化学業界向けソリューション
蒸気用超音波流量計/EMSソリューション
外付けできる流量計で蒸気を計測、工場の省エネ対策・エネルギーマネジメントを支援。
化学プラント・工場では、すでに電気エネルギーについては省エネへの取り組みや見える化が進んでおり、これ以上の削減効果が望みにくいのが現状です。
一方で、蒸気エネルギーについては電気と比較して見える化・測定が難しく、省エネへの取り組みが遅れています。 蒸気の熱エネルギーは工場の様々な場面で利用されており、エネルギーロスの削減や、さらなる省エネ対策を実施するためには、熱エネルギーの活用・最適化が重要になります。
クランプオン式蒸気用超音波流量計を導入することで、蒸気の熱エネルギーの測定が簡単になり、見える化、エネルギーマネジメントによる省エネ対策を可能にします。 エネルギーマネージメントシステムを構築することで化学プラント・工場全体のエネルギー利用の最適化ができるようになり、さらなる省エネ対策やカーボンニュートラルへの取り組みを可能にします。
工場の省エネ対策や蒸気の流量・流速の計測に課題はありませんか?
・省エネルギー対策の効果が出せない
・蒸気ボイラ設備の運転を最適化したい
・24時間操業のため配管工事が難しい
・どこに省エネ余地があるかわからない
・流量計設置による圧力損失を避けたい
・蒸気漏れ・エネルギーロスをなくしたい
・熱のエネルギーの見える化に取り組みたい
・流量計のメンテナンス頻度を減らしたい
・少ない流量でも計測できる必要がある
・費用対効果がある省エネ対策を検討したい
蒸気用超音波流量計/EMSソリューションを導入する3つのメリット
蒸気設備の省エネ対策、蒸気のムダ・ロスの見える化を支援
省エネ対策を進めるためには、エネルギーの利用現状を計測し、実態把握が必要です。 一方で、蒸気は電力と比較すると定量的な測定が難しく、省エネ対策の検討・検証が簡単ではありません。
蒸気用超音波流量計を活用することで、エネルギーの無駄やロスが把握しやすくなり、工場の蒸気設備の省エネ対策が可能になります。
設備を止めることなく、蒸気流量計を外付け、蒸気漏れもなし
従来の渦式・差圧式の流量計を設置する場合、配管工事が必須のため導入は簡単ではありません。 一方で、流量計を配管外部に設置する蒸気流量計の場合、配管工事が不要で、稼働中の設備を止めることなく設置できます。
流量計を配管の外部に設置するため圧力損失やウオーターハンマーによる損傷も発生しません。
エネルギー利用最適化することで、CO2排出量の削減を可能に
産業部門のエネルギー消費量で熱の利用は最も多く、消費量削減や最適利用が注目されています。化学業界でもCO2排出量の削減、カーボンニュートラル推進を目的に、熱のエネルギーの最適利用が検討されています。
蒸気エネルギーの見える化からエネルギーマネジメントを始めることで、工場全体の省エネ・エネルギーの最適利用を実現します。
蒸気の熱利用の計測から始める熱利用の効率化・省エネ対策
化学プラント、化学工場ではCo2排出量の削減、カーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでいます。 資源エネルギー庁「熱の有効利用について」によると熱エネルギーは、製造業などを主とする産業部門で約56%と主要なエネルギーとして活用されており、この熱エネルギーの消費量を削減できれば、温室効果ガスの削減に向けた大きな効果が期待できます。
工場では蒸気の熱エネルギーが加熱殺菌 空調などに利用されています。 蒸気の熱エネルギーは蒸気配管からの放熱、蒸気漏れ、ドレンを捨てることなどにより失われますが、蒸気の熱利用の実態は不明である場合が少なくありません。
蒸気の有効利用率を上げるためには、各設備の蒸気使用量や製造プロセスにおける蒸気の熱損失を定量的に把握する必要があります。
クランプオン式蒸気用超音波流量計は今まで導入が難しかった工場や設備における蒸気流量の「見える化」を実現します。 配管工事不要で簡単に取付けでき、配管外部に設置するため、蒸気漏れや圧力損失がなく、蒸気エネルギーを有効活用できます。
クランプオン式蒸気用超音波流量計の概要
クランプオン式蒸気用超音波流量計
クランプオン式蒸気用超音波流量計は今まで導入が難しかった工場や設備における蒸気流量の「見える化」を実現します。
配管工事不要で簡単に取付けでき、流量計を設置する際に稼働中の設備を停止する必要がありません。 配管外部に設置するため、蒸気漏れや圧力損失がなく、蒸気エネルギーを有効活用できます。
また、可動部がなく、ウオーターハンマーの影響も受けないためメンテナンス費用の低減が可能です。 蒸気流量の「見える化」に貢献し、EMS(エネルギーマネージメントシステム)と連携することで無駄の発見、工場の省エネ、エネルギーマネジメントの最適化を支援します。
主な特長
・工事不要。配管を切断せずに取り付けが行えます。
・圧力損失ゼロ。配管外付けタイプなので, 圧力損失がありません。
・可動部がないため、清掃等の定期的メンテナンス費用を低減できます。
・他方式の蒸気流量計では測定できない、流量0からの測定が可能です。
・質量流量換算が可能です。
・RS-485通信機能でタッチパネルなどを接続することで監視が容易です。
・日本語 (カタカナ)、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の5ヶ国語をサポートしています。
クランプオン式蒸気用超音波流量計ご紹介動画(全業種向け)
クランプオン式蒸気用超音波流量計のご紹介動画。製品の用途、導入メリット、外観や取付作業イメージをご確認いただけます。さらに、この超音波流量計を活用した、工場の熱エネルギーの効率化ソリューションをご紹介します。
蒸気用超音波流量計の適用事例
適用事例1:ボイラ設備の運転最適化・省エネ対策の立案
ボイラ設備の最適運用のためには蒸気流量の測定が必要です。そこで、クランプオン式蒸気用流量計を設置し、約2週間、エネルギーのロスが発生していないかについて調査しました。
蒸気流量を測定した結果、休日に特定の時間帯で突発的な大量蒸気が流れることによるエネルギーロスや人がいない休日や夜間の時間帯で常時4m/hの蒸気が流れていることが分かり、ボイラの運転条件を見直したことで、省エネ対策を立案、ボイラ設備の運転最適化を可能にしました。
適用事例2:設備の最適化・最善策
A社某工場で蒸気流速を測定する目的で、クランプオン式蒸気用超音波流量計を設置しました。 蒸気流速を測定したところ、設計値よりも速い流速で蒸気が流れていることが分かりました。
設計値よりも蒸気流速が早いため、ウォータハンマーによる計測機器等の故障や、蒸気が流れることで配管の肉厚が徐々に薄くなる現象(配管減肉現象)、圧力損失の増加などの問題があることが分かりました。
特長・機能
配管工事不要で設備稼動中でも設置可能
クランプオン式とは、蒸気用流量計を配管に外付けする設置方法のことです。一般的に蒸気流量計には差圧式や渦式がありますが、これらのタイプの流量計は配管を切らないと取付けができません。そのため、24時間稼働の工場や異物混入が許されない製造ラインでは設置が難しく、蒸気の計測・見える化の阻害要因となっていました。
このクランプオン式はインライン式と比較して、流量計を設置するために配管工事をする必要がないというメリットがあります。化学プラント・工場の既存設備が稼動中でも設置が可能で、専用レールにより取付け位置の調整も容易にできます。可動部がないため、清掃等の定期的メンテナンス費用を低減できます。
配管工事が不要のため、配管の接合部からの蒸気漏れの心配がありません。また、流量計全体を断熱材で覆うことができ、機器からの放熱によるエネルギーロスも抑えることができます。
圧力損失・ウォーターハンマーによる機器故障リスクなし
クランプオン式の流量計は、配管の外側に設置するため、圧力損失がなく、ウォクランプオン式の流量計は、配管の外側に設置するため、圧力損失がなく、ウォータハンマ―などの測定流体の状態変化から影響を受けることがありません。
一方で、差圧式や渦式流量計は配管内構造物 (オリフィスや渦発生体) による圧力損失が発生するため、不要 なエネルギー損失が発生してしまいます。また、配管の詰まりが発生した場合はメンテナンスが必要になります。
インライン式と比較してエネルギーロスがなく、機器故障のリスクが低く抑えられるため、 省エネ・省力化に適しています。ータハンマ―などの測定流体の状態変化から影響を受けることがありません。
蒸気ボイラ設備の末端流量まで測定が可能
差圧式や渦式流量計は、測定原理上、流量0付近の測定はできませんでした。 一方で、超音波を利用した測定では、低圧の蒸気から高温の蒸気まで測定でき、流量0の測定にも対応。バルブ劣化などによる微量な蒸気漏れも検出することも可能です。 クランプオン式の蒸気用超音波流量計は0.1MPa (G) の低圧力から測定することができます。
正確に流量計測するための技術
蒸気の測定では、液体の測定と比べて受信信号が小さく、変換器に信号が伝わるまでに信号が減衰してしまうという問題があります。 富士電機の蒸気用超音波流量計では独自のデジタル信号処理により、管内の飛沫による計測障害を低減、測定が可能なレベルの信号を受信可能にしています。
また、蒸気配管では、配管の金属内部を回り込む信号がノイズとなり、蒸気流量を計測するうえでの課題になります。 金属から蒸気に透過する信号よりもこのノイズの方が大きく、信号と同じ周波数を持つため、フィルタ処理で取り除くことが難しいためです。
蒸気用超音波流量計では耐熱性ゴムのノイズ除去フレームを配管表面に巻くことで、ノイズを低減させ、超音波信号を正確に捉えることを可能にしています。
質量流量へ換算が可能
測定した体積流量測定値と密度(固定値)入力によって、質量流量への換算や出力ができます。また、飽和蒸気の圧力(DC4~20mA)や温度(測温抵抗体)を測定し、外部信号(AI)で入力することで、密度補正を行うこともできます。
ローダーソフトによる計測データトレンド把握
RS-485通信(Modbus仕様)が可能で、ローダーソフトを使用することで計測データのトレンド確認、受信波形の確認、パラメーター設定が可能です。また各種データをCSVファイルにて保存することもできます。
工場の省エネ・最適運用を実現するエネルギーマネジメントシステム
エネルギーマネジメントシステム(EMS:Energy Management System)を導入することで、電気・水・空気・蒸気など、工場内で使用するエネルギーを系統別に計測できるようになります。実際に使用したエネルギーを把握し、最適な運用によって、省エネルギーを実現します。
化学プラント・工場のエネルギーロスの削減、省エネ化、Co2の削減やカーボンニュートラルへの取り組みを推進させるためには、エネルギーを「見える化」「分かる化」「最適化」が必要です。これにより、例えば設備の運用改善や設備運転設定値の調整による省エネ、排熱回収利用、排熱量の削減などの効果が得られます。
エネルギーの見える化・分かる化・最適化ソリューション
はじめに取り組むのは、「エネルギーの見える化」です。現状のエネルギー使用状況を把握し、すぐにできる対策を実施します。具体的には主要設備のエネルギー計測による状況把握や、実行可能な省エネ対策を実施します。
次に取り組むのは「エネルギーの分かる化」です。エネルギー管理すべきポイントを抽出し効果を分析します。データ蓄積により、エネルギー消費傾向のモデル化や、改善ポイントの顕在化とムダ取りの推進できるようにします。
最後は「エネルギーの最適化」です。省エネ機器・制御技術によるエネルギーコスト低減、エネルギー消費モデルに基づいた最適供給制御、発電・蓄電デバイス活用によるエネルギー負荷平準化を可能にすることで、エネルギーの運用管理や設備投資の最適化を実現します。
蒸気のエネルギーの見える化システムの構成例
蒸気用超音波流量計を活用した熱エネルギー効率・排出量の分析システムの構成例です。BOX盤では、収集したデータからリアルタイムで熱エネルギーを計算し、 蒸気設備の蒸気使用量、熱エネルギー効率、排出量の見える化を行います。いつもの「熱収支状態」を基準にして、状態監視を行い、蒸気使用量に増加などのエネルギー効率悪化を検知します。
関連:超音波流量計シリーズ
富士電機では既設配管に簡単に取付可能なクランプオン式超音波流量計を幅広くラインアップ、製品生産管理や省エネを支援します。様々な流体(液体・空気・飽和蒸気)をクランプオン式で測定でき、純水、薬液、油などの液体をはじめ空気や飽和蒸気などの測定を容易に実現します。
流体用超音波流量計(TIME DELTA-C)FSV形
配管内へ流れている液体流量を非接触で高精度測定します。φ13~6000mmの配管口径に適用できます。
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小形、軽量の超音波式液体流量計。現場での流量チェックに最適。消費熱量演算機能を内蔵。SDカードへの保存も可能。
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蒸気の最適化による工場の省エネ対策のご提案
蒸気の流量・流速の計測、熱エネルギーを活用した省エネ対策に課題はありませんか? 製造業向けに製造活動を支える省エネ技術、IoTシステムや制御システムを数多く提供、その実績をベースとし化学業界向けにIoT活用・ 生産性向上・スマート工場化を支援するためのシステム&ソリューションを提供しています。
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