環境・社会・ガバナンス環境マネジメントの取り組み
富士電機は、環境保護基本方針の4項・5項に基づき、法規制・基準の遵守や環境マネジメントシステムの運用に力を入れています。
ISO14001の認証取得による環境経営
富士電機では、国内のすべての生産拠点と営業拠点(連結)および、海外のすべての連結生産子会社(富士電機の環境経営範囲)で環境マネジメントシステム(以下EMS)を構築し、第三者機関による認証取得を推進しています。すべての従業員は、環境教育を受講するとともに、省エネ・廃棄物削減・節水等の身近な環境活動を習慣としています。
ISO14001認証取得状況
EMS構築拠点(サイト)数 | 国内 | 海外 |
---|---|---|
合計 | 27 | 16 |
取得済 | 27 | 14 |
未取得 | 0 | 2 |
国内サイト数:㈱茨城富士が富士電機と合併したことにより1サイト減。
海外サイト数:Fuji Electric Consul Neowatt社が連結子会社となり1サイト増。
未取得サイトはFuji Gemco社、Fuji SEMEC Inc.の2社
環境パフォーマンスのカバー率:環境経営対象範囲の99.6%の拠点を集計しています。
また、この集計範囲は全社に対して95.3%に相当します。(%は従業員比です。)
環境内部監査
2003年度からISO14001認証サイトを対象に、環境経営推進担当部門が内部監査を兼ねた環境巡回を実施しています。
環境巡回では「ファクトシート※」を用いて各サイトの環境リスクの見える化を行い、特定したリスクを低減するために、環境負荷の低減や管理レベルの向上をサイトとともに取り組んでいます。
巡回は、各サイトを直接訪問して行う現地巡回、Web会議システムを使って行うリモート巡回を併用しています。2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、現地巡回5サイト(国内5)、リモート巡回20サイト(国内17、海外3)で内部監査を実施しました。
また、2020年度からこれまで隔年で監査を行っていた国内販社サイトおよび海外サイトで新たに
チェックシートによる書面巡回を開始しました。これにより対象サイトの巡回カバー率100%で、
コンプライアンス及び環境リスク管理状況をチェックしています。
- ファクトシート : 各拠点の法令順守状況、環境リスク管理状況の点検記録と環境パフォーマンスシート(各拠点のエネルギー使用量・化学物質排出量・廃棄物量などの環境パフォーマンスを記録)を統合したシート

国内の環境法令違反一覧
年度 | 環境法令違反 (課徴金・反則金) |
環境法令違反 (勧告・命令) |
環境法令違反 (一時的基準オーバー・指摘・注意) |
---|---|---|---|
2016 | 0 | 0 | 0 |
2017 | 0 | 0 | 0 |
2018 | 0 | 0 | 0 |
2019 | 0 | 0 | 0 |
2020 | 0 | 0 | 0 |
海外環境法令違反
年度 | 環境法令違反 (課徴金・反則金) |
環境法令違反 (勧告・命令) |
環境法令違反 (一時的基準オーバー・指摘・注意) |
---|---|---|---|
2016 | 1 ※1 | 0 | 0 |
2017 | 0 | 0 | 0 |
2018 | 0 | 0 | 0 |
2019 | 0 | 0 | 2 ※2 |
2020 | 0 | 0 | 0 |
- 中国:工場設置条件違反(反則金13万元)
- タイ:化学物質取扱責任者(有資格者の欠員:現在は取得済)
マレーシア:排水(油分)基準超過の指摘(現在は是正完了)
国内:地域社会での環境コミュニケーション実施状況
年度 | 説明会/交流会/講演等 | 意見/要望/苦情 等 | |
---|---|---|---|
内)未対応残件 | |||
2016 | 26 | 10 | 0 |
2017 | 30 | 10 | 0 |
2018 | 28 | 14 | 0 |
2019 | 30 | 15 | 0 |
2020 | 36(中止12) | 6 | 0 |
2020年度の事例
2020年度は、コロナウイルスの影響等により、12件の外部コミュニケーションが中止になりました。主な環境活動は身近の清掃活動などが主体となり、地域のステークホルダーと実施する理科学校や植樹活動などは中止になりました。意見/要望/苦情も大幅に減少しました。
富士電機はこれからも、コロナウイルス後には、地域社会のステークホルダーと積極的にコミュニケーションを図り、より良き企業市民として環境改善に貢献してまいります。
海外:地域社会での環境コミュニケーション実施状況
年度 | 説明会/交流会/講演等 | 意見/要望/苦情 等 | |
---|---|---|---|
内)未対応残件 | |||
2016 | 8 | 0 | 0 |
2017 | 9 | 1 | 0 |
2018 | 7 | 0 | 0 |
2019 | 11 | 0 | 0 |
2020 | 9 | 0 | 0 |
海外拠点
説明会/交流会/講演等 :植樹活動・清掃活動等
環境リスク管理
安定した生産体制を維持するためには、生産拠点での環境リスク管理強化が不可欠です。そのため生産拠点のスタッフに対し、気候変動リスク対応、公害防止、環境リスクへの感性向上、等の力量把握と教育を積極的に推進しています。
国内の全生産拠点を対象に、ファクトシートによる施設・設備と環境パフォーマンスの両面でのリスク管理を行っています。今後もファクトシートの整備を行い、リスク管理だけでなく、省エネ・省資源活動の取り組みにも活用していきます。
気候変動リスクへの適応策事例
リスク要因 | 工場 | 対応内容 |
---|---|---|
水資源の枯渇 | 深圳 (シンセン) |
リサイクル設備導入により水のリサイクル率を80%まで高めました。 |
水資源の枯渇 水価格の高騰 |
松本・珠海 山梨・津軽 マレーシア |
工場排水の一部を浄化して、生活用水用にリサイクルするのに加え、製造工程で使用する純水のリサイクルに取組んでいます。 |
マレーシア | 最大の水使用拠点であるため、2020年までに30%使用量削減目標を設定して節水対策を強化しています。 | |
洪水 | タイ | 生産体制の強化に向けた新工場設立にあたり、場所を高台に移すことで洪水に対する被災に配慮しました。 |
豪雨に伴う停電 | 松本・山梨 | 早期気象情報による警戒体制での対応に加え、重要設備へ自家発電装置やUPSから電力を常時安定供給しています。 |
豪雨による 交通渋滞・障害 |
三重 | 前日までに通勤・物流・生産等の重大な混乱が予想された時に、生産日シフトによる対応が可能な体制をとっています。 |
環境リスクの見える化
富士電機では、環境保全の推進と万一の事故による環境影響の最小化を目的として、各工場別の「環境リスクマップ※」を作成しています。
「環境リスクマップ」とは、環境に影響を与える可能性のある施設・設備・作業等に関する情報を、敷地・建物等の情報とともに図面上に記載し可視化したもので、環境リスクに関する情報の共有化と伝達・伝承を確実にするためのものです。
国内は全ての生産拠点において、海外は中国・タイ・マレーシア・フィリピンの生産拠点を対象に、「環境リスクマップ」を整備しています。毎年見直しを行っており、最新の情報に更新しています。
- 環境リスクマップの内容;土壌汚染調査/浄化対策の履歴、化学物質の保管/使用履歴、環境施設、給水/排水系統図、蒸気系統図、電源系統図、建屋耐震性、アスベスト使用建屋等
大気や水域への汚染物質の排出防止
大気・水域それぞれに環境汚染防止対策を実施しています。
大気への排出を防止する対策として、自家発電機(非常用発電機を除く)にNOx排出防止装置を設置しています。また、SOxの排出を抑制するために低硫黄燃料を使用しています。
水域への排出を防止する対策として、化学物質を使用する工場ではその処理装置を設置しています。水質は常に管理しており、異常検知の際には素早い対応がとれるよう、対応訓練を定期的に実施しています。
土壌の浄化
国内では、2007年度までに全生産拠点の土壌・地下水の汚染状況を把握しています。基準値を超過した13拠点の浄化に着手し、このうち9拠点で完了しています。
その後、土壌汚染対策法で定められた土壌調査の機会※1で調査を実施したところ、地下水モニタリングが必要な拠点が判明したため、2021年6月時点で3拠点※2で浄化、4拠点※3で地下水モニタリングを行っています。
海外では、日本の土壌汚染対策法に該当する法令の制定が進められており、これに対応して地歴調査と電子マップでの記録を開始しています。
また、国内外を問わず土地の売買の際には事前に土壌調査を行い、汚染等のリスク確認を行っています。
- 土壌調査の機会:水濁法指定の特定施設の廃止時や一定以上の土地の改変時に実施
- 3拠点:三重、松本、安曇野(富士電機メーター)
- 4拠点:川崎、吹上、埼玉、北陸(富士電機パワーセミコンダクタ)