富士電機製品コラム
「電力変換装置」とは?
電気の性質を用途に合わせて整える「電気の仕立て屋」
電力変換装置とは、半導体素子(ダイオードなど)を組み合わせて、電圧の調整や交流・直流の変換、周波数のコントロールを行う装置です。本記事では、代表的な変換装置「整流器」の仕組みをはじめ、様々な産業や社会インフラを支える富士電機の技術を分かりやすく解説します。
電気の性質を自在に変えて工場や鉄道へ届ける「電力変換装置」とは?
私たちの身近にある電気には、直流・交流の違いをはじめ、電圧や周波数など様々な性質があります。
発電所で作られた電気は、山間部や海岸から遠く離れた街まで効率よく届けるために、まず非常に高い電圧の交流(AC)へと変換(昇圧)されて送られます。電気は電圧を高くするほど送電時のエネルギーロスが減り、交流であれば街の手前で安全な電圧へと簡単に下げられるからです。
しかし、多くの施設では発電所から届いた電気をそのまま使えず、場所や使い道に合わせて、電気を「最適な形」へ変換してから活用しています。
発電所の電気をそのまま使えない理由は「送られてくる電気」と「現場で使いたい電気」の性質が異なるからです。
そこで活躍するのが「電力変換装置」です。
電力変換装置は半導体素子(注)を組み合わせて電圧を下げたり、交流と直流を相互に変換したり、周波数を調整したりできます。
代表的な製品には、交流を直流に変える「整流器」や、直流を交流に変える「インバータ」があります。
(インバータについては、インバータとは?で詳しく解説しています。)
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注
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決まった条件によって電気を通す物質「半導体」を使った電子部品。電流の制御や増幅など特定の機能を持たせられる
交流を直流に変える「整流器」を知ろう
続いて、整流器の仕組みを見てみましょう。
整流器の中には、電気を一方向(順方向)にしか通さない半導体素子「ダイオード」などが入っています。
ダイオードは内部を電気が順方向に流れるとき、電気の正体である「電子」が集まり電気の通り道を作ります。ところが、逆方向に流れようとすると電子が離れて道が消えてしまうため、電気を通しません。
交流は電流の向きが一定の周期で入れ替わります。交流をダイオードに通すと順方向の電流だけが通り抜けられるので、まっすぐな直流へと整えることができるのです。

なお、大きな電力を扱う工場や変電所で使われる整流器には、ダイオードの代わりに「パワー半導体」が使われています。
高電圧・大電流の交流を効率よく制御・変換できるパワー半導体は、連動させればさらに大きな電力を制御できますが、連動させる数が多いほど、稼働時に激しく発熱してしまう点が課題でした。
そこで富士電機では、パワー半導体と冷却器を交互に積み重ねて一体化させた「パワースタック」を大型の整流器に採用しています。
長年培った高度な熱制御・冷却技術で発熱を効率よく抑え、安定した稼働を実現しました。その確かな技術力により、世界中の現場で高く評価されています。

産業や交通インフラを支える富士電機の技術・製品
ここからは、実際に現場で活躍する富士電機の製品を見ていきましょう。
大容量整流器(S-Former)
S-Formerは、発電所から届く高圧の交流を「大電流の直流」へと変換・制御して供給する装置です。主にアルミニウム・銅などの製錬工場や、苛性ソーダをつくる化学プラントなどで活躍しています。
変圧器(注)と整流器を直結させて電力ロスを減らし、不純物を除いた「純水」で冷却することで過酷な現場でも安定して動き続けます。電気分解を行う現場で欠かせない存在として世界トップクラスのシェアを誇っています。


(注:変圧器については「変圧器」とは?で詳しく解説しています。)
電鉄地上変電所用シリコン整流器(SR)
電鉄地上変電所用シリコン整流器(SR)は、直流を使用する鉄道の変電所に設置される整流器です。この製品は、純水が沸騰する際の気化熱を冷却に利用した「純水沸騰冷却式」を採用しています。
富士電機は業界に先駆けて温室効果ガスを使用しない純水冷却を実用化し、鉄道の安全な運行と地球環境への配慮(脱炭素)を両立しています。

大容量インバータ応用製品
電気は送電の過程で「電圧が急に落ちる」「波形が乱れる」などのトラブルが起きることがあります。こうした電気の乱れは、社会インフラや工場設備に重大な障害を引き起こしかねません。
富士電機の「大容量インバータ応用製品」は高度な技術で電気の品質を瞬時に整え、安定した電力を供給します。


巨大な電気エネルギーを高精度で制御する「電力変換装置」
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発電所から届く高圧交流を、鉄道や工場が使いやすい直流や最適な周波数へ変換します。
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「整流器」や「インバータ」などの電力変換装置が、産業や交通の安定稼働を支えています。
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富士電機は長年培った「パワー半導体技術」と「純水冷却技術」を製品に結集し、巨大な電気エネルギーを高精度に制御しています。
富士電機はこれからも高度な制御技術を結集し、持続可能で安定した社会インフラと産業の発展に貢献していきます。
