士電機製品コラム

家電から重電まで、速度制御に幅広く使われるインバータ装置

インバータ装置とは、広義で「一定の電圧と周波数の交流から異なる電圧と周波数の交流を作り出す機器」を指します。これにより、産業機械などに使われているモータの速度をコントロールしたり、家電製品の温度や明るさを柔軟に調整したりすることができます。

回路で考えるインバータ/コンバータの役割とは?

インバータの内部には、「コンバータ回路」と「インバータ回路」がセットで入っています。インバータは「直流(DC)から交流(AC)に逆変換する機能(回路)」であり、一方のコンバータは「交流(AC)から直流(DC)に変換する機能(回路)」と定義されています。一定の電圧と周波数で入力された交流は、まずコンバータ回路で直流に変換されます。次に、インバータ回路で、その直流が異なる電圧と周波数の交流に逆変換され、出力になるという流れです。

インバータ装置の仕組み

コンバータ回路は、ダイオードを利用し、交流を直流に変換する整流機能を持っています。コンバータ回路から出てきた直流は、インバータ回路で交流に逆変換されます。インバータ回路はパワートランジスタなどのスイッチング素子で構成されており、電気をオン/オフして短冊状のパルスを作り、それらのパルスを合成することで交流を作り出します。その方法は「パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)」と呼ばれています。

インバータ装置の役割とメリット、速度・温度・照度などを自在に制御

インバータ装置の最大のメリットは、交流の電圧や周波数を自在に変えることで、機械に使われるモータを柔軟にコントロールできることです。これにより、例えば大型のファンやポンプなどの産業機械の消費電力を抑えて、省エネ効果を発揮します。また、エレベータやコンベアなどの始動/停止時に、スロースタート/スローストップすることで、人や製品への影響を抑えられます。

インバータ装置の役割

インバータ装置は、モータが内蔵されていない装置にも利用できます。例えば、高周波の交流をIH調理器のコイルに供給することで、調理器の温度を効率よく制御します。蛍光灯に高周波の交流を供給すれば、点灯速度が早くなり、低消費電力でも十分な明るさが得られます。

電圧と周波数の変化で分類、インバータの主な用途

インバータの主な利用用途ですが、家庭用のエアコンや冷蔵庫、電磁調理器から、蛍光灯、ビルのエレベータ、工事現場のクレーン、工場のベルトコンベア、ファン、ポンプ、搬送・運搬機械、包装機、工作機械、プレス機、食品加工機など、非常に多岐にわたっています。

種類 変える要素 インバータの利用用途
VVVF電圧・周波数産業用モータ、ポンプ、エアコン、冷蔵庫など
CVVF周波数のみ電磁調理器、炊飯器、蛍光灯など
CVCF電圧・周波数を一定にコンピュータの電源、UPS(無停電電源)など

これらのうち家庭用のエアコンや冷蔵庫、産業用のポンプなどは、モータの回転速度を調整するために、電圧と周波数の両方を変えているため、可変電圧・可変周波数という意味で「VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)」と呼ばれています。

また、IH調理器、蛍光灯にはモータが内蔵されていませんが、インバータで発熱や明るさなどを調整しています。この時インバータは周波数のみを変えているため、一定電圧・可変周波数という意味で「CVVF(Constant Voltage Variable Frequency)」と呼ばれています。

コンピュータ用の電源装置にもインバータが使われています。一定の交流(直流もあり)の電圧や周波数から、一定の交流の電圧や周波数を出力するものです。商用の交流電源の電圧や周波数が変動したり、停電が起きたりした際の安定電源として利用されており、一定電圧・一定周波数という意味から、「CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)」と呼ばれています。

直流/交流の変換から回生エネルギー活用に利用されるコンバータ装置

前段で解説したインバータ装置内のコンバータ以外に、単体で使用される「コンバータ装置」というものもあります。このコンバータ装置は、広義で「直流や交流の電圧を高くしたり(昇圧)、低くしたりする(降圧)変換装置」を指します。例えば、交流100Vを直流24Vに変換するAC/DCコンバータ装置、直流24Vを直流5Vに変換するDC/DCコンバータ装置などがあります。このコンバータ装置とインバータ装置を組み合わせることで、「回生エネルギー」が活用できます。回生エネルギーとは、エレベータの巻き下げ時や搬送機の減速時などにモータが発電機として働いた時、機械側から返ってくる電力のことです。通常、回生エネルギーは制動抵抗器を使い、熱エネルギーとして放出されています。しかし、回生コンバータ装置を使えば、回生エネルギーを電源側に戻し、他の機械で再利用することで、省エネが図れるのです。

制動抵抗器を使用する場合
電源回生コンバータを使用する場合

パワー半導体の開発ノウハウを活かし、高効率・高信頼なインバータを実現

富士電機は、インバータなどのパワエレ機器とそれらに組み込まれるパワー半導体の両方の事業を有し、それぞれの知見とデータを備えています。富士電機の駆動用インバータは世界一正確な運行を誇る日本の鉄道にも使われていることからも、その技術力の高さがお分かりいただけると思います。富士電機では、こうしたメーカーとしての総合力と技術サポート力を活かして、お客様のニーズにあわせたインバータのカスタマイズなど、柔軟に対応いたします。

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