富士電機製品コラム
「開閉装置」とは?
電力事故を速やかに取り除いて社会インフラを支える
開閉装置(スイッチギア)は、送電線や変電所などで異常な電流が発生した際に回路を素早く遮断し、設備を保護したり大規模停電を防いだりする電気設備です。本記事では、代表例である「ガス絶縁開閉装置」の仕組みをはじめ、環境配慮技術を追求した富士電機の最新ラインアップまで分かりやすく解説します。
異常事態から電気インフラを守る「開閉装置」とは
皆さんは、電化製品を同時に使いすぎて「ブレーカが落ちた」経験はありませんか?
ブレーカは、住まいや建物の壁に設置されている「分電盤」に収められた機器の1つです。決められた電力を超えてしまった場や、電線同士が直接触れて一気に巨大な電流が流れる「短絡(ショート)」などが起こると、分電盤内の様々な機器が連動して電気を遮断し安全を守ります。
この「異常時に電気を止めて安全を守る」仕組みは、社会インフラを支える電力施設でも欠かせません。
通常、電気は電線など決められた道を通って、モータや照明といった機器・設備へ流れます。それらが電気のエネルギーを動力や光などに変えて消費することで、電気の流れには自然とブレーキ(抵抗)がかかり、安全が保たれています。
しかし短絡事故が発生すると、電気は抵抗が極めて小さい「抜け道」へ瞬時に集中し、巨大な電流が一気に流れます。これを素早く遮断できずにいると、制御不能となった電流が電気設備全体のシステムや機器を破壊します。
さらに、その影響は周辺の変電所や送電線にまで広がり、地域一帯が停電する「大規模停電(波及事故)」へと発展するおそれもあるのです。
こうした事故の連鎖を食い止め、社会インフラを破断させないために不可欠な装置が「開閉装置」です。
開閉装置は、家庭のブレーカとは比べものにならない巨大な電圧・電流を安全に制御し、私たちの暮らしを陰から支えています。

ガス絶縁開閉装置の仕組み
まずは代表的な開閉装置である「ガス絶縁開閉装置」の仕組みを見ていきましょう。
ガス絶縁開閉装置は、電気を制御するための様々な機器を、電気を通しにくい性質(絶縁性)に優れている「SF6(六フッ化硫黄)ガス」で満たした容器にまとめた装置です。
富士電機では、高さ5~10m以上に及ぶ大規模発電所向けモデルから、屋内向けにも設置できる全高2m未満のコンパクトなモデルまで、幅広い製品を取り揃えています。
開閉装置は、主に以下のような機器で構成されています。

事故を防ぐ「瞬時の遮断」と「消弧技術」
発電所や変電所で、落雷などによる短絡事故や地絡事故(漏電)が発生すると、開閉装置内の計測器がすぐに異常を検知します。続いて遮断器が自動で作動し、事故が起きた箇所だけを切り離すことで大規模な停電を未然に防ぎます。
また、非常に大きな電気を安全に遮断するには、電気の通り道(導体)を切り離した瞬間に発生する高熱の火花(アーク放電)を消し止める「消弧」が不可欠です。
ガス絶縁開閉装置は、接点部分にSF6ガスを勢いよく吹き付けることで火花を一瞬で消し、設備の損傷や重大な火災事故を防ぎます。
さらに、開閉装置には点検を安全に行うための仕組みも備わっています。断路器が作業箇所の電気の流れを確実に止め、接地開閉器が装置内に残った電気を地面へ逃がすことで作業員の感電事故を未然に防止します。

地球環境に配慮し、多様な現場を支える富士電機の開閉装置
ほかにも、富士電機は時代のニーズや設置環境に合わせて、多様な開閉装置や関連機器を展開しています。
富士電機の開閉装置
ドライエア絶縁開閉装置
SF6ガスの代わりに、水分を極限まで取り除いた清浄な空気「ドライエア(乾燥空気)」を使用する先進的な開閉装置です。
じつは、SF6ガスは温室効果ガスに指定されています。装置のメンテナンスや更新時に漏れ出してしまうと、長年にわたって大気中に存在し、地球環境に多大な影響を及ぼします。
対するドライエアは自然由来の窒素と酸素からできているため、環境への負荷がほとんどありません。
富士電機では、すでに提供しているモデルの他に、開閉装置の形状や導体の配置、導体を支える「スペーサ」という部品を工夫することで小型化した新製品の開発も進めています。
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注
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IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第6次評価報告書に基づく数値[

ガス遮断器
ガス遮断器は開閉装置の中にある、遮断器の機能を中心に独立させた製品です。主に鉄道用の変電設備などで活躍しています。
鉄道の架線(電線)がショートしたり、設備事故などの異常が発生したりした際、ガス遮断器が過剰な電流を瞬時に遮断することで事故の拡大を防ぎます。

停電を防ぎ、豊かな社会を陰で支え続ける「開閉装置」
このように、開閉装置は私たちの安心・安全な暮らしに欠かせません。
・異常な電流を「わずか0.05秒」で遮断し、大規模停電や火災事故を未然に防ぐ
・点検時の感電事故を防ぎ、作業員の安全を守る
・環境負荷を減らす「ドライエア絶縁技術」など、持続可能な社会づくりに貢献する
開閉装置はまさに、24時間365日休みなく働く「電気のガードマン」です。富士電機は長年培った技術と確かな品質でその信頼性を高め、安全・安心な社会インフラを支え続けています。
