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労働人口の減少による人手不足問題その解決の鍵を握る「省工数」「スプリング端子機器」で省工数を実現する労働人口の減少による人手不足問題その解決の鍵を握る「省工数」「スプリング端子機器」で省工数を実現する

労働人口の減少により、製造業の現場で働く人の数も減るといわれています。
「スプリング端子機器」が、
この問題に提供するソリューションに迫ります。

開発本部 開閉制御開発部 部長 淺川 浩司 開発本部 開閉制御開発部 部長 淺川 浩司
2018年3月取材。所属、役職は取材当時のものです。

製造現場、保守現場において
「省工数」が注目される
背景とは

製造業労働人口の減少

製造業労働人口の減少

「次世代制御盤へのアプローチ(計測展2017TOKYO 富士電機招待セミナー資料)」より

─ 製造現場、保守現場において「省工数」がテーマになる背景には、どういった事情があるのでしょうか?

淺川:日本の労働人口は、1992年をピークに減ってきています。それに伴い、製造業に従事する人も減っており、現場で働く人の数も少なくなっています。さらに、2020年東京オリンピックに向けて電気設備の需要が上がっていることや、働き方改革の推進により労働時間の削減が進められているという背景もあります。
これらのことを受けて、製造現場、保守現場では省工数(作業にかかる時間や手間を減らすこと)化が、ますます求められていくと考えています。
そのためのキーワードの1つとして挙げられるのが、ねじレスです。従来はねじで固定していたものを、もっと簡単な別の方法で固定する方法です。ねじは、電気設備でも広く使われていますが、「ねじを外して、圧着端子を通し、また締める」という方法は、やはり手間も時間もかかるものです。そのため、ねじを使わずに電線を接続する方法として、我々は「スプリング端子機器」と「プラグイン機器」を開発しました。

「スプリング端子機器」が
使われる「制御盤」とは何か?

開発本部 開閉制御開発部 部長 淺川 浩司

─ 「スプリング端子機器」が使用されるのは、主に機械や設備などの「制御盤」と伺っています。これはどのようなものですか?

淺川:制御盤は、工場の大きな機械や、設備などに電気を流したり、止めたりという制御を行うものです。制御盤の中には、制御回路系の電源、タイマ、インバータ、サーボシステム、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などが収められています。電気を流し、制御するための機器を一箇所にまとめたものだと考えていただいて構いません。

「スプリング端子機器」とは?

制御盤の主回路向けに省工数端子(スプリング端子)を導入

制御盤の主回路向けに省工数端子(スプリング端子)を導入
制御盤の主回路向けに省工数端子(スプリング端子)を導入

─ 「スプリング端子機器」とは具体的にどのような製品群ですか?

淺川:従来、制御盤の中にある様々な機器と電線をつなぐ方法はねじ式でした。これをスプリング端子に変えたものがスプリング端子機器です。
スプリング端子とは、電線を板バネ挟んで固定するものです。電線を差し込んでバネを閉じるとステンレスの板バネが電線に食い込み、電線を固定します。今までのようにねじを開けたり締めたりする必要がなく、線を挿し込むだけなので、作業に必要な時間が大きく減りました。従来のねじタイプのものに比べて、作業にかかる時間は3割から6割ほど少なくなっています。

─ 「制御盤」の中の主回路向けの機器には、いままで「スプリング端子機器」が無かったそうですが、それはなぜでしょうか?

淺川:制御盤の中にある、制御回路系の電源、タイマ、インバータ、サーボシステム、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの機器が、現在スプリング端子化の流れの中にあります。しかしそれらの中に、主回路系のものは今まで存在していませんでした。
主な理由としては、主回路系は電流も大きく、電圧も高いことが挙げられますが、電線を接続する部分には高い信頼性が必要になります。そのため、制御回路系に使われる機器に比べ、技術的に難しいという問題がありました。そのため我々は、端子部に使用する材料やメッキや、電線の押え方の構造的な工夫をすることで、十分な信頼性を持たせられるようにしました。

─ 「スプリング端子機器」が市場に与える影響を教えてください。

淺川:我々だけでなく、国内でもいくつかのメーカーで同じようなスプリング端子機器が市場に出ています。
これらのスプリング端子機器も合わせることにより、およそ8割の盤内機器をスプリング端子化することができ、お客様にとってもさらに大きな省工数のメリットがあると思います。

「スプリング端子機器」のメリットとは?

※クリックで動画が起動します。

─「スプリング端子機器」を導入することによるお客様のメリットは何でしょうか?

淺川:ねじを使用していないので、配線作業の時間が短いことがまず挙げられます。また、作業も簡単なので、作業者が熟練している必要もありません。さらに、作業の途中でねじが落下してそれを探すような手間も省くことができます。
ねじは、振動などにより緩んできてしまう問題もありますが、そのため、定期的な点検や増締めなどの工数も削減することができるのです。加えて、電気が通っている部分が絶縁物で覆われているため、ねじで締めるものに比べて安全であるというメリットもあります。

─「スプリング端子機器」対応製品の技術的な難易度は高いのでしょうか? また他社に対する優位点などを教えてください。

淺川:我々は元々、スイッチなどの有接点機器に電気を流すことに関する技術を持っていました。その技術が、これらの製品の開発に活きてきていると考えています。
基本的に、我々の「スプリング端子機器」の構造はとてもシンプルです。ですが、シンプルであるからこそ難しいというところもありますね。
さらに我々は、使いやすさにもこだわりを持っています。今回、開発中の製品群は、主回路系に使用する機器、制御回路系に使用する機器共に電線を押し込めば接続完了するプッシュイン方式を採用しています。他社では、工具を使ってスプリングを開けておき、そこに線を差し込む方式が一般的です。これも、他社に対する優位点の1つです。

「スプリング端子機器」の
今後は?

開発本部 開閉制御開発部 部長 淺川 浩司

─ 「スプリング端子機器」に対する思いを教えてください。

淺川:製造業にかかわらず、人員、人材の確保や技術の伝承が様々な業界で課題となってきている現在、「スプリング端子機器」は労働人口の減少対策に貢献することができると考えています。
機器の面から省工数を進めることで、世の中に貢献していきたいと思っています。

─ 「スプリング端子機器」などの省工数テーマの製品について、今後どのような展開を考えていますか?

淺川:スプリング端子機器は2018年6月発売になりましたので、まずはそこからのスタートになります。
お使いになるお客様のご意見などを伺いながら、さらに今後の開発に活かしていきたいと思っています。例えば、更にラインアップを拡充の開発もあるかもしれません。やはり、お客様のニーズに対応できるような商品を開発していきたいですね。

配線工数削減の上に品質安定性、安全性も向上。 富士電機機器制御の省工数コンポーネント配線工数削減の上に品質安定性、安全性も向上。 富士電機機器制御の省工数コンポーネント

こんなお客さまにおすすめ

課題や背景

  • ◎労働人口の減少や働き方改革の推進による労働時間の短縮などを背景に、製造現場、保守現場などでは更なる効率向上が求められている。
  • ◎電気を止められない設備が増え、工事時間(停電時間)の最短化が求められている。

成果・改善

  • ◎制御盤を構成する機器に、ねじを用いないスプリング端子を使用した機器を採用することで、制御盤全体のねじレス化が実現。これにより、省工数化、品質の安定性が確保される。
  • ◎プラグイン機器により、受配電盤内の配線作業の効率化(省工数化)を実現。安全性の向上や小形化にも貢献。

~当社が提供したもの~ 富士電機機器制御の省工数機器スプリング端子機器~当社が提供したもの~ 富士電機機器制御の省工数機器スプリング端子機器

省工数機器ラインナップ一覧
  • ・ねじが不要で配線工数が削減できるため作業効率がアップ。(約30%の短縮)
  • ・ねじのトルク管理や増締めも不要でスキルレスとメンテナンス作業の軽減を実現。さらに接点品質の向上にも。
  • ・細かい点にも配慮した設計により、省工数だけで無く、配線の見やすさや作業の安全性、省スペース化などさまざまなメリットも実現。

富士電機機器制御はココが違う

  • 配線用遮断器・漏電遮断器、電磁開閉器においては世界初のプッシュイン方式。
  • 長年の有接点機器の通電技術や設計技術の蓄積による、端子接続部の高い信頼性と小形化。

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