電子行政ソリューション コラム
実残業削減、テレワーク、副業… 公務員の“働き方改革”はどこまで進んでいる?

条件は違えど公務員にも“働き方改革”は不可欠

女性も、高齢者も、すべての国民が活躍できる“一億総活躍社会”の実現を目指し、今や全国的にブームとなっている“働き方改革”ですが、これまでのところその主役は民間企業です。公務員はどうかというと、労働基準法など労働三法が適用されない(代わりに公務員法などの特別な法律が適用される)こともあり、民間企業に比べ自由度や柔軟性が低く、取り組み内容や進捗度も遅れをとっている状況です。例えば、民間企業では、時間外労働の削減はもとより、テレワークによる在宅勤務なども一般的になりつつあり、副業を認めるケースもちらほら聞くようになりました。
一方、公務員の場合は、住民の個人情報を取り扱う業務が多いこともあり、テレワークの実施率は0.3%程度に留まります。副業については公務員法で課される守秘義務の観点から事実上困難…というのが現実です。しかしながら、総務省が5年ほど前に実施した調査によれば、都道府県と主要市の常勤職員1人あたり時間外労働時間は158.4時間で、民間事業所の154時間を上回る状況となっており、労働力不足のなか行政サービスの品質向上を図るために、公務員においても働き方改革は不可欠と言えそうです。

時間外勤務の削減とテレワーク/リモートワークの進め方

具体的に公務員の“働き方改革”をどのように進めれば良いのか、時間外勤務(残業)の削減と、テレワーク/リモートワーク導入という、現実的な2つのテーマについて考えてみたいと思います。

時間外勤務(残業)の削減

時間外勤務を削減するには、実態を正確にリアルタイムで把握する仕組みが必要です。職員全員の数字を“見える化”することではじめて、「この職員は直近の2カ月間で100時間を超えているから、業務量を調整して今月は抑えられるようにしなければ…」といった判断が可能になるからです。各職員が紙で残業申請した内容を、庶務担当が月に1回集計するといったアナログの方法では、どうしてもタイムラグが発生してしまい、タイムリーで適切な管理は困難です。リアルタイム性を高めるために集計サイクルを短くしようとすると、庶務担当にとっては残業時間が増え、働き方改革どころではなくなってしまいます。そこで、富士電機株式会社の「庶務事務システム」のような仕組みを導入することで、こうした問題を解決することができます。職員はシステム上で残業申請し、上長はリアルタイムの集計データを見ながら承認の判断を下すことができます。それにより、適切な勤怠・労務管理を実現すると同時に、庶務担当は手作業の集計から解放され、組織全体の働き方改革を支援します。

勤務時間のシステム化イメージ

テレワーク/リモートワーク導入

場所にとらわれず、庁内以外の出張先や自宅などでも業務ができれば、移動時間を業務時間に充てることができ、時間外勤務の削減も可能になります。もちろん、個人情報保護の観点から対象業務を選ぶ必要はあると思いますが、富士電機株式会社の「文書管理システム」を活用することで、タブレット端末の導入と電子決裁により、出張中の管理者が出先で決裁できるようにした自治体の事例も。申請する職員にとっては迅速な決裁で業務のスピードアップが期待できます。この「文書管理システム」は公文書管理法にも準拠しており、全庁規模でペーパーレスに取り組む自治体での実績も豊富です。
民間企業での“働き方改革”がすっかり定着した今、公務員においてもようやく時間外勤務の削減やテレワーク/リモートワークに取り組もうとする動きが出てきました。人事院勧告でも指摘されていますが、公務員の働き方改革は、ICTを活用した業務の効率化からはじめるのが近道と言えそうです。

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