ノイズは、どうして発生するのですか?
ノイズは、「電流や電圧が急激に変化するところ、すなわち磁界や電界が急激に変化するところ」に発生します。具体的な発生例をあげると次の通りです。
ノイズが発生する要因例
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ノイズを発生させる機器、例えば、インバータなどで発生したノイズが導線(電線)を伝わって機器に侵入します。これを伝導ノイズといいます。[図①③④]
- 注意:
- インバータは、商用電源を整流して、数100Vの直流中間電圧を作り、この電圧を高速でスイッチング(入り切り)してモータの速度変換に必要な周波数の電力を出力します。(これをPWM制御といいます)この高速でスイッチング(入り切り)した時にノイズが発生します。
- 導線と導線が平行に配線されていて、一方の導線に電流が流れると他の導線に電圧が誘起されてノイズとなります。これを電磁誘導ノイズといいます。[図⑤]
- 交流電源を始めとする電位の変動は、電子機器と周囲金属間にある浮遊容量(回路図には出てこないコンデンサ)によりノイズとなります。これを静電誘導ノイズといいます。[図⑥]
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電子機器本体や接続ケーブルからは、絶えず電界や磁界が空中に放射されており、これがノイズとなります。これを放射ノイズといいます。[図②③④]
- 注意:
- よく車内放送で、「車内での携帯電話のご使用は、心臓ペースメーカなど医療用電気機器の障害となる恐れがありますのでご遠慮ください」と放送されていますが、これは携帯電話の放射ノイズによる誤動作を防ぐためです。
図 ノイズ発生源と侵入経路

サージが発生する要因例
- 直撃雷や誘導雷によって、機器を破壊するような大きなサージが発生します。これを雷サージ、誘導雷サージといいます。
- 電磁接触器、リレー、ソレノイドなどのコイルを入り切りすると、コイルが発生していた磁束の急激な減少にともなって高いサージが発生します。これを開閉サージといいます。
- 冬季などの乾燥期に自動車のドアや扉のノブに触れるとピシッと電気が走りますが、これも非常に高いサージ電圧となります。これを静電気サージといいます。