化学プラント・工場の基礎知識
オペレーション&メンテナンス

オペレーション&メンテナンスとは

化学プラントの保全活動イメージ

オペレーション&メンテナンスとは、運転管理業務や維持管理業務を行うことです。主に建築や製造、エンジニアリング業界などで利用さています。

企業向けのサービスとして提供される場合は、一般にO&M(Operation&Maintenance)サービスと呼ばれています。

O&Mサービスを利用することで自社の保安・保全業務部門にかかる負荷を軽減することができるようになり、自社にとって最適なメンテナンス体制を構えることが可能になります。

製造業がO&Mサービスを利用する場合、専門的な知識や技術を持つO&Mサービス提供業者から、保全活動の支援、ノウハウの提供や操業に関する提案などを受けることができるようになります。

O&Mサービスを活用するメリット

O&Mサービスを利用することで、プラントの安全・安定操業や収益性を向上、保安・保全人材の不足や機械設備のライフサイクルコスト、メンテナンスコストの削減などの課題にも対応することができます。

保全作業の負荷軽減

プラントの保安・保全業務のうち、外部に依頼できる業務と、自社でしかできない作業に分割し、全社をO&Mサービス提供業者からの支援をうけることで、自社の保全作業にかかる負荷を軽減することができるようになります。

コスト削減、機会損失の最小化

プラントで稼働している機械設備をオンライン上でモニタリングすることで、最適なメンテナンス回数の検討・実施や、計測データをもとにした故障予知を可能にします。これにより、突発的な設備故障を最小限に収めることができ、例えば予報保全要の予備部品の在庫を減らせるなどのコスト削減効果も期待できます。

操業の最適化・生産効率の向上

IoTやAI技術などを活用してプラントのデータ収集・分析・解析を行うことで、プラント操業の最適化、製品品質や生産効率を向上させることができます。

O&Mサービスの内容

O&Mサービスは、対象となる設備や契約形態により様々なものがあります。例えば、運転計画や保全計画、運転・設備管理システム構築、収益性向上のためのコンサルテーションなどがあります。

O&Mサービスのイメージ画像

出所: プラント・工場を対象としたO&Mサービス(スマート保安サービス)のイメージ

近年ではIoTが普及しているため、プラント・機械設備のデータを収集・蓄積が容易になりました。O&Mサービスではこれらデータを活用して、プラントの安定・安全操業に向けたBIツールによる可視化、データ解析支援、AI技術の活用サービスの提供などがあります。

予知保全・故障予知

IoTを活用することで、プラント内の様々な機械設備のデータを統合的に活用できるようになります。これにより、プラント全体での予知保全や故障予知が容易になり、メンテナンス頻度の最適化による保全コストの削減や、安定した操業が可能になります。

運転計画・保全計画

運転計画や保全計画、適切な運転方法やメンテナンス回数の計画、最適な必要部品の購入・更新時期・保全頻度を計画し、必要に応じてシステムやツールの提案等を行います。

講習会・人材育成支援

保全作業員や、オペレーターやメンテナンス作業者に対して、設備の保全や設備状態の診断に関するノウハウ・知識を提供し、企業の人材育成を支援するサービスです。

高度データ解析サービス

O&Mを提供する企業が設備メーカであれば、メーカ独自技術を活用した高度なデータ解析サービスを提供することができます。例えば電気設備メーカであれば、この分野に特化した高度なデータ解析サービスを提供できる可能性があります。

O&Mサービスを利用するメリット

O&Mサービスのメリットは、保安・保全業務すべてを自社で実施する必要がなくなることです。保安・保全人材の不足、保全に関する技術継承、保安・保全の作業負荷の軽減などの効果が期待できます。

一方で、O&Mサービス提供会社が十分な保全技術や知識を提供できない場合や、自社の保全業務を外部組織に開示するのが難しい場合などはO&Mサービスの適用、利用するメリットが得られない場合もあります。

自社ビジネスを実施するうえで競争優位性や差別化になる保全業務、標準化できない保全業務については自社組織で実施できるようにし、この他の一般的な機械設備などの保全業務についてはO&Mサービスを活用して効率化を図るなどの使い分けが重要になります。

関連:まるごとスマート保安サービス

IoTやAIを活用して設備のデータ収集と分析を行い、保安・保全管理業務の最適化を支援。富士電機の優れた診断技術で、省人化・リモート化・コスト削減などの課題を解決します。

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