こんなところに富士電機#8
貨物輸送船の硬翼帆向けにブレーキ付き電動機と駆動制御システム

風力補助推進システム「ウィンドチャレンジャー」を搭載した貨物輸送船

巨大硬翼帆の最適制御で、船舶航行の省エネ化と環境負荷低減に貢献

ウィンドチャレンジャー

 海を舞台に、鉄鉱石や穀物など多種多様な貨物の輸送を担う㈱商船三井(以下、商船三井)。小型から大型までバラエティに富んだ船舶で世界中に高品質な輸送サービスを提供している。
 大気汚染防止に向けて船舶の排出ガス規制が国際的に強化される中、商船三井と㈱大島造船所(以下、大島造船所)は、共同で風の力を船舶の推進力に変換する最先端の風力補助推進システム「ウィンドチャレンジャー」の開発プロジェクトを進めていた。本システムは、リアルタイムに風向・風速を感知し、風を受ける帆の伸縮や旋回を自動で制御するもので、大島造船所の主導で開発された硬翼帆が、風向や風速の異なるさまざまな風を効率的に推進力に変える。これを実現するのが当社製のブレーキ付き電動機ならびに駆動制御システムだ。
 

(左上)帆を伸縮させるためのブレーキ付き電動機
(右下)電動機に取り付けられたギア

 前例のない取り組みとなった本プロジェクトにおいて、40メートル級の巨大な帆の動きを制御することは簡単ではなかった。海上での波や風で船体が傾いた際に帆へどのような影響が生じるかなどの検証を重ねて仕様を詰めるとともに、船上の限られたスペースに駆動装置を収めつつ必要な駆動力の確保を図っていった。さらに、納入後も当社と大島造船所の技術者同士が密に連携するアフターフォローの体制を整えたことで今回の受注につながった。
 2022年、ウィンドチャレンジャーは商船三井の貨物輸送船に試験搭載され、10%前後の燃料削減効果が得られた。今後、商船三井は約500隻に対し、一隻当たり最大4本の帆を順次搭載していく構想を掲げており、同社からは「商用化に向けて引き続き協力をお願いしたい」と前向きな言葉をいただいている。
 当社営業担当の生野さんは「今後も本プロジェクトを継続していきます。当社製品が世界で活躍する未来を思い描きながら、船舶航行の更なる効率化・省エネ化に貢献していきたいです」と意気込みを語った。

㈱商船三井、因幡電機産業㈱、富士電機の関係者の皆さん