導入事例
機械設備(ベアリング振動)の故障予兆監視による損失回避

生産ライン設備の故障予兆監視を実現。振動周波数解析でベアリング内輪傷を検知、設備停止を防止し最大7000万円の損失を回避。

機械設備(ベアリング振動)の故障予兆監視による損失回避のイメージ

 保全管理   予防保全   IoT 

フィルム生産ラインにおける振動センサを活用した機械設備故障の防止事例。生産ラインが機械設備の故障で停止した場合、最大で7000万円の損失可能性があるという問題がありました。そこで、押出機、延伸機を対象にベアリング振動の故障予兆を監視、危険超過のため振動周波数解析を可能にし、機械故障が発生する前にメンテナンスができる仕組みを構築しました。

生産ライン停止の影響と設備保全の重要性

回転機・モーター関連設備と予防保全のイメージ

製造業の現場で生産ラインが停止すると、さまざまな問題が生じます。稼働が止まることで、その間の生産量が失われ、事業収益に直接的な影響が出る可能性があります。生産ラインの停止は、産量が減少するだけでなく、復旧にかかる時間や人件費、さらには部品交換費用などのコストが発生します。

このような状況を回避し、企業の安定した生産活動を支えるには、設備の健全性を維持するための、効率的で計画的な設備保全が不可欠です。

設備保全によくある課題

製造業の設備保全にはさまざまな課題があります。例えば、富士電機が実施した化学業界(化学工業・石油製品)を対象にした、現状の設備保全の課題に関する調査では、もっとも回答が多かったのは「老朽設備の維持管理」で69.1%、次いで「人手・技術者が不足」が53.7% 、 「保全費用が高い」が51.0%という結果になりました。

これら課題を解決する手段として、近年ではIoTやAI技術を活用した、保全作業の省力化や自動化の取り組みや、センサ技術を活用した予知保全や状態監視保全などが普及しつつあります。

化学業界(化学工業・石油製品)を対象にした現状の設備保全の課題に関する調査結果

データ活用で実現する生産設備の故障予兆管理

生産設備の安定稼働には、故障の兆候を早期に捉えることが必要です。保全人材が不足する現代において、人に依存しない異常検知の仕組みは、その重要性を増しています。ここで効果を発揮するのが、データを活用した故障予兆の発見です。

機械設備の故障は、異常な振動や熱、音といった変化を伴うことがよくあります。例えばベアリングの劣化などは特有の振動パターンを示します。データを活用した保全は、次の流れで進みます。


・リアルタイムデータ収集: 設備に設置したセンサーが、設備の状態データを継続的に集めます。

・データ監視と解析: 集められたデータはシステムで常に監視され、振動周波数解析などを通じて、 どこに問題があるかを詳細に診断します。

・異常兆候の早期発見と対応: 異常を判断しやすくすることで、熟練者の経験がなくても、突発的な故障が起きる前に計画的なメンテナンスができるようになります。

このようにデータで設備の状態を可視化することで、限られた保全リソースを最大限に活かせるようになります。

導入事例:機械設備(ベアリング振動)の故障予兆監視による損失回避

解析診断ソフトの簡易診断画面イメージ

導入企業:化学業界
導入製品:回転機故障予兆監視システムWiserot
対象設備:フィルム生産ライン(押出機、延伸機)

システム構成: 押出機、延伸機にWiserot振動センサを設置し、Ethernetにて監視ソフト(PC)にて機械振動、 ベアリング振動の故障予兆を監視。

【導入以前の課題】
生産ラインにおいて、1つの機械設備故障などで停止した場合、全ラインが停止してしまう。機械設備を復旧させるまでに3~7日間必要な場合があり、生産量によってトータルで3000万円~7000万円の損失が発生する

【導入効果】
ベアリング振動が危険超過のため振動周波数解析を実施した結果、ベアリングの内輪傷成分を検出。 メンテナンスを実施したところ、ベアリングの内輪に傷を確認した。顧客にてベアリング交換を実施し、正常運転を継続。フィルム生産ラインの停止・損失を回避できた。

関連:回転機故障予兆監視システムWiserot (ワイズロット)

回転機故障予兆監視システムWiserotは、回転機・モーター関連設備の予防保全を可能にするシステムです。生産ラインや重要機器として稼働している、回転機の振動を定期的に計測し、傾向監視により異常兆候を早期発見することで、適切な予防保全の立案、 生産ロスコスト低減に貢献します。

関連ページ:回転機故障予兆監視システム

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