制御盤、配電盤において、操作用トランスは、どのような役割をしているのですか?
制御盤、配電盤において操作用トランスは、次の役割をしております。
1. 制御回路の電気的安全性の向上
人が直接操作する器具(押しボタンスイッチなど)、シーケンサ(PLC)、制御リレーなどの制御機器を含む回路は、対人安全性(感電防止)および機器の小形化(絶縁距離の短縮)から、それらが使用される回路電圧は低い方が良いので、日本では、一般の人が触れるおそれがある電路の対地電圧を300V以下に制限しております。
したがって、主回路が400V(300Vを超える電圧)の場合、人が接近、操作する制御回路などの電圧は、操作用トランスを使用して400/200V、400/100Vのようにしています。
また、日本の一般工場では、主回路電圧に三相200Vが多く使用されておりますが、対地電圧が300V以下でも、より安全性を考えて制御回路を100Vとしているところが多くあります。
このように操作用トランスは、制御回路の感電などの電気的安全性を高める働きをしております。
また、トラフィ(障害波防止用変圧器)の場合には、さらに、二次側でのノイズ減衰効果も得られます。
2. 一次電圧と二次電圧の絶縁
操作用トランスを用いることにより、一次電圧と二次電圧が絶縁され、短絡事故時など、制御回路用機器の被害を軽くすることができます。
3. 機械・装置の輸出入への対応が容易
機械・装置の輸出入で主回路電圧が変わっても、制御回路は操作用トランスを用いることにより、変更せず容易に対応できます。
4. 制御回路用機器の経済化
制御回路電圧を低くすることにより、入手が容易で、安価な標準電圧仕様の制御機器を使用することができます。
