鋳造業界・鋳造工場の動向調査
鋳造工場におけるIoTとデータ利用に関する意識調査

IoTの取り組みは全体の20.3%、課題は「IoT/AIに関する人材不足」が最多。

鋳造工場は製造において高度な技術と経験を要する分野です。しかし、熟練技術者の高齢化や退職、技術継承の問題、市場ニーズの多様化に対応するためには、製品の品質を維持しつつ、より効率的で生産体制が求められます。

鋳造工場においてIoTの活用やデータ利用はこれら課題を解決する手段として導入されており、生産ラインのモニタリングや設備メンテナンスの最適化、データの解析による効率的なプロセスの発見や品質向上などへの適用が期待されています。

今回の調査における鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況に関する設問では、「現在取り組んでいる」と回答したのは全体の20.3%となりました。

今回、富士電機の鋳造工場ソリューションサイトでは製造業かつ鋳造工場に勤務している回答者を対象に、IoTとデータ利用に関する取り組み状況、具体的に実施していること、 問題・課題についてのインターネット調査を実施し、「鋳造工場におけるIoTとデータ利用に関する意識調査」としてまとめました。

鋳造工場におけるIoTとデータ利用に関する意識調査結果

調査概要

対象エリア:全国
調査対象者:製造業従事者で、かつ、事業所形態が鋳造工場
有効回答数:143人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年6月28日~6月30日

属性データ

[左:所属部門]

  • 製造・生産 42.7%

  • 生産管理 16.1%

  • 品質管理 12.6%

  • 技術・研究開発 6.3%

  • その他 22.4%

[右:従業員規模]

  • 300人未満 48.3%

  • 300人~999人 19.6%

  • 1000人~2999人 13.3%

  • 3000人以上 18.9%

調査項目

  • 鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況

  • 鋳造工場でIoTを導入・活用する具体的な目的

  • 鋳造工場のIoTに関連したシステム等の利用・活用状況

    • 予知保全システム

    • ソフトセンサー

    • AI画像認識・解析システム

    • データ分析基盤・IoTプラットフォーム

    • 遠隔監視・稼働監視システム

    • 品質管理・改善システム

    • 可視化・見える化システム

    • デジタルツイン

    • 異常検知システム

  • 鋳造工場でIoTを利用・活用していく上での阻害要因

  • IoTで収集・取得したデータ活用

  • IoTで収集・取得したデータ活用状況

  • IoTで収集・取得したデータの利用・活用の成果の有無

  • IoTで収集・取得したデータの利用・活用による効果

以下、動向調査の内容を抜粋してご紹介いたします。

鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況

「現在取り組んでいる」と回答したのは全体の20.3%

鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況について、「現在取り組んでいる」と回答したのは全体の20.3%となった(図1)。

図1 鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況

鋳造工場におけるIoTへの取り組み状況の調査結果
図1:データ
  • 現在取り組んでいる 20.3%

  • 今後取り組む予定がある 17.5%

  • 必要性は感じているが、取り組んでいない 14.7%

  • 取り組んでない 32.9%

  • わからない 14.7%

鋳造工場でIoTを導入・活用する具体的な目的

もっとも回答が多かったのは「生産性の向上(自動化、機械化の推進)」で55.6%

鋳造工場でIoTを導入・活用する具体的な目的について、もっとも回答が多かったのは「生産性の向上(自動化、機械化の推進)」で55.6%、次いで「データの活用・見える化の推進」で44.4%、「人手不足・人材不足への対応」で38.9%の順に続く結果となった(図2)。

図2 鋳造工場でIoTを導入・活用する具体的な目的

鋳造工場でIoTを導入・活用する具体的な目的の調査結果
図2:データ
  • 生産性の向上(自動化、機械化の推進) 55.6%

  • データの活用・見える化の推進 44.4%

  • 人手不足・人材不足への対応 38.9%

  • 品質管理・品質改善 37.0%

  • コスト削減 37.0%

  • プロセス制御の高度化 22.2%

  • 技術・技能伝承 22.2%

  • 設備異常の予測・検出 20.4%

  • 省エネ・エネルギー利用の最適化 20.4%

  • 新素材・新製品の開発 9.3%

  • その他 0.0%

  • わからない 9.3%

鋳造工場のIoTに関連したシステム等の利用・活用状況

「活用している」の回答が最も多かったのは「可視化・見える化システム」で65.5%

鋳造工場のIoTに関連したシステム等の利用・活用状況について、「活用している」の回答が最も多かったのは「可視化・見える化システム」で65.5%、次いで「遠隔監視・稼働監視システム」が48.3%、「品質管理・改善システム」が48.3%の順に続く結果となった(図3)。"&J1

図 3 鋳造工場のIoTに関連したシステム等の利用・活用状況

省エネルギー対策に対する具体的な取り組みの調査結果
図3 データ

[「活用している」との回答比率]

  • 予知保全システム 37.9%

  • ソフトセンサー 41.4%

  • AI画像認識・解析システム 44.8%

  • データ分析基盤・IoTプラットフォーム 44.8%

  • 遠隔監視・稼働監視システム 48.3%

  • 品質管理・改善システム 48.3%

  • 可視化・見える化システム 65.5%

  • デジタルツイン 20.7%

  • 異常検知システム 37.9%

予知保全システム

「活用している」と回答したのは全体の37.9%

予知保全システムについて、「活用している」と回答したのは全体の37.9%、「今後、活用を検討している」が41.4%となった(図4)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図4 予知保全システム

予知保全システムの調査結果
図4:データ
  • 活用している 37.9%

  • 今後、活用を検討している 41.4%

  • 活用する予定はない 0.0%

  • わからない 20.7%

ソフトセンサー

「活用している」と回答したのは全体の41.4%

ソフトセンサーについて、「活用している」と回答したのは全体の41.4%、「今後、活用を検討している」が27.6%となった(図5)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図5 ソフトセンサー

ソフトセンサーの調査結果
図5:データ
  • 活用している 41.4%

  • 今後、活用を検討している 27.6%

  • 活用する予定はない 0.0%

  • わからない 31.0%

AI画像認識・解析システム

「活用している」と回答したのは全体の44.8%

AI画像認識・解析システムについて、「活用している」と回答したのは全体の44.8%、「今後、活用を検討している」が31.0%となった(図6)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図6 AI画像認識・解析システム

AI画像認識・解析システムの調査結果
図6:データ
  • 活用している 44.8%

  • 今後、活用を検討している 31.0%

  • 活用する予定はない 3.4%

  • わからない 20.7%

データ分析基盤・IoTプラットフォーム

「活用している」と回答したのは全体の44.8%

データ分析基盤・IoTプラットフォームについて、「活用している」と回答したのは全体の44.8%、「今後、活用を検討している」が27.6%となった(図7)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図7 データ分析基盤・IoTプラットフォーム

データ分析基盤・IoTプラットフォームの調査結果
図7:データ
  • 活用している 44.8%

  • 今後、活用を検討している 27.6%

  • 活用する予定はない 13.8%

  • わからない 13.8%

遠隔監視・稼働監視システム

「活用している」と回答したのは全体の48.3%

遠隔監視・稼働監視システムについて、「活用している」と回答したのは全体の48.3%、「今後、活用を検討している」が31.0%となった(図8)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図8 遠隔監視・稼働監視システム

遠隔監視・稼働監視システムの調査結果
図8:データ
  • 活用している 48.3%

  • 今後、活用を検討している 31.0%

  • 活用する予定はない 3.4%

  • わからない 17.2%

品質管理・改善システム

「活用している」と回答したのは全体の48.3%

品質管理・改善システムについて、「活用している」と回答したのは全体の48.3%、「今後、活用を検討している」が34.5%となった(図9)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図9 品質管理・改善システム

品質管理・改善システムの調査結果
図9:データ
  • 活用している 48.3%

  • 今後、活用を検討している 34.5%

  • 活用する予定はない 6.9%

  • わからない 10.3%

可視化・見える化システム

「活用している」と回答したのは全体の65.6%

可視化・見える化システムについて、「活用している」と回答したのは全体の65.6%、「今後、活用を検討している」が17.2%となった(図10)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図10 可視化・見える化システム

可視化・見える化システムの調査結果
図10:データ
  • 活用している 65.6%

  • 今後、活用を検討している 17.2%

  • 活用する予定はない 0.0%

  • わからない 17.2%

デジタルツイン

「活用している」と回答したのは全体の20.7%

デジタルツインについて、「活用している」と回答したのは全体の20.7%、「今後、活用を検討している」が27.6%となった(図11)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図11 デジタルツイン

デジタルツインの調査結果
図11:データ
  • 活用している 20.7%

  • 今後、活用を検討している 27.6%

  • 活用する予定はない 13.8%

  • わからない 37.9%

異常検知システム

「活用している」と回答したのは全体の37.9%

異常検知システムについて、「活用している」と回答したのは全体の37.9%、「今後、活用を検討している」が44.8%となった(図12)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図12 異常検知システム

異常検知システムの調査結果
図12:データ
  • 活用している 37.9%

  • 今後、活用を検討している 44.8%

  • 活用する予定はない 0.0%

  • わからない 17.2%

鋳造工場でIoTを利用・活用していく上での阻害要因

もっとも回答が多かったのは「IoT/AIに関する人材不足」で38.9%

鋳造工場でIoTを利用・活用していく上での阻害要因について、もっとも回答が多かったのは「IoT/AIに関する人材不足」で38.9%,、次いで「IoT/AIを利活用するノウハウが不足」で35.2%、「社員の理解・モチベーションが低い」で31.5%の順に続く結果となった(図13)。

図13 鋳造工場でIoTを利用・活用していく上での阻害要因

鋳造工場でIoTを利用・活用していく上での阻害要因の調査結果
図13:データ
  • IoT/AIに関する人材不足 38.9%

  • IoT/AIを利活用するノウハウが不足 35.2%

  • 社員の理解・モチベーションが低い 31.5%

  • セキュリティに関する懸念 25.9%

  • 設備投資予算の制約 22.2%

  • 投資効果が不透明 20.4%

  • テクノロジーのブラックボックス化 20.4%

  • 推進する組織体制が不十分 18.5%

  • IoT/AIの適用が困難な作業が多い 18.5%

  • その他 0.0%

  • わからない 3.7%

  • 特にない 7.4%

IoTで収集・取得したデータ活用

「積極的に活用している」と回答したのは全体の24.1%

IoTで収集・取得したデータ活用について、「積極的に活用している」と回答したのは全体の24.1%、「ある程度活用している」が62.1%となった(図14)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図14 IoTで収集・取得したデータ活用

IoTで収集・取得したデータ活用の調査結果
図14:データ
  • 積極的に活用している 24.1%

  • ある程度活用している 62.1%

  • まだ活用していないが、今後活用を検討している 6.9%

  • 必要性は感じているが、活用していない 0.0%

  • 活用する予定はない 0.0%

  • わからない 6.9%

IoTで収集・取得したデータ活用状況

「データの収集・蓄積」と回答したのは全体の68.0%

IoTで収集・取得したデータ活用状況について、「データの収集・蓄積」と回答したのは全体の68.0%、「データの見える化(状況の把握)」が76.0%、「データの傾向分析や関係性の把握」が48.0%となった(図15)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図15 IoTで収集・取得したデータ活用状況

IoTで収集・取得したデータ活用状況の調査結果
図15:データ
  • データの収集・蓄積 68.0%

  • データの見える化(状況の把握) 76.0%

  • データの傾向分析や関係性の把握 48.0%

  • データを活用した予測・シミュレーション 44.0%

  • データを活用した業務・制御等の自動化 28.0%

  • その他 0.0%

  • わからない 4.0%

IoTで収集・取得したデータの利用・活用の成果の有無

「成果が出ている」と回答したのは全体の68.0%

IoTで収集・取得したデータの利用・活用の成果の有無について、「成果が出ている」と回答したのは全体の68.0%、「成果がでていない」が12.0%となった(図16)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図16 IoTで収集・取得したデータの利用・活用の成果の有無

IoTで収集・取得したデータの利用・活用の成果の有無の調査結果
図16:データ
  • 成果が出ている 68.0%

  • 成果がでていない 12.0%

  • わからない 20.0%

  • 0.0%

IoTで収集・取得したデータの利用・活用による効果

もっとも回答が多かったのは「業務の改善・効率化」で64.7%

IoTで収集・取得したデータの利用・活用による効果について、もっとも回答が多かったのは「業務の改善・効率化」で64.7%,、次いで「労働生産性の向上」で47.1%、「製品品質の向上」で47.1%の順に続く結果となった(図17)。

この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図17 IoTで収集・取得したデータの利用・活用による効果

IoTで収集・取得したデータの利用・活用による効果の調査結果
図17:データ
  • 業務の改善・効率化 64.7%

  • 労働生産性の向上 47.1%

  • 製品品質の向上 47.1%

  • 人手不足の解消 23.5%

  • 不良品率の低減 23.5%

  • 意思決定のスピード化 11.8%

  • 資材・在庫の最適化 11.8%

  • 新製品の開発 5.9%

  • 顧客満足度の向上 5.9%

  • 防災・安全対策 0.0%

  • 競争力の強化 0.0%

  • その他 0.0%

調査結果ダウンロード

本調査結果については以下よりダウンロードすることができます。

鋳造工場におけるIoTとデータ利用に関する意識調査のイメージ

富士電機では鋳造業界・鋳造工場に関連する動向調査を不定期に実施し、お客様に役立つ情報を発信しています。本調査に関するお問い合わせは「お問い合せ・導入に関するご相談」ページよりお知らせください。

[2023年調査]