サステナビリティ
サプライチェーン全体を通じた環境負荷の低減

近年、資源を循環的に利用するビジネスモデルである「循環経済」の必要性が世界的に求められています。富士電機は「ライフサイクル全体で環境負荷が発生しない製品づくり」を目指し、2024年6月に「環境ビジョン2050」のメッセージを見直しました。また、新たに「エコデザイン規則に対応した環境配慮型製品への移行」という2030年度目標を設定しました。
従来は、生産時の廃棄物最終処分率の削減や水の投入量の抑制に重点を置いてきましたが、今後はこれらの活動に加え、廃棄物の発生そのものを抑えることにも力を入れていきます。そのため、生産する製品について設計の見直しを行い、環境配慮型製品への切り替えに取り組みます。具体的には、エコデザイン規則に基づいた環境配慮型製品の評価基準を策定し、それに合致する製品への切り替えを進めていきます。また、お取引先様と協力し、カーボンフットプリントの算定とその低減に向けた活動を推進します。最終的な目標は、ライフサイクルを通じて環境負荷ゼロを実現し、「循環型社会の実現」および「自然共生社会の実現」に寄与することです。

資源の有効利用・原材料の削減活動

富士電機の「資源の有効利用・原材料の削減」活動は、ISO14001に則り、工場の特性に合わせた最も効率的な環境改善を推進しています。この活動の有効性は、ISO14001の社外審査によっても評価されています。

具体的には、以下のような環境改善チームを編成し、各部門で目標を定めて活動しています。

設計部門:製品アセスメント部会では、小型・軽量化、長寿命化、難リサイクルプラスチックの最小化、有害化学物質の不使用に取り組んでいます。

ものつくり部門:廃棄物対策部会では、原料の有効利用、不良品の削減、梱包材のリユースや廃棄物の分別強化を通して再資源化率の向上を目指しています。

富士電機は、このような工場での継続的な改善活動を推進し、その成果を活かして環境配慮型製品への切り替えを図っていきます。

製品のライフサイクル全体での環境負荷の低減

環境ビジョン2050で掲げた「循環型社会の実現」に向けて、EUエコデザイン規則に基づく「環境配慮設計項目と基準」の策定を進め、サーキュラーエコノミー(循環経済)を実現する製品設計を目指しています。富士電機は、製品ライフサイクル全体における製品の環境負荷を低減することで、お客様の環境課題解決に貢献します。

<カーボンフットプリント(CFP)への対応>

製品のライフサイクルで排出される温室効果ガスをCO2排出量として数値化する取り組みを進めています。
2024年度は、代表2機種(電磁開閉器、自動販売機)で調達から生産までの試算を実施し、算定に向けた課題を抽出しました。
2025年度は、算定機種を低圧インバータ、半導体などに拡大するとともに、お取引先様との連携による一次データの収集などにも取り組んでいきます。

サーキュラーエコノミーの推進

<環境配慮型製品>

国内外の環境規制の基準への適合を進め、新製品は「環境配慮型製品」として、中長期的にその比率を高めていきます。製品の開発や設計段階での評価項目や基準を設定し、当社製品の環境負荷を評価する仕組みを構築し環境負荷の低減を進めていきます。

<環境トレーサビリティ>

製品がサステナブルな方法で生産されているかを見える化するために、製品単位での環境トレーサビリティの可視化(EU デジタル製品パスポート)への対応を進めていきます。取引先様と連携し、製品の原材料、CFP、リサイクル性などの情報をお客様や社会に開示し、お客様に安心して選んでいただける仕組みづくりに取り組みます。