食品工場ソリューション
工場の熱利用・熱効率改善を支援する熱収支分析システム

蒸気利用設備の熱効率を常時監視。AI技術を活用し、工場の省エネ化、熱効率改善を支援

適用業界:

熱収支分析システムのイメージ

工場の省エネ対策として、未利用の熱エネルギーの利用や熱利用の最適化がさらなる省エネ対策として注目されています。

食品工場では蒸気を利用する設備が多数あり、熱効率を改善したり、省エネルギー化を進めることは、食品工場のエネルギーコストの削減やCO2排出量の削減を可能にします。

このためには蒸気使用量や排熱量などの熱収支を定量的に把握する必要があります。しかし、計測・計算は簡単ではなく、また熱効率など熱エネルギーを分析できる人材がいないなどの課題があります。

熱収支分析システムはこれら課題を解決します。飽和水蒸気利用設備の熱収支を自動で見える化、異常データの判定や、熱効率を改善するための要因分析などを可能にし、食品工場の省エネ対策の推進、CO2排出量の削減などを可能にします。

食品工場の省エネ対策、蒸気利用設備の熱効率改善に課題はありませんか?

食品工場の省エネ対策、蒸気利用設備の熱効率改善の計測の課題
  • CO2排出量削減の取り組みを進めたい

  • 熱利用でエネルギーコストを削減したい

  • 工場全体のエネルギー利用を最適化したい

  • 熱の利用実態を把握できていない

  • 設備の熱効率を改善したい

  • 設備の故障リスクを回避したい

  • 熱エネルギーの省エネに取り組みたい

  • 熱エネルギーの測定・定量化に課題がある

  • エネルギーロスの要因分析ができていない

  • 配管工事で工場の稼働を止めたくない

蒸気利用設備の省エネに必要な熱収支の定量把握

蒸気利用設備の省エネに必要な熱収支の定量把握イメージ

工場の蒸気利用設備は、設備に入る蒸気熱量と設備から出る排熱量の合計とが等しくなるという熱収支が成り立ちます。一方で、設備の状態や運転状態、生産の状態などのさまざまな要因によって熱収支は変化します。

蒸気利用設備を省エネ化するために、排熱量を低減させるためには、設備の熱効率改善、運用方式の改善によるムダな熱消費の抑制や排熱の回収・有効利用などの施策を実施する必要があります。

これらの施策を行うためには、蒸気利用設備単体の蒸気流量や排水流量などの計測が必要です。

熱収支分析システムを導入する3つのメリット

>熱収支分析システムの導入メリット1

熱利用の見える化・最適化による省エネ対策が可能に

食品工場では電力の省エネが進んでおり、さらなる省エネを進めるためには未利用エネルギーや熱の効率利用が必要です。

熱収支分析システムは熱の測定・分析を容易にし、熱効率改善を支援します。これにより省エネやCO2排出量削減を可能にします。

>熱収支分析システムの導入メリット2

設備稼働中でも取付可能、非接触測定でメンテナンスも容易

一般に設置時に配管工事が必要な流量計の場合、配管工事コスト、稼働中設備の停止、設置後のメンテナンス等に課題がありました。

外付け式の流量計の場合、既設の配管に流量センサの取り付けに配管工事が不要、非接触で測定できるためメンテナンスも容易です。

>熱収支分析システムの導入メリット3

脱属人化。熱効率に影響する悪化要因を自動分析

熱収支の定量把握には人の手に頼った計測・計算が少なくなく、技術者確保も容易ではないため分析が難しいという課題があります。

熱収支分析システムは熱効率悪化要因の絞込みを自動化できます。これにより熱消費の抑制や蒸気利用の最適化を可能にします。

熱収支分析システムの概要

熱収支分析システム

>熱収支分析システムの外観イメージ

熱収支分析システムは蒸気利用設備の熱収支を自動計算し、定量化できるシステムです。

熱収支分析システムを導入することで設備の熱効率を常時監視し、熱効率が悪化した場合には AI技術を応用した分析によりその要因を絞り込むことができるようになります。

人による管理では気付かないムダな熱消費を抑制できるようになり、データ活用による省エネ設備導入による CO2 排出量削減、予兆検知による故障リスクの回避が可能になります。

また、データの蓄積と省エネに向けた分析を継続することにより、蒸気利用設備やそれと連携する排熱利用設備の運用と制御の最適化や自働化にもつなげることが可能です。

主な特長

  • 熱エネルギーの使用状況の見える化

  • 設備の熱エネルギー収支・効率の見える化

  • 熱エネルギー収支・効率の変動を監視

  • 効率悪化の要因をAI自動分析

適用・分析例

食品工場の熱収支分析の適用・分析例

分析例1:熱収支の変動(排熱悪化)の要因を分析

いつもの熱収支状態(熱収支が正常運転時の状態にあること)を基準にいつもと違う(排熱が悪化した)熱収支状態との差異要因を分析

  • 排熱悪化要因を早期に対策して無駄な熱消費を防止

  • 分析から制御機器の劣化や少量蒸気漏れなど、故障予兆を早期に発見し、設備の故障リスクを回避

分析例2:設備不具合発生前後のデータを分析

設備の不具合発生時の要因分析として、不具合発生前の熱収支状態を基準に不具合発生後の熱収支状態との差異要因を分析

  • 不具合要因の候補となる機器を絞り込み

  • 不具合要因の発生エリアを絞り込み

分析例3:生産ロットごとのエネルギー原単位のばらつき要因を分析

エネルギー原単位の良いロットを基準にエネルギー原単位の悪いロットとの差異要因を分析

  • エネルギー原単位を悪化させる要因を把握

  • 運用改善などによる省エネを実現

分析例4:熱収支の経時変化を分析

メンテナンス後の効率が良い熱収支状態を基準に経時劣化が発生した熱収支状態との差異要因を分析

  • 経時劣化が大きい機器やポイントを把握

  • 早期メンテナンスにより無駄な熱消費を防止

適用事例:殺菌設備で使用している蒸気の熱収支分析

殺菌設備で使用している蒸気の熱収支分析イメージ

某A工場の殺菌設備で使用している蒸気について、蒸気超音波流量計を使って熱収支分析を行い、省エネ診断のフィールドテストを実施。

このテストの結果、製品出口温度が設計値より5℃以上高く、排温水から約30kWのフラッシュ蒸気が発生しており、設備停止中も蒸気による入熱があることが分かりました。

これらの事象の原因を分析したところ、熱交換器の経年劣化により回収熱量が設計値より低下していることが分かりました。

また、フラッシュ蒸気は0.3MPa (G) の高圧水から0.0MPa (G) の配管に流れたことで発生していたため、フラッシュタンクで分離回収して利用し、廃温水はヒートポンプなどで排熱回収利用できることが分かりました。

特長・機能

熱エネルギーの使用状況の見える化

蒸気使用量・排熱量を数値で見える化します。蒸気使用量の把握・管理、蒸気使用効率(エネルギー効率)を把握することができます。

省エネ対策として熱交換器による排熱回収や排熱回収型ヒートポンプを検討する場合、各排熱量の定量的把握ができているため、設備の仕様決定、省エネ効果試算や 省エネ対策案を検討する際にも役立ちます。

熱エネルギーの使用状況の見える化イメージ

設備の熱エネルギー収支・熱効率の見える化

熱エネルギーの使用実態の把握には、“いつもの熱収支状態” (熱収支が正常運転時の状態にあること)を把握しておくことが重要です。

いつもと違う熱収支状態を検知し、AIによりその要因を自動分析。発生要因を突き止め、効果の高い省エネ対策策定に貢献します。

設備の熱エネルギー収支・熱効率の見える化イメージ

熱収支が正常運転時の状態の抽出機能

熱エネルギー効率の季節ごとの変動の把握や、1年前の同時期との比較などが可能です。

熱収支が正常運転時の状態の抽出機能により蒸気利用設備の現状の熱収支を定量的に把握できるため、具体的省エネ対策の立案と対策の投資対効果の試算や、さらに速やかな異常発見が可能です。

熱収支が正常運転時の状態の抽出機能イメージ

熱効率悪化の要因をAI自動分析

エネルギー効率の悪化要因を自動で診断するアナリティクスエンジンを使用し、熱効率が悪化した状態に移行した要因を分析します。

熱効率に影響するのかを分析・関連強度が大きい順に変数をランキング表示することができ、従来人手による分析では実施困難であった熱効率悪化要因の絞込みを自動で実施することができます。

熱効率悪化の要因をAI自動分析イメージ

配管工事不要、外付け可能な流量計/流量センサー

富士電機では既設配管に簡単に取付可能なクランプオン式超音波流量計を幅広くラインアップ、製品生産管理や省エネを支援します。様々な流体(液体・空気・飽和蒸気)をクランプオン式で測定でき、純水、薬液、油などの液体をはじめ空気や飽和蒸気などの測定を容易に実現します。

クランプオン式超音波流量計(蒸気用)

外付け可能な流量計/流量センサーの外観イメージ

クランプオン式蒸気用超音波流量計は今まで導入が難しかった工場や設備における蒸気流量の「見える化」を実現します。

配管工事不要で簡単に取付けでき、流量計を設置する際に稼働中の設備を停止する必要がありません。

ポータブル形超音波流量計(液体用)

ポータブル形超音波流量計(液体用)の外観イメージ

現場での流量チェックに。設備の稼働中に手早く測定できる、ハンディタイプの流量計です。わずか1kgのハンディタイプ、しかも検出器はベルトで配管に取り付けられるので、必要な時に必要な箇所をすぐに測定できます。

熱収支分析システムのシステム構成イメージ

熱収支分析システムのシステム構成

自動熱収支分析システムでは、現場に蒸気流量や蒸気設備のデータを収集するボックス板を設置します。BOX盤からパソコンへ、収集したデータや計算結果を送り、パソコンのデータベースに蓄積します。

ボックス盤では、収集したデータからリアルタイムで熱エネルギーを計算し、蒸気設備の蒸気使用量熱エネルギー効率、排熱量を数値で見える化します。

熱収支分析システムにより得られたデータベースやエネルギー分析結果を用いることにより、大幅な省エネおよびCO2 排出量の削減を達成できる設備の導入につなげることが可能です。

お問い合わせ・ご相談

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