サステナビリティ
人財の育成と公正な評価
人財育成に関する基本的な考え
富士電機は、行動規範「企業行動基準」の中で、「人を大切にします」と宣言し、従業員の能力開発を経営にとっての最重要テーマの一つに据え、社員一人ひとりの成長とチームの総合力の発揮を実現する人財育成の強化を表明しています。グローバル競争力強化につながる「プロフェッショナルな人財の育成」を目指し、積極的に従業員の教育・研修を実施しています。
教育・研修制度
各職場でのOJT(On-the-Job Training:業務経験を通した能力開発)や事業部門、事業拠点ごとの独自教育に加え、全社横断的に、または専門分野別に各階層に応じて、幅広い教育・研修を実施しています。競争力の源泉となる個々人の成長と、組織としての総合力の向上を目指しています。
富士電機の能力開発体系

「強いチームづくり」に向け、昇格・任命といった節目において、マネジメント力やヒューマンスキル、論理的思考力等の向上をねらいとした階層別研修に取り組んでいます。2024年度は1,174名が受講しました。
部門や事業のリーダーの早期発掘と、将来の経営層候補者人財の継続的・全社的な育成をねらいとし、他社との交流の外部研修も取り入れた研修を実施しています。2024年度は49名が受講しました。
能力向上、個別専門の知識、スキルの習得等をねらいとし、特に技術系講座は分野別・レベル別にきめ細かく分類・体系化して実施しています。2024年度は、9,513名が受講しました。
ものつくりの技術・ノウハウの社内での蓄積や、国内外の生産拠点で活躍できる生産技術者、技能者の育成をねらいとしています。
国内で、ものつくりに直接携わる技能系の新入社員向けには1年間の専門技能教育を実施するほか、工場の生産技術部門に配属される新人生産技術者向けに3カ月間の専門技術教育を行っています。中堅層の技能者には、高い技能に加え優れた改善・合理化のできる人財育成として、ものつくりマイスター教育を行っています。さらに、各製造拠点では職種や階層、個人の技能レベルに応じた教育を計画的に行っています。
海外の生産技術系社員向けに、コア技術講座による技術教育、現地での実践指導などを計画的に行っています。
国内・海外における生産技術系・技能系社員を対象とした製造技術・管理技術の教育
※FePS:Fuji electric Production System
つながるスマートファクトー実現に向けた、階層別ものつくりデジタル人財育成教育
-
デジタル技術基礎・入門講座(動画視聴)
-
デジタル技術応用・活用講座
-
デジタル技術体験・実践研修
生産技術者に必要な教育を段階的に実施し、国内外で活躍できる人財育成を図る
幅広い知識を保有する生産産技術者の早期育成のため、生産技術系大卒・高専卒の新入社員を対象とした3か月の集中実践教育

職場の戦力となり周りをリード可能な人財育成
新たな企画を自らが企画・立案・実行可能な人財育成
入社2年目の大卒・高専卒の全社員を対象としたものつくりの基礎技術教育
◆SCM・PLM連携講座
-
商品企画基礎講座
-
原価管理基礎講座、応用講座
-
生産管理基礎講座
-
VE基礎座、応用講座
-
IE基礎講座
◆デジタル活用講座
-
DX推進基礎講座
-
製品価値基礎講座
-
スマート工場基礎講座
◆FePS(富士電機のものつくり)基礎講座
※SCM:Supply Chain Management PLM:Product Life-cycle Management
階層別(製造主任・作業長・作業リーダー)の監督者育成教育
・製造主任 :現場管理者として、業務と人のマネジメント力の向上
・作業長 :現場を第一線監督者として、職場内外を巻き込むリーダーシップ力の向上
・作業リーダー:現場力強化のために、リーダーとして人の扱い方と仕事の教え方を習得
中堅層の作業リーダーに、優れた改善・合理化に必要な技術力習得のための基礎・応用教育。ものつくりマイスター認定者には賞与でインセンティブを付与することで、モチベーション向上と工場のものつくり力強化につなげます
高卒技能系新人全員を対象とした1年間の全寮制教育
技能系キャリアの基盤を形成し、技能照査試験合格を目標とした即戦力人財育成

グローバル人財育成
世界中のお客様に最大の満足を提供するために、日本以外の国や地域で採用された社員も日本国内の社員も、国や地域を超えて一つのチームとして連携して事業を推進することが重要と考え、それを担えるグローバル人財の育成に取り組んでいます。
グローバル人財育成の基本的な考え方
国内外の社員が母国を離れ、海外での仕事や生活の経験を通じて、赴任先国の現地社員とチームで新たな価値を創造できる人財を育成しています。自己理解と他者理解を基盤とし、国や地域による文化や習慣の違いを超えて一人ひとりの個性を認め、互いに尊敬し合い協力できることを大切にしています。
日本国内から海外へ派遣するGlobal Specialist Programや、海外から日本国内へ派遣するNational Staff Programを通じて、国内外の人財交流を推進しています。また、これらのプログラムでは、派遣先での業務スキルの習得を通じて、将来のグローバル人財の育成も進めています。
また、海外生産拠点のものつくり力強化に向け、現地生産技術者の計画的な育成に取り組んでいます。加えて、海外拠点の強化に向け、現地の経営に大きな影響を及ぼすキーポジションを特定し、後継者候補を人選、育成する取り組みに着手しています。

グローバル人財育成プログラムの導入
1.国内社員の育成:Global Specialist Program(GSP)(派遣人数5名規模/年間)
将来のグローバルビジネスリーダーの母集団を拡大し、グローバルな事業伸長を加速するため、一定の国内実務経験がある中堅社員を海外拠点に約2年間派遣するプログラムを実施しています。本プログラムでは、2017年度の制度導入以降、累計で約60名を派遣しています。
2.海外採用社員の育成:National Specialist Program(NSP)(受入人数20名規模/年間)
将来の海外事業伸長に貢献できる人財育成に向けて、海外現地社員を3ヶ月から1年程度、日本に受け入れてOJT研修を行うプログラムを実施しています。本プログラムでは、2017年度の制度導入以降、累計で約120名を受け入れています。
3.語学スキル強化プログラム:Fuji Global 1(受講人数300名規模/年間)
事業のグローバル化を進めていく中で、海外派遣者および日本で海外窓口を担うキーパーソンの語学スキル強化はきわめて重要です。2017年度からは全社一体運営プログラムとして実施し、延べ3,200名の社員が受講しました。将来を担う中核人財に対し、グローバルに通用する語学スキル習得の機会を提供し、グローバル要員としての戦力化を推進しています。
リスキリング
多様な人財が「自律的で生産性の高い働き方」を実現出来るよう、事業ニーズに応じたリスキリングや、生産性向上に向けたアップスキリング、自律的なキャリア形成の支援等の人財育成に取り組んでいます。
特に、AI・IoTなどのDX先端技術が急速に普及し世の中が大きく変化する中、デジタル技術を活用した課題解決、新たな価値創出や社内業務の生産性向上に向け、デジタル人財の育成に積極的に取り組んでいます。サービス開発を担う技術者だけでなく、工場・生産部門やお客様に近い営業・サービス部門も含めDXリテラシー向上に向けた教育を実施しております。DX関連講座の受講者は、2021年度から2024年度の4年間で、延べ20,167名超となりました。
研修時間・研修費用
(単位:時間)
(単位:百万円)
公平・公正な処遇制度
富士電機は、「成果実績重視」「仕事の価値に応じた処遇」を理念とした人事処遇制度を導入しています。
幹部社員の処遇制度では、会社の業績目標達成に向けて、個人の目標達成へのコミットメントの強化を図るとともに、将来のリーダーとなる人財を育成することを重視し、目標や役割・責任の大きさに基づいて処遇を決定しています。
一方、一般社員の処遇制度として、企画職では職能資格制度を採用し、成果だけでなくプロセス(行動特性)も評価しています。技能・実務職では、仕事の習熟度を毎年評価し処遇に反映しています。また、一定レベル以上の技能者には、改善・合理化の取り組み成果を賞与に加算する仕組みを設けています。なお、各評価制度の運営のベースとなる目標や成果については、都度、上司と部下が面談を通じて確認することとしています。