富士電機製品コラム
「変圧器」とは?
適切に電圧を変換し、暮らしの「当たり前」を陰で支える
変圧器(トランス)とは、電磁誘導の原理を利用して交流電圧の大きさを自在に変換する機器です。本記事では、発電所の電気を家庭や工場で安全・効率的に使える電圧へ調整する仕組みや、富士電機の技術について分かりやすく解説します。
身近な物から社会インフラまで幅広く活躍する「変圧器」とは?
私たちが日々、当たり前に使っている電気は発電所で作られ、送電線を通って各家庭や施設へと届けられています。
電力を送る際に大きな課題となるのが、電力の一部が熱として逃げてしまう「電力ロス」です。その対策として、発電所では電気を「超高電圧」という極めて高い電圧(注)に変換してから送り出します。超高電圧にすると電力ロスを大幅に抑えられるためです。
しかし、電圧が高すぎると家庭や工場などでは直接使うことはできません。機器の故障、電気火災や感電事故を引き起こすリスクがあるため、利用する場所に合わせて安全な電圧まで段階的に下げる必要があります。
こうした、電圧を自在に変更し、社会の電気インフラを陰で支えているのが「変圧器」です。
今回は富士電機が手掛ける変圧器を中心に見ていきましょう。
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注
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電気を押し出す「圧力」のような力のこと。
電磁誘導で電圧を変える、変圧器の基本を知ろう
まずは、変圧器の仕組みを解説します。
変圧器の主な部材
変圧器は、主に以下の部材で構成されています。
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鉄の芯(鉄心)
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電気を迎え入れる電線の束(一次コイル)
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電気を送り出す電線の束(二次コイル)

変圧器の仕組み
電気が届いてから再び送り出されるまでの流れは次の通りです。
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1.
一次コイルに強さや向きが変化する電流(交流)が流れる
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2.
鉄心の中に、強さが絶えず変化する磁力の束(磁束)が発生する
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3.
磁束が鉄心を通って二次コイルへ届く
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4.
二次コイル側に電気を流そうとする力(誘導起電力)が働き、再び電気が発生する
この現象を「電磁誘導」と呼びます。

二次コイルに発生する電気の電圧は、コイルの巻き数の比率によって決まります。
例1:一次コイルを200回、二次コイルを100回巻いた場合(比率 2:1)、電圧は2分の1に下がる
例2:一次コイルを100回、二次コイルを200回巻いた場合(比率 1:2)、電圧は2倍に上がる
この仕組みこそが、変圧器の最大の強みです。
発電所で電気を極めて高い電圧へ引き上げる(昇圧)ことも、各施設で安全な電圧まで段階的に下げる(降圧)ことも、すべて電磁誘導の原理によって行われています。
変圧器はエネルギーの効率的な利用と安全性を両立させながら、24時間365日、私たちの元へ確実に電気を届けています。まさに、現代社会を支える頼もしい「電圧の調整役」と言えるでしょう。
富士電機が製造している変圧器の種類
富士電機が手掛ける産業・インフラ用変圧器は、電気の漏れを防ぐ性能である「絶縁性能」や冷却の方法によって、大きく分けて4種類あります。それぞれの特長を分かりやすくご紹介します。
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注
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詳細は「モールド変圧器」とは?でもご紹介しています。

変圧器はこんな場所で、皆さんの暮らしを支えています
変圧器は、普段は私たちの目につかない場所で、社会の「当たり前」を支え続けています
変圧器が活躍している場面
発電所と変電所
作られたばかりの電気を遠くまで送るために、電圧を引き上げたり、街の手前で徐々に電圧を下げたりする「電気の関所」です。ここでは特に巨大な変圧器が、電圧をコントロールしています。





工場や鉄道
大量の電力や特殊な電圧を必要とする工場、そして電車を動かすための鉄道用変電所にも変圧器が不可欠です。変電所から送られてくる電気を設備に最適な電圧に変換しています。


その他
街中の大型ビルや、一瞬の停電も許されない病院の地下などには、高圧の電気をまとめて受け取る設備が備わっています。富士電機の「モルトラ」は、このような安心・安全が第一に求められる場所で活躍しています。

確かな技術で届ける、安全で豊かな電気のある暮らし
このように、変圧器は発電所で作られた電気を「ロスなく」「安全な電圧にして」私たちの元まで届けるために欠かせない装置です。
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電力ロスを防ぐため、送電時は「超高電圧」にし、使う場所で「安全な電圧」に下げる
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「電磁誘導(コイルの巻き数比)」の原理によって、電圧を自在にコントロールする
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設置場所や環境(防災・エコなど)に合わせて、最適な種類の変圧器が社会を支えている
富士電機は、長年培った確かな技術と豊富な製品ラインアップで、これからも安全・安心で持続可能な社会インフラの発展に貢献していきます。
