富士電機製品コラム
パワーエレクトロニクスとは何か?

パワエレの適用分野。私たちの日常生活の中で幅広く活躍しています。

パワーエレクトロニクスとは何か?サステナブルな社会への貢献で、ますます注目を浴びるパワエレについて解説します

パワーエレクトロニクス(以下、パワエレ)は、電気を効率的、かつ自在に操る技術です。家電製品や電気自動車など、日常生活の中で幅広く活躍しています。また、エネルギーインフラ分野や工業分野においても重要な役割を果たしています。古くからある技術ですが、技術革新により近年では環境問題の解決に向けた取り組みにおいてもパワエレが重要になっており、その市場も急速に拡大しています。ここでは、そんなパワエレの活用事例、最新動向、具体的な製品情報までを紹介します。

パワーエレクトロニクスの定義

パワーエレクトロニクスとは、電力を制御、変換、供給するテクノロジーです。電気の種類は「直流」(DC)と「交流」(AC)に大別でき、日本の家庭用コンセントからはAC100Vの電気が供給されています。一方で、市販の標準的な乾電池はDC1.5V が出力されます。

AC100V で動作する家電製品は、DC 電圧の乾電池では動かせません。そこで電気の種類や電圧を適切に変換するためにパワエレが重要になります。

パワエレは、電力変換だけではなく、電力制御や電力供給などにも活用され、それらはパワエレ装置によって行われます。パワエレ装置には、パワー半導体とよばれるデバイス(電子部品)が搭載されており、用途に応じた様々なパワー半導体があります。(富士電機のパワー半導体はこちら

パワエレを用いた産業や分野の最新動向

パワエレは、大きい電力の制御や変換に適しています。近年、サステナブルな社会に向けた動きが加速するなかで、電化・デジタル化、省電力化の需要が拡大しており、パワエレが活用されている分野もさらなる成長が予想されます。

次に代表的な産業や分野を示します。

再生可能エネルギー

風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用するために発電所の建設が進んでいます。発電された電力は、パワエレを使用して調整・変換されます。例えば、太陽電池パネルから出力された直流電力を交流電力に変換するインバータなどがあり、優れた変換効率や長寿命といった性能が求められます。

スマートファクトリー・産業用ロボット

スマートファクトリーは、IoT 技術や自動化技術を活用して生産能力を最適化した工場です。パワエレは、スマートファクトリーにおける自動化を実現する産業用ロボットの駆動制御に使われています。また、省エネルギー化を実現するために、太陽光発電パネルを屋上や工場の敷地内に置いて、自家発電設備の高効率な電力変換のためにパワエレが使われます。

スマートグリッド

スマートグリッドは、電力の供給と需要を効率的にコントロールする次世代の電力網です。ここでも、パワエレが一役買っています。電力の変換・制御に求められる高度な技術を提供し、スマートグリッドの効率を向上させます。

高速電車

電車にも古くからパワエレが使われています。車両を高速走行させるには、高電圧で供給される交流電源を利用して、モータを駆動する制御システムが必要です。このシステムに大容量のパワー半導体として、主にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が使用され、電車の加速や減速の効率的な制御を行っています。

電気自動車・ハイブリッド自動車

近年、電気自動車やハイブリッド自動車の需要拡大から、これらの車両に使われているパワー半導体のニーズも高まっています。電気自動車には、モータ駆動やバッテリ充放電制御などの電力制御用にパワー半導体が必要です。例えば、電気自動車の蓄電池はDC 出力ですが、駆動モータはAC なので、電池の出力をDC からAC に変換しなければなりません。そこで、インバータやチョッパ回路などのパワエレ技術が求められます。

富士電機のパワエレとは?

富士電機はパワー半導体を自社で開発・製造し、それを搭載したパワーエレクトロニクス機器、それらを組み合わせたシステム、エンジニアリング・サービスをトータルで提供し、産業・社会インフラを支えてきました。富士電機のパワエレについて、さらに詳しく知りたい方は以下をご参照ください。