電炉製鋼圧延工場の基礎知識
アークとは

アークとは

アークのイメージ画像

一般にアークは放電現象の一つの形態であり、プラズマの一種です。高温で強い光を伴いながら電流が流れるのが特徴です。

このアーク放電が持つ熱エネルギーを利用して、金属を溶かしたり、切断したりすることができます。例えば、アーク炉では、アークの熱で鉄スクラップを溶かし、鋼を製造します。

アークの種類と特徴

製鋼工場で使用するアークは、その発生方法によって直流アーク炉と交流アーク炉に大きく分けられます。

・直流アーク

直流アーク炉は、電流の流れる向きが常に一定のアーク炉です。安定したアークを維持しやすく、溶接や切断など、精密な作業に適しています。アーク炉においては、直流アーク炉の方が、より安定した溶解が行えるため、高速溶解且つ、効率良く鋼を製造できます。

・交流アーク

交流アーク炉は、電流の流れる向きが周期的に変わるアーク炉です。直流アーク炉に比べて、アークが不安定になりやすく、電力系統にフリッカ等の擾乱を発生させやすいという特徴があります。しかし、直流アーク炉に比べて機器構成がシンプルになるという利点があります。

用語

・力率

力率とは、有効電力と皮相電力の比であり、無効電力が大きいほど力率は低下します。力率が低いと、電気エネルギーが有効に利用されず、電力損失が大きくなります。

・高周波

基本波以外の高周波成分のことです。高調波は、電気機器の寿命を縮めたり、通信障害を引き起こしたりする原因となります。

・アーク変動

アークの長さや電流が時間的に変化することを指します。アーク変動は、フリッカや高調波による電力品質の低下につながります。

アーク炉の基礎知識