環境負荷を低減するドライエア開閉装置向け絶縁技術の論文が国際会議 CIGRE Paris Session 2026 で最優秀論文賞を受賞しました
2026年10月21日
富士電機株式会社
「CIGRE Paris Session 2026」において、富士電機株式会社の研究員と、金沢工業大学の大澤 直樹 教授、新居浜工業高等専門学校の加藤 克巳 教授、名古屋大学の早川 直樹 教授、愛知工業大学の大久保 仁 名誉教授との共著論文が最優秀論文賞を受賞しました。
パリで隔年開催される「CIGRE Paris Session」は、世界100カ国以上から15,000人以上の電力分野の専門家が一堂に会する、100年以上の歴史を誇る世界最大級の国際会議です。今年は8月23日~28日 に開催されました。


[名称]
BEST PAPER
[受賞論文]
"Suppression of gas pressure and tank diameter of dry air GIS by combination of FGM spacer and insulating coating conductor"
[受賞者]
技術開発本部 先端技術研究所 岡本 健次、増井 秀好
(金沢工業大学 大澤 直樹 教授、新居浜工業高等専門学校 加藤 克巳 教授、名古屋大学 早川 直樹 教授、愛知工業大学 大久保 仁 名誉教授と共同受賞)
高電圧・大電流を遮断するガス絶縁開閉装置(GIS)では、地球温暖化係数(GWP)の高いSF6ガス(六フッ化硫黄)に代わり、GWPゼロのドライエア(乾燥空気)の導入が進められています。一方で、ドライエアは絶縁性能が低く、放電を防ぐために絶縁距離を大きく広げて電界の集中を抑える必要があり、機器の大型化を招く点が問題でした。当社はこれまで、誘電率を傾斜させ電界集中を緩和させた絶縁スペーサ(ε-FGM絶縁スペーサ)と、高圧導体の絶縁破壊電圧を高める絶縁コーティング導体技術を開発し、ドライエアの絶縁性能を補うことで機器を大幅に小型化できる見通しを得ていました。
今回、本技術の実用化に向け、実機相当の製造条件で作成した実寸大モデル(245kV級)で効果検証を行いました。絶縁性能低下の要因となりうる表面凹凸(微小な機械加工痕)を有した実機相当の導体でも本技術の効果が発揮されるかが課題でしたが、高電圧試験(雷インパルス試験)の結果、耐電圧が従来構成比で約27%向上し、絶縁性能が大きく向上することが確認できました。これにより、実際の製品仕様においても既設GIS(SF6ガス仕様)に対してタンク径が1.2倍程度のサイズに抑えられることが実証され、実用化への見通しをより確実なものとすることができました。今後も小型化に向けた技術開発を継続するとともに、持続可能な電力インフラの実現に向け、本技術の実用化を推進してまいります。


CIGRE(Conseil International des Grands Réseaux Électriques:国際大電力システム会議)は、電力システムに関する専門知識を共同で開発・共有する目的で1921年にフランス・パリで設立された民間の非営利団体です。電力システムの全分野を網羅する16の研究委員会(スタディコミッティ)、250以上のワーキンググループを中心に技術的課題に取り組んでいます。
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日本CIGRE国内委員会:https://www.cigre.jp/
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