富士電機株式会社

環境・社会・ガバナンス水資源の有効利用

富士電機は、環境保護基本方針および環境ビジョン2050に基づき、「循環型社会の実現」を目指し、サプライチェーン全体で3R(リデュース、リユース、リサイクル)を指向した活動を推進しています。その一環として、水資源の有効利用および排水基準の遵守に取り組んでいます。

水資源の有効利用

世界的な水資源の枯渇問題に鑑み、これまでの排水基準の遵守に加え、水資源の有効利用を強化することで水投入量の削減を目指しています。水投入量の売上高原単位の削減を目標に定め、2020年度はその目標達成を目指して活動を実施しました。

2020年度は、国内では生産に伴い水を大量に使用する半導体事業の増産投資の影響で、水の投入量が前年比1.6%増加しました。一方海外では半導体事業の主力工場の一つであるマレーシア工場では、水投入量削減活動により前年比3.4%削減しました。結果海外全体での水投入量は前年比3.3%削減となり、国内外合わせたグローバル規模での水投入量は前年比0.5%減となりました。

水資源の有効利用で力を入れているのは、水のリサイクルです。

2020年度のリサイクル水量は3,004千トンとなり、対前年から11.3%増加しました。リサイクル率※は18.4%と前年比1.8%増加しました。2019年度から、松本工場にてフィルタ膜の閉塞対策を実施しており、水リサイクル量を増やしています。

  1. ※リサイクル率
    リサイクル量/使用量(=投入量+リサイクル量)

水投入量(グローバル)

水投入量(グローバル)

  1. 注)国内:上水購入量+工業用水購入量+地下水汲上量(生産活動で使用する地下水のみ※)
  2.   海外:工業用水※2
  3.   ※1地下水汲上量には、土壌浄化用、農業用水供給用、融雪用の地下水は含みません。
  4.   ※2インドの新規拠点(Fuji Electric Consul Neowatt社 2019年度買収)でのみ地下水を約千トン/年を利用

水リサイクル量

水投入量(グローバル)

【水リスク調査】

富士電機では、国内外すべての生産拠点において、水資源不足のリスクにさらされていないか確認するために、評価※1を実施しています。その結果、中国深圳(シンセン)工場が唯一水リスクの高い拠点に該当しました。

※1 3つの指標から総合的に拠点の水ストレスを判断

①WRI Aqueduct(世界資源研究所)による世界の地域別の水ストレス評価結果

②水消費量

③水供給インフラ

水リスク生産拠点である深圳工場の状況

深圳工場は、当社で水リスクと判定されたエリアにある唯一の工場です。渇水期には感光体の生産に不可欠な水の供給が制限されるため、大きく2つのリスク対策を実施しています。

ひとつめは受水槽の設置です。水の供給が一時的に途絶えても操業への影響を防ぎます。ふたつめは排水をリサイクルする設備の導入です。現在のリサイクル率は80%で、深圳市で締結した目標(70%)をクリアしています。

このように、深圳工場は行政との良好な関係を築くことで、水を安定的に利用できる生産体制を構築しています。

水リスク拠点における水購入量・使用量の推移

 水リスク拠点の状況 2018年度 2019年度 2020年度
水購入量(千トン) 252 242 256
水使用量(千トン) 454 436 461
リスクの割合 1.9% 1.8% 1.9%
  1. 注)水使用量:水購入量+リサイクル量
  2.   水リスク割合:(深圳水購入量)/(富士電機の総水投入量)

水の取水管理の状況

富士電機の生産拠点は、その多くが工業団地内に立地しているため、工業用水や上水(飲用可能水)の供給を受けています。加えて、地下水を取水している拠点もあります。

地下水の取水量は毎年行政報告しており、それぞれの地域における取水量の適性化に努めています。当社が地下水を取水している国内の拠点数は15(21拠点中)で、地下水の取水量が水の総投入量に占める割合は50.2%です。(地下水取水量報告値は、生産に係わる使用に限定。)

過去、日本国内では地下水の取水が地盤沈下を引き起こし、社会問題化したことがあります。しかし現在では、行政がその地域の適切な取水量の水準を決め、地下水位の適性化がなされているため、取水が原因で引き起こされる地盤沈下等の社会問題はほとんど発生していません。

海外の拠点*は、工業団地に供給される工業用水のみを生産活動に使用しています。
また、特に水使用量の多い半導体前工程4工場(松本・山梨・津軽・マレーシア)と深圳を加えた5工場は水のリサイクルを推進することで、水投入量を抑制管理しています。
他拠点に対しても、ISO14001の環境影響評価で水使用量の影響が認識されれば、循環水化投資、節水の取組、水使用量管理で異常を早期に発見し、漏水の補修、工場内配管の地上化(見える化)などの対策を実施し、水投入量抑制に努めています。

*インドの新規拠点(Fuji Electric Consul Neowatt社 2019年度買収)でのみ地下水を約千トン/年を利用

排水管理の状況

化学物質を使用している工場では厳重に排水を管理しており、法定排水基準より厳しい自社基準を定めています。排水処理装置に異常が検知された場合は、常駐の修理担当者が即座に対応します。排水のpH調整不良などの異常を検知した場合は排水門を自動で遮断し、基準を満たさない排水が社外へ漏洩しない対策を行います。この基準外の排水は、修復が完了するまで排水貯水池にためられます。

当社はこのように排水管理を徹底することで、生態系への影響を最小限に抑制するように努めています。

生産拠点の水有効活用の取り組み事例

水の使用量が大きいマレーシアの生産拠点では、水投入量を2020年までに2011年比で30%削減する目標を策定していました。活動事例として、水を使う製造装置の管理基準の改善や純水リサイクル施設の導入などをおこない計画的に削減してきましたが、増産の影響もあり2020年度の結果は2011年比で27.6%削減にとどまりました。今後もリサイクルを推進し、削減活動を強化していきます。

松本工場の取組み
半導体ウエハの製造を行っている松本工場では、ウエハ製造プロセスで大量の純水を使用するとともに、生産設備の冷却などにも多くの水を使用しており、水資源の使用量削減と有効活用は、重要な取組みテーマとなっています。

純水リサイクルの取組み

製造工程からの排水を選別し、比較的良質な部分を純水製造の原水としてリサイクルしています。
洗浄工程の排水の回収では、マイクロバクテリュームの有機物処理能力を加えた生物活性炭化に成功し、回収率を向上しました。また、環境に有害なフッ素を含んだ排水については、専用の排水回収装置を導入、逆浸透膜で濃縮することにより排水量を削減し、更に膜を透過した綺麗な水を純水の原水として再利用しています。

フッ酸処理設備の薬品使用量削減

純水精製では、イオン交換樹脂の定期的な再生処理を行う必要があり、それにより発生する酸性・アルカリ性の混合排水を終末処理後に公共下水道へ放流していました。そこで、その排水から高濃度のアルカリ溶液を分離し、フッ酸処理設備で必要なpH調整に再利用できる新たな排水再利用システムを考案・導入し、薬品使用量の削減とコストダウンが可能となりました。

排水回収システムの改善(IWM:Integrated Water Management)

工場の終末処理では、排水回収システムを導入し、公共下水道に放流していた排水の再生処理(濾過処理等)を行い、工場内の冷却塔やトイレなどに使う水として再利用しています(約千トン/日)。2020年度は、濾過膜のメンテナンス方法の改善等により、更に回収率が向上しています。

排水回収システム(IWM:Integrated Water Management) 排水回収システム
(IWM:Integrated Water Management)


ページの先頭へ戻る