避雷針がついているのに、なぜSPD(避雷器)が必要なのですか?
避雷針は、建物や塔などの比較的高い建造物に取り付けられ、直撃雷からその建造物の破損や火災、爆発等の発生を防止すると共に、内部の人や動物に危害を及ぼさないようにするものです。
しかし、直撃雷に付随して発生する誘導雷サージに対しては、避雷針は効果なく、誘導雷サージによる建物内または周辺の電気設備、特に電子機器の誤動作・故障発生に対しては、SPD(避雷器)が保護します。
したがって、電気設備の保護には、避雷針があっても、SPD(避雷器)が必要です。
建物に落雷した場合の雷電流の流れ
避雷針に落雷があると、多くの場合避雷導線から構造体(鉄骨・鉄筋)へ閃光放電が発生し、雷電流は、建物に流れ込みます。建物に流れ込んだ雷電流は、大地に流出する際
- ①構造体全体の電位を数kV~数十kVに上昇させ
- ②建物内の高圧機器、低圧機器、通信装置などに放電して損傷させると共に
- ③誘導雷サージを発生させます。
この誘導雷サージは、配電線、信号・通信線を経由して近くの工場、オフィス、家庭に侵入して電気機器を損傷させます。
図 建物に落雷した場合の雷電流の流れ
