環境・社会・ガバナンス
環境マネジメントの取り組み

ESG 環境・社会・ガバナンス

富士電機は、環境保護基本方針の4項・5項に基づき、法規制・基準の遵守や環境マネジメントシステムの運用に力を入れています。

ISO14001の認証取得による環境経営

富士電機では、国内のすべての生産拠点と営業拠点(連結)および、海外のすべての連結生産子会社(富士電機の環境経営範囲)で環境マネジメントシステム(以下EMS)を構築し、第三者機関による認証取得を推進しています。すべての従業員は、環境教育を受講するとともに、省エネ・廃棄物削減・節水等の身近な環境活動を習慣としています。

ISO14001認証取得状況

(2023年3月31日現在)

未取得サイトはFuji Gemco社、Fuji SEMEC Inc.の2社。
環境ISOの対象拠点カバー率は40/42(95.2%)、従業員比では99.6%です。

環境内部監査

富士電機インド社における環境巡回の様子(ミーティング中)
富士電機インド社における環境巡回の様子(ミーティング中)

2003年度からISO14001認証サイトを対象に、環境経営推進担当部門が内部監査を兼ねた環境巡回を実施しています。

環境巡回では「ファクトシート(注)」を用いて各サイトの環境リスクの見える化を行い、特定したリスクを低減するために、環境負荷の低減や管理レベルの向上をサイトとともに取り組んでいます。

巡回は、各サイトを直接訪問して行う現地巡回とWeb会議システムを使って行うリモート巡回を併用しています。2022年度は新型コロナウイルス感染症の終息を踏まえ、すべて現地巡回の方式にて国内20サイト、海外1サイトの巡回を実施しました。

国内サイトは毎年巡回しています。海外サイトは隔年で巡回し、巡回しない年は、チェックシートによる書面監査を実施しています。これにより対象サイトの巡回カバー率は100%となり、コンプライアンス及び環境リスク管理状況をチェックしています。

(注)

ファクトシート : 各拠点の法令順守状況、環境リスク管理状況の点検記録と環境パフォーマンスシート(各拠点のエネルギー使用量・化学物質排出量・廃棄物量などの環境パフォーマンスを記録)を統合したシート

国内の環境法令違反一覧

(注1)

行政から排水中のBOD濃度違反の指摘を受けました。原因は、浄化槽設備の不具合、修理が完了し行政報告しています。この異常による、環境影響はありませんでした。

海外環境法令違反

(注1)

中国:海洋環境保護上の輸入申告区分違反(反則金1万元:中国国内調達に切替済み)

(注2)

タイ:化学物質取扱責任者(有資格者の欠員:現在は取得済)
マレーシア:排水(油分)基準超過の指摘(現在は是正完了)

(注3)

マレーシア:排水中のフッ素濃度違反(現在は是正完了)

国内:地域社会での環境コミュニケーション実施状況

2022年度の事例

新システムを導入し、データ収集を細分化して広く収集しました。
地域の清掃活動:75件、植樹活動:5件、ボランティア:24件、工場祭:3件、社外講演:5件、交流会:3件、近隣説明会3件

海外:地域社会での環境コミュニケーション実施状況

2022年度の事例

新システムを導入し、データ収集を細分化して広く収集しました。
地域の清掃活動:14件、ボランティア:17件、社外講演:13件、交流会:4件

環境リスク管理

安定した生産体制を維持するためには、生産拠点での環境リスク管理強化が不可欠です。そのため生産拠点のスタッフに対し、気候変動リスク対応、公害防止、環境リスクへの感性向上、等の力量把握と教育を積極的に推進しています。

国内の全生産拠点を対象に、環境リスクマップによる施設・設備のリスク管理ファクトシートによる環境パフォーマンスのリスク管理と両面でリスク管理を行っています。今後もリスクマップ、ファクトシートの整備を行い、リスク管理だけでなく、省エネ・省資源活動の取り組みにも活用していきます。

気候変動リスクへの適応策事例

2022年度はTCFDの活動を通じて、異常気象多発に伴う洪水・高潮による浸水リスクの評価を行い、国内外6拠点の生産工場を「リスク有」と特定しました。対象拠点では、浸水時に操業への影響を最小限に抑えるための対策に着手しています。

上記以外にも、各拠点で想定されるリスクへの対策を独自で実施しています。

環境リスクの見える化

富士電機では、環境保全の推進と万一の事故による環境影響を最小化することを目的に、工場別の「環境リスクマップ」を作成しています。

「環境リスクマップ」とは、環境リスクに関する情報の共有化と伝達・伝承を確実にするために、環境に影響を与える可能性のある施設・設備・作業等について、敷地・建物等の情報とともに図面上に記載し可視化したものです。具体的には、土壌汚染調査/浄化対策の履歴、化学物質の保管/使用履歴、環境施設、給水/排水系統図、蒸気系統図、電源系統図、建屋耐震性、アスベスト使用建屋等などが記載されています。

国内は全ての生産拠点において、海外は中国・タイ・マレーシア・フィリピンの生産拠点を対象に、「環境リスクマップ」を整備しています。毎年見直しを行っており、最新の情報に更新しています。

大気や水域への汚染物質の排出防止

大気・水域それぞれに環境汚染防止対策を実施しています。

大気への排出を防止する対策として、自家発電機(非常用発電機を除く)にNOx排出防止装置を設置しています。また、SOxの排出を抑制するために低硫黄燃料を使用しています。

水域への排出を防止する対策として、化学物質を使用する工場ではその処理装置を設置しています。水質は常に管理しており、異常検知の際には素早い対応がとれるよう、対応訓練を定期的に実施しています。排水門の自動遮断機能の確認や貯留池の許容時間内での社内通報体制の確認を実施しています。

土壌の浄化

国内では、2007年度までに全生産拠点の土壌・地下水の汚染状況を把握しています。基準値を超過した13拠点の浄化に着手し、このうち9拠点で完了しています。

その後、土壌汚染対策法で定められた土壌調査の機会(注1)において調査を実施し、地下水モニタリングが必要と判明した拠点については、2023年6月時点で3拠点(注2)で浄化、4拠点(注3)で地下水モニタリングを行っています。

海外では、日本の土壌汚染対策法に該当する法令の制定が進められており、これに対応して地歴調査と電子マップでの記録を開始しています。

また、国内外を問わず土地の売買の際には事前に土壌調査を行い、汚染等のリスク確認を行っています。

(注1)

土壌調査の機会:水濁法指定の特定施設の廃止時や一定以上の土地の改変時に実施

(注2)

3拠点:三重、松本、安曇野(富士電機メーター)

(注3)

4拠点:川崎、吹上、埼玉、北陸(富士電機パワーセミコンダクタ)