こんなところに富士電機#5
京王電鉄の府中変電所にFR3®変圧器

京王電鉄㈱ 府中変電所の変電設備

天然エステル油を適用した変圧器で環境に配慮した鉄道運行に貢献

京王電鉄㈱ 5000系鉄道車両

 東京の新宿と八王子を結ぶ京王線。京王電鉄㈱が運営する本路線は、通学の足としてだけでなく、沿線地域の活性化やレジャー施設の利用促進にも貢献する重要な交通インフラだ。府中変電所は、電力系統から受電した電気を、鉄道車両の駆動機器や照明などで使える電圧に、安全に変換する役割を担い、同社の鉄道の安定運行を支えている。
 京王電鉄㈱(以下、お客様)を中心とする京王グループはグループ理念に掲げている「環境にやさしく」の基、環境に配慮した事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。この一環としてお客様は2024年10月、府中変電所に当社のFR3®Fluid適用整流器用変圧器(以下、FR3®変圧器)を導入した。

当社製FR3®Fluid適用整流器用変圧器

 発電所や変電所に設置される変圧器は、機器内の意図しない場所への電流の侵入を防ぐための絶縁や、電力損失によって生じる熱の冷却が必要である。従来はそれらの役割を鉱油が担っていたが、変圧器の老朽化や破損により、鉱油が漏洩した場合、土壌や地下水の水質などの汚染を引き起こす可能性がある。そこで注目されているのがFR3®変圧器だ。本変圧器には、鉱油の代わりに大豆油由来の天然エステル油(FR3®Fluid)が使われており、万一漏洩しても土壌汚染を最小限に抑えることができる。「お客様にとってFR3®変圧器の採用は初めてのことでしたが、本変圧器を使うメリットを時間をかけて訴求しました」と当社営業担当の吉光さんは語る。当社はこれまでも、お客様に対して高品質な変電機器を納入し、信頼関係が築けていたことも受注の決め手となった。
 お客様からは「今回のFR3®変圧器に引き続き、環境にやさしい富士電機製品の開発に期待しています」と前向きな言葉をいただいている。
 吉光さんは「当社にとって、鉄道業界へのFR3®変圧器納入は今回が初めてとなります。今後もお客様の要望に応え、環境に配慮した鉄道運行に貢献していきたい」と、今後の意気込みについて語った。

富士電機、京王電鉄㈱の関係者の皆さん