富士電機製品コラム
「モールド変圧器」とは?
国内外で活躍する富士電機のモールド変圧器「モルトラ」
モールド変圧器(モールドトランス)とは、電気を流すコイルを、難燃性のエポキシ樹脂などで密閉・保護した変圧器です。本記事では、モールド変圧器の基本的な仕組みをはじめ、50年以上にわたり多種多様な施設へ安全・安心な電力を供給してきた富士電機の「モルトラ」について、分かりやすく解説します。
街中でひっそりと活躍する「モールド変圧器」とは?
皆さんはビルや病院の敷地内で、「変電設備」と書かれた四角い金属製の箱を見たことはありますか?これは「キュービクル」と呼ばれる設備です。電力会社から届く高い電圧の電気を、施設に合わせて安全に使えるように調整するための様々な機器が収められています。
この箱の中で実際に電圧を下げる中心的な役割を果たしているのが、今回ご紹介する「モールド変圧器」です。
(変圧器については「変圧器」とは?でもご紹介しています。)
モールド変圧器の主な特長
・優れた「自己消火性」:万が一の火災時も変圧器自体は燃えにくく、火元が離れると自然に消火する
・コンパクトな設計:高さが10メートルを超えるような大型の変圧器に比べ、モールド変圧器は高さが1〜2メートル前後で、限られたスペースにも設置できる
・メンテナンスが容易な構造:絶縁油を使用しないシンプルな構造のため、点検や管理の手間を削減できる
これらの強みから、モールド変圧器は数多くのビルや施設に導入されています。
特に高い安全性が評価され、都市部の地下街、ショッピングセンター、駅、公共施設など、防災対策が厳格に求められる場所で広く活躍しています。




モールド変圧器の構造とは?自己消火性の要は「樹脂」
次にモールド変圧器の構造を見てみましょう。
一般的なモールド変圧器は筒状の物体が複数並んだ外観をしています。この筒の正体は、電気を通す導体の「コイル」を、火がつきにくく燃え広がりにくい「エポキシ樹脂」などで隙間なく包み込んで固めたものです。
断面を見ると、導体(アルミニウムや銅)が樹脂の層によって密閉されていることが分かります。この極めて高い密閉性こそが、優れた自己消火性を生み出す最大のポイントです。
加えて、スタンダードな変圧器である「油入変圧器」には油を貯めるタンクが必要ですが、モールド変圧器には不要なため、大幅な省スペース化と安全性の向上を同時に実現できます。

富士電機の「モルトラ」を知ろう
富士電機が手掛けるモールド変圧器は、お客さまから「モルトラ」(モールドトランスの略語であり、当社の登録商標)の愛称で親しまれています。
富士電機は1970年代に国内で初めてモールド変圧器の実用化に成功して以来、50年以上にわたり実績とノウハウを積み重ねてきました。
そして、厳しい国際規格「IEC 60076-11(乾式変圧器)」において、以下のすべての試験項目で適合認定を取得しています。

富士電機は第一号製品の製造時から精密な金型(モールド)を用いて、真空状態で樹脂などを用いてコイルを覆う高度な製法を採用しています。モールド変圧器は、内部に空気が少しでも残っているとショートするリスクがありますが、モルトラはそのリスクを極限まで排除しています。
さらに最新モデルでは、コイルの間にあった絶縁用の「スペーサ(すき間を作る部品)」をなくして、さらなる小型化・軽量化を実現。最新モデルは東南アジアのデータセンターなどへも納入され、グローバルなインフラ発展に貢献しています。
地球にも財布にも優しい「トップランナーモルトラ」
近年、国内では厳しい省エネ基準をクリアした製品が「トップランナー変圧器」に指定され、導入が推進されています。ここからは、最新の「第三次判断基準」に対応した富士電機の「トップランナーモルトラ」を見ていきましょう。
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注
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30年程度稼働した既設変圧器から更新した場合
富士電機は、長年培ってきた「エネルギー・環境技術」を各製品に惜しみなく注ぎ込み、一歩進んだ防災と省エネを実現します。
電気の安全・安心な未来を、これからも「モルトラ」が支え続けます。
