環境・社会・ガバナンス
サプライチェーン全体を通じた環境負荷の低減

ESG 環境・社会・ガバナンス

近年、資源を循環的に利用するビジネスモデルであることを示す「循環経済」の必要性が問われています。そこで富士電機は、2050年ゼロエミッションを目指す取り組みを強化します。従来は、生産時に排出する最終廃棄物量の削減や、水の投入量を抑えることに重点を置いてきました。今後は従来からの活動に加え、「ライフサイクル全体で環境負荷が発生しない製品づくり」を目指し、設計の見直しを含めた循環性の高い製品モデルへの転換に取り組みます。具体的には2023年度に中長期視点による新たな目標を策定し、施策を計画に落とし込みます。最終的にはライフサイクルで発生する最終処分をゼロに近づけ、自然への負荷を極小化することで、「循環型社会の実現」に加え「自然共生社会の実現」を目指します。

資源の有効利用・原材料の削減活動

富士電機の「資源の有効利用・原材料の削減」活動は、ISO14001に則り環境改善活動として工場の特性に合わせて最も有効な方法で改善を進めています。ISO14001の社外審査により、その活動の有効性が評価されています。

具体的には、ISO14001に以下の様な環境改善チーム編成して、目標を定めて活動しています。
設計部門:製品アセスメント部会では、対象製品の小型・軽量化、長寿命化、難リサイクルプラスチックの最小化、有害化学物質の不使用に取組んでいます。

ものつくり部門:ものつくり部会では、原料の有効利用、不良品の削減、梱包材のリユースや削減及び廃棄物の分別の徹底による再資源化率の向上をテーマに活動しています。

富士電機は、このような工場の活動により継続的改善を推進しています。

サプライチェーン全体を通じた環境負荷低減活動

環境ビジョン2050で掲げた「循環型社会の実現」に向けて、「環境配慮設計基準」に基づいた、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を実現する製品設計に力を入れています。富士電機は、製品ライフサイクル全体における製品の環境負荷を低減することで、お客様の環境課題解決に貢献します。

さらに今後は、製品そのもののライフサイクルを通じた再利用に加え、現地工事など事業を通じて発生する廃棄物の再利用にも力を入れていきます。

活動事例

コンクリートのがれきを再利用した工場岸壁改修

富士電機のパワエレエネルギーの主要工場である千葉工場では、サプライチェーン全体を通じたリサイクル活動を推進しています。その一環が、お客様が所有するコンクリート構造物を解体する際に発生するコンクリートの塊を、工場敷地内にある岸壁の改修に活用する取り組みです。お客様から受け入れたコンクリートの塊を砕き、耐候性の強いネットに詰めて、工場の敷地内にある岸壁(総長423m)に設置しています。この取り組みにより、コンクリートのがれきは暴風時に発生する高波の威力を弱め、工場敷地護岸を保護する「波消し石」として再利用されています。

コンクリートのがれきを再利用した工場岸壁改修_01
コンクリートのがれきを再利用した工場岸壁改修_02

(注)

今回の取り組みにあたり、事前に行政(千葉県)および漁業協同組合の同意を得ています