富士電機が貢献する環境・社会課題
鉄道の安全運行に貢献する鉄道車両用ドア駆動システム

鉄道の安全運行に貢献する鉄道車両用ドア駆動システム

富士電機は鉄道ビジネスとして、車両や駅舎に電力を安定供給するために必要な変圧器や遮断器などの受変電設備や、照明や空調などの車内の電気設備に電力を供給する補助電源装置、車両の駆動を制御する主変換装置、車両用ドア駆動システムなどを提供し、安全で快適な鉄道運行の実現に貢献しています。
そのなかで、鉄道利用者に身近な存在である鉄道車両用ドア駆動システムには、その駆動に空気圧を利用する「空気式」と、モータの動力を利用する「電気式」があります。当社は、電気式のドア駆動システムを手掛けており、この強みや特長を紹介します。

国内外で電気式ドア駆動システムの普及が進む

ドア駆動システムは、鉄道車両の旅客用乗降口の上部に取り付けられている、ドアを開閉させる装置です。特に、戸挟み時において、乗客に対し安全にドアを開閉することが、ドア駆動システムに求められる重要な役割です。
日本の鉄道では空気式が一般的ですが、電気式にはドアの開閉をより高精度に制御できること、空気式に比べて空気配管が不要であるなど部品点数が少なくメンテナンスがしやすいことなどの利点があり、空気式から電気式への置き換えが進んでいます。この傾向は世界でも同様であり、電気式ドア駆動システムに対するニーズは年々増加しています。

戸挟み防止などの機能を備え、安全性を追求

当社の電気式ドア駆動システムには、産業用ロボットや工作機械、半導体製造装置などに使われるサーボ技術が用いられています。サーボ技術は、モータの回転数や位置を高精度に制御し、こうした機械や装置で要求される動作を実現する技術です。これまでに培ったサーボ技術を適用することで、ドアの開閉を最適にコントロールできることに強みがあります。
当社製品は、この強みを活かし、ドアに指や傘、ベビーカーや車椅子の車輪などが挟まれた場合には、瞬時にドアを開いたり、閉じる力を低減させたりすることで、衝撃を和らげ、乗客自身が容易に体や物を引き抜くことを可能にする戸挟み防止機能を備えています。また、ドアの開閉にかかる時間や電流値などに異常の予兆が生じた場合には、自動でアラームが検出されるため、本システムが故障する前にメンテナンス等の対応をすることができます。
これらの機能により、鉄道の安全運行を支えています。

富士電機製鉄道車両用ドア駆動システム(FCPM方式)

世界で年間30億人の通勤や生活を支える

日本における電気式ドア駆動システムの当社シェアは約50%(当社調べ)で、東日本旅客鉄道㈱の山手線や、東急電鉄㈱の田園都市線、東海旅客鉄道㈱の中央本線などへの納入実績があります。海外では、米国のニューヨーク市営地下鉄や、シンガポール地下鉄などにも採用されており、当社製ドア駆動システムはその納入実績と高い安全性によって、年間約30億人の通勤や生活を支えています。

ニューヨーク市営地下鉄R160B
ニューヨーク市営地下鉄R160B
JR東日本E235系(山手線他)
JR東日本E235系(山手線他)
東急電鉄2020系/6020系/3020系(東急田園都市線他)
東急電鉄2020系/6020系/3020系
(東急田園都市線他)
JR東海315系(中央本線他)
JR東海315系(中央本線他)

貢献するSDGs目標

産業と技術革新の基盤をつくろう
住み続けられるまちづくりを

乗客の安全・安心や鉄道の定時運行、保守時の省メンテナンス性を支えるドア駆動システムは、当社のSDGs重点目標「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11.住み続けられるまちづくりを」に貢献します。