モータ・応用製品 豆知識
モータの仕組み


磁石の近くにコンパスを置くと、コンパスのN極は磁石のS極へ、S極はN極に引き付けられます。
これは磁石の磁力という力によるもので、磁力が働いている空間を磁界とよびます。磁界には向きがあり、コンパスがN極を指す方が磁界の方向となります。

図1のように、磁界の中に、直交するように棒を置き、棒を動かすと電流が流れようとします(起電力)。このときの起電力、磁界、棒の移動の方向には法則があり、図2のように右手の中指、人差し指、親指をそれぞれが直角になるように広げたとき、中指が起電力の方向、人差し指が磁界の方向、親指が棒の移動の方向になります。これをフレミングの右手の法則とよびます。


図3のように、磁界の中に、直交するように棒を置き、棒に電流を流すと力が働きます。
このときの電流、磁界、力の方向には法則があり、図4のように左手の中指、人差し指、親指をそれぞれが直角になるように広げたとき、中指が電流の方向、人差し指が磁界の方向、親指が力の方向になります。
これをフレミングの左手の法則とよびます。



図5のように、電気をよく通す物質(導体)でできた円盤の面に沿って磁石を動かすと、円盤が磁石を追いかけ同じ方向にまわり始めます。この現象をアラゴの円盤とよびます。
(円盤の材料は、銅やアルミなど磁石にくっつかないものでもできます)

何で円盤が回るの?では、フレミングの右手と左手の法則で説明します。
静止状態から図6のように磁石を時計回りに動かし始めます。
その時、磁石から見てみると円盤が磁石と逆方向の反時計周りに動いているように見えます。
(円盤の材料は、銅やアルミなど磁石にくっつかないものでもできます)

ここで、図7の磁石部分(S-N間)では、磁界に対して赤矢印の方向に力が発生し移動します。
よって、フレミングの右手の法則により、円盤の内側に向かう方向に起電力が起きて渦を巻くような電流(渦電流)が流れ始めます。

最後に図8の磁石部分(S-N間)には、青矢印方向に電流が流れます。よって、フレミングの左手の法則により赤矢印の方向に力を受けて円盤は磁石と同じ方向に回ります。


誘導機の原理は、図9のように回転する磁石とその中に閉じたコイルを配置したモデルで説明できます。

静止状態から図10のように外側の磁石が時計回りに回転し始めたとします。
このとき、磁石から見るとコイルが磁石の回転と逆向きの回転、すなわち反時計回りに回転しているように見えます。

次に、図11で示すコイルの辺は、磁界に対して赤矢印の方向に移動していることになります。
よって、フレミングの右手の法則により、起電力が生じ、コイルには電流が流れ始めます。

コイルに電流が流れていることから、フレミングの左手の法則により図12のような力を受け、コイルは磁石と同じ方向に回転します。


回転原理の説明では磁石を回転させましたが、実際は複数のコイルを順番に配置し励磁させます。誘導機は三相の位相を120°ずらして励磁を変化させます。

三相電源のAの部分では、U相に一番多く電流が流れています。そのため、磁界の強さもU相の部分が一番大きくなります。各相ではそれぞれの電流の強さに応じた磁界を発生させていますが、干渉や合成をすることにより一定の向きの磁界を作ります。この時の磁界は一番強いU相の磁界を中心に、磁界をまとめることができます。

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注
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は、画面手前から奥に向かって電流が流れていることを示します。
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注
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は、画面奥から手前に向かって電流が流れていることを示します。
三相電源の時間を進めると、磁界がどのように動くか見てみましょう。

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