富士電機が貢献する環境・社会課題
AIを活⽤した需要予測と最適運転技術により脱炭素社会の実現に貢献

脱炭素社会実現に向けた取り組みがさらに加速しているなか、経済活性化との両立に向けて、いかに効率よくエネルギーを利用していくかが課題となっています。
この課題を解決する方法の1つがEMS(エネルギーマネジメントシステム)です。EMSとは、受配電設備や生産設備などのエネルギー使用状況を把握、制御しながら設備全体でのエネルギー使用を最適化するシステムです。

見える化、分かる化、最適化を実現する富士電機のEMS

富士電機のEMSは、設備のエネルギー使用をリアルタイムで計測する「見える化」、運用状況を分析する 「分かる化」、設備全体での最適運用を実現する「最適化」の3つのステップでエネルギー需給制御を実現しています。これまで、EMSの対象範囲を地域全体としたCEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)も手掛けており、複数のスマートコミュニティ実証にも取り組んできました。さらに、パワー半導体の生産工程で多くの電気や熱を使用する富士電機の山梨工場で、ガスコージェネレーションや燃料電池などと組み合わせた電気・熱の最適利用によるEMSを構築しました。

AIを活用した需要予測とは

これらの取り組みや経験を活かして、富士電機はAIを活用したCEMSを提供しています。このCEMSの特長は、AIによる需要予測の「根拠が分かる」ことです。一般的にはAIが導き出したデータは、なぜその結果になったかがわからない「ブラックボックス」型が主流です。しかし、富士電機のAI技術は結果データとともに、計算モデルや学習データなどといった根拠がわかる「ホワイトボックス」型です。このため、もし予測が外れてしまった際にも運用者が原因を特定することができ、適切な対処やフィードバックが可能です。そしてより予測精度を高め、最適なエネルギー制御につなげることができます。

新さっぽろ駅周辺地区のエネルギー最適化に貢献

今回、富士電機は「新さっぽろ駅周辺地区I街区開発プロジェクト」にAIを活用した次世代型CEMSを納入しました。
本プロジェクトは新さっぽろ駅周辺の利便性向上と災害に強い街づくり、さらにエリア全体でのCO2削減を目指しています。北海道ガス㈱が運用する新さっぽろエネルギーセンターには、天然ガスコージェネレーション(熱電併給)や、ボイラー、ヒートポンプなどの熱源機器が設置されています。次世代型CEMSは、過去のエネルギー使用量や気温・湿度などの実績、当日の天気予報等のデータからAIが電力・熱の需要を予測し、この予測を基に設備の最適な運転計画の立案と制御を行うことで、街全体の省エネを実現します。また、天然ガスコージェネレーションを最適に運用することで、災害発生時におけるエネルギーの安定供給も可能となり、地域の強靭化にも貢献します。

今後エネルギー消費が多くなる冬場において、次世代型CEMSによる需要予測やエネルギー効率改善はますます重要になっていきます。本プロジェクトにおける寒冷地でのノウハウを活かして、他地域に向けても今後さらにエネルギーの最適運用を展開し、脱炭素社会の実現に貢献します。

貢献するSDGs目標

産業と技術革新の基盤をつくろう
気候変動に具体的な対策を

次世代型CEMSによる最適なエネルギー需給制御でCO2排出量削減に貢献します。また、災害発生時におけるエネルギー安定供給で地域の強靭化に貢献します。