導入事例
製造工程制御のエンジニアリング効率化

DCS・PLCのエンジニアリング支援ツール活用による製造工程制御のエンジニアリング効率化事例

製造工程制御のエンジニアリング効率化のイメージ

 業務効率化   自動化   コスト削減 

雪印メグミルク株式会社様磯分内工場における製造工程制御のエンジニアリング効率化事例。 DCS・PLCのエンジニアリング支援ツールを導入・活用し、エンジニアリング効率の向上を実現し、エンジニアリング全体のリードタイムを短縮、 ソフトウェアデバッグ効率の向上、人的ミスの低減などの導入効果を得られました。

会社名:雪印メグミルク株式会社
URL:https://www.meg-snow.com/
業種:食品製造業
事業内容:牛乳、乳製品および食品の製造・販売など

磯分内工場の概要

雪印メグミルク磯分内工場は、1960 年に操業を開始したバターおよび生クリーム製造の主力工場である。

のたび、既存製造棟の老朽化や増改築による設備運用上の制約も大きいことから、将来にわたる生産機能を維持・強化するため、設備全般を刷新し、 新規製造ラインによる省人化、設備の自動化による生産の効率化を図る計画を推進している。

雪印メグミルク磯分内工場

労働環境の変化と課題

労働人口の減少や働き方改革の推進などの社会的背景の変化から、計装制御エンジニアリングに掛けるリソースは、より効率的なものが求められている。

また、工場従業員の若年齢化、非正規社員の構成比率の増加など、必要な人員を確保できたとしても技術伝承が難しくなってきているなどの課題がある。

エンジニアリング体制

雪印メグミルクでは、製造工程制御のエンジニアリングを社員だけで行うのではなく、富士電機に委託したり、両者で分担したりと自社の状況に応じた体制が選択できるようにしている。

製造工程制御のエンジニアリングのうち、製造ノウハウに関わるエンジニアリングは雪印メグミルクの社員が行っている。これにより、コア技術を反映するとともに継承していく体制を構築している。

一方、雪印メグミルクの全工場に共通するような工程制御(洗浄など) などについては富士電機がエンジニアリングを担当している。これにより、エンジニアリングの水平展開を考慮し、かつ高効率で実現することが可能になる。

また、制御機能の仕様書作成から試験、生産立ち会いについては両社が協同して行っている。

このようなエンジニアリング体制を実現することで、新規製造ライン稼働後の維持・メンテナンス・改造がどちらの会社でも実施を可能にしている。

従来のエンジニアリングにおける課題

雪印メグミルクでは、工程制御に関わる制御機能仕様書をフロー形式で運用している。 エンジニアリング支援ツールの新機能の活用以前は、制御機能仕様書を作成した後、専用のコントローラ支援ツールを用いて、人手でラダー回路に置き換えていた。

このため、エンジニアリング期間の長期化、 展開ミスによるソフトウェアの品質低下、デバッグ時のバグ解消の煩雑性などが課題となっていた。

制御ソフトウェアの自動生成機能でエンジニアリング効率を向上

この課題を解決するためにエンジニアリング支援ツールの運転法案フロー仕様表現機能を採用し、運転方案と同等のフロー表現を実現できるようにした。

これにより、制御機能仕様書から自動で制御ソフトウェアが作成されるため、リードタイムの短縮、デバッグ効率の向上、人的ミスの低減が図られた。

従来の使い慣れた表現で容易に制御ソフトウェアを作成できることから、社内の情報共有も円滑に行うことができ、技術者教育にも活用できる。

雪印メグミルクでは以前から運転方案フロー仕様表現を基本思想としエンジニアリング支援ツールを活用してきた。今回、更にSFC機能を組入れることにより、運転法案としての表現と制御ソフトウェア展開が強化され、エンジニアリング効率を大幅に向上することができた。

エンジニアリング支援ツールによるリードタイムの短縮イメージ
補足:エンジニアリング支援ツールによるリードタイムの短縮イメージ
DCS・PLCエンジニアリング支援ツール 「HEART-BELIEVE」 は Visio を使って作成された制御機能仕様書を制御ソフトウェアに自動で変換することが可能になる。 今まで6つのプロセスで行っていたエンジニアリングを3プロセスに圧縮できる。これにより、エンジニアリング全体のリードタイムを短縮し、高効率で高品質なエンジニアリングが可能になる。 上記図はエンジニアリング支援ツールによるリードタイムの短縮イメージ。

導入事例のシステム構成

分散制御システム(DCS:Distributed Control System) は富士電機の「MICREX-View XX(ダブルエックス)」を採用し、システム構成は次の通りである。

システム構成
・データベースステーション「XDS-3000」2台
・オペレータステーション「XOS-3000」4台
・タブレット端末 4台
・メイン制御のコントローラ「XCS-3000」3台
・入出力処理 PLC「Micrex-Jupiter」 14台
・エンジニアリングステーション「XES-3000」2台

<補足>
※MICREX-View XX:プラントの省エネルギー化や安定・安全操業を可能にする中小規模監視制御システム。
※データベースステーション XDS-3000:警報・運転履歴(統合履歴)、トレンドおよび帳票を長期保存するためのシステム。
※オペレータステーション XOS-3000:プラントの監視操作、過去のプラントデータを再生・再現し異常原因を早期解明するためのシステム。
※コントロールステーション XCS-3000:高速・大容量に対応した高信頼なプラント制御するためのシステム。
※タブレット端末:端末として、作業指図の確認や作業実績の入力に利用できる。
※入出力処理 PLC「Micrex-Jupiter」:FA分野のPLCとPA分野のDCSの特徴を有するハイブリッド制御システム。
※エンジニアリングステーション XES-3000:画面やコントロールステーションのエンジニアリングやメンテナンスするためのシステム。

DCS・PLCエンジニアリング支援ツール 「HEART-BELIEVE」について

エンジニアリング・メンテナンス業務の「高効率」「高品質」を支援するためのエンジニアリング支援システム。Microsoft社の Visioによるエンジニアリングが可能。統合されたプログラミング支援ツールと仕様書作成ツールにより、仕様書からソフトウェアを自動生成することなどができる。

関連カタログ:DCS・PLCエンジニアリング支援ツール HEARTシリーズ

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