電圧フリッカ対策・電源設備の最適化
静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置

アーク炉などの変動負荷によって発生する電圧フリッカを抑制

電圧フリッカ対策/静止型フリッカ補償装置のイメージ

電圧フリッカ対策に課題はありませんか。電炉製造分野において、生産プロセスにおける電圧フリッカは、製品品質には直接影響しませんが電力系統の品質を著しく悪化させるケースがあります。

この電圧フリッカを抑制するために、余儀なく必要に応じて出力を絞った電炉操業によって、結果として生産性の低下を引き起こす可能性があります。

静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置は、電力系統の無効電力の高速制御や、アーク炉などの変動負荷によって発生する電圧フリッカを抑制します。これにより、安定した電力供給を実現、製品品質の向上と生産性の向上に貢献します。

富士電機では、大容量変圧整流装置やアーク炉用変圧器の流れを汲む豊富な経験と実績をベースに、1974年から静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置を製造してきました。これら豊富な経験と実績、最新の制御技術で電源設備の最適化に貢献します。

電力系統・電源設備の課題を解決し、「電圧の安定化」を実現

富士電機の静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)/静止型フリッカ補償装置(SFC:Static Flicker Compensator)は、お客様の電力系統・電源設備が抱える課題を多角的に解析し、豊富な経験と先進の制御技術で電圧変動を最小化。 小型化と低コスト化も同時に実現し、設備の安定的な運用に大きく貢献します。

静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置の導入実績

富士電機では、大容量変圧整流装置『S-Former』(1959年~)やアーク炉用変圧器(1936年~)の流れを汲む豊富な経験と実績をベースに、1974年からの40年余で累計2,750MVAの静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)/静止型フリッカ補償装置(SFC:Static Flicker Compensator)を製造。日本国内はもちろん世界各地でも導入され、電力安定化を実現して産業の発展に貢献しています。

SVC・SFCの国内・海外比率
SVC・SFCの海外納入先

静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置の特徴

ステータス監視も容易に。

制御装置には最新のダイレクトデジタルコントロール(DDC)を採用。マルチCPUやマルチDSP機能により、高速・高機能化、分散演算などを実現。豊富なトレースバック機能(1msサンプリング、100μsサンプリングなど)も搭載しました。

大幅な省スペース化で、設備の更新・新設もスムーズです。

小型化により大幅な省スペース化を実現。22MVAのユニットの場合で、体積比76%減、設置面積68%減、質量55%減(いずれも当社従来モデルとの比較)と圧倒的にコンパクトなので、設備の導入もスムーズに行えます。

最先端のパワー半導体技術が確かな性能を支えます。

新たに水冷式半導体冷却ユニットのスタック構造を採用しているほか、IGBTスタックの最適設計と駆動条件の最適化によりスナバレスも実現。さらに、回路構成の簡素化と部品点数削減によって高信頼性も確保しています。

アフターフォローも充実。長期的な視野に基づく設備導入も安心です。

経験豊富なスタッフによるメンテナンスや細やかなサポートなど、導入後のアフターフォローも充実。ランニングコストにも優れており、将来を見越した設備更新・新設をお考えのお客様も安心です。





静止型フリッカ補償装置(SFC)の概要

電圧フリッカは、製品品質の低下や生産性の低下を引き起こす原因になる可能性があるため、その抑制は重要です。静止型フリッカ補償装置(SFC:Static Flicker Compensator)は、アーク炉などの変動負荷によって発生する電圧フリッカ(電圧の瞬時的な変動)を抑制する装置です。高速で細かく変動する電圧(QF)に対し、対極となる波形(QL)によって変動を大幅に低減(QS)させます(SFCの制御機能のイメージ参照)。

富士電機は1970年代にいち早く他励式SFC(TCR:Thyristor Controlled Reactor)のフリッカ補償装置を製品化して以来、数多くの実績を積み重ねてきました。近年では自励式装置で構成されるケースが多くなっています(SFCの基本回路構成図参照)。

静止型フリッカ補償装置の主な導入先はアーク炉を使用する鉄鋼業界で、改善率は最大で約80%。お客様の製品品質の向上や生産性の向上に貢献しています。

静止型フリッカ補償装置の基本回路構成図
静止型フリッカ補償装置の制御機能のイメージ

静止型フリッカ補償装置(SFC)の構成方式

静止型フリッカ補償装置(SFC)はお客様の課題に応じた多彩なシステムをご用意できるため、電力系統・電源設備が抱える様々な課題に対応可能です。

自励式SFC(STATCOM:Static Synchronous Compensator)

自励式SFCの単線結線図

高速スイッチングが可能な自己消弧型素子を用いた多機能インバータにより、直接無効電力を補償します。大容量器として経済性に優れており、 フリッカ補償と同等に長周期電圧変動補償が欠かせない大容量製鋼アーク炉に対して有効です。

●多機能かつコンパクト
●高調波発生量が少ない
●進相から遅相までの連続制御が可能
●高速応答が可能

他励式SFC (TCR:Thyristor Controlled Reactor)

他励式SFCの単線結線図

サイリスタのスイッチ動作により電流を制御し、無効電力を補償。並列コンデンサをフィルタとして用いて高調波電流を抑制します。系統電圧に対するインバータ電圧の振幅と位相を制御することにより、進相遅相無効電力だけでなく逆相電力、さらには高調波補償も可能であり高機能のフリッカ補償が可能です。

●遅相分の連続制御が可能
●三相一括/三相個別制御が可能

ハイブリッド方式(STATCOM+TCR)

ハイブリッド方式の単線結線図

STATCOMとTCR、両者の長所を併せ持ったハイブ リッドタイプ。大容量に対応しつつ、高速変動に対す る高度な補償性能を実現するためには必須の構成 です。

アーク炉の溶解能力を最大限に引き出すエンジニアリング

綿密なヒアリングと高度な系統解析、豊富なノウハウにより、課題とニーズを的確に把握して最適なシステムをプラン ニング。お客様の負担を軽減し、導入までの流れをしっかりサポートします。

富士電機のエンジニアリング

溶解時の生産性を追求した、ベストな回路構成をご提案

ベストな回路構成をご提案

豊富な経験に培われた多彩なノウハウ を駆使し、フリッカ補償や電圧変動補償、力率補償など、電力設備の課題に合わせて特化した最適なシステム構成・ 機能をご提案。設備のパフォーマンスを最大限に引き出します。

高度な系統解析技術により、課題を解決する最適なプランを立案

高度な系統解析技術のイメージ

多彩な解析ツールと、電力基幹系統から送配電設備までの豊富な解析経験を活かし、設備全体で精度の高いシミュレーションを実施。すべての課題を解決する「最適な仕様」をご提案いたします。高度な系統解析技術により、課題を解決する最適なプランを立案いたします。

[系統解析技術の例]
●リアルタイム アナログ/デジタルシミュレータ
●高圧模擬送電線シミュレータ
●デジタル回路解析
●現地フィールド測定データの積極的活用
●その他の汎用解析技術





静止型無効電力補償装置(SVC)の概要

静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)は電力系統の無効電力を高速で制御することで、電圧変動を抑制します。高度な制御技術で電圧変動を抑制・平準化し、系統全体の安定運用を実現、幅広い用途に対応可能です。主な導入先には電力(発電、送電)、鉄鋼、非鉄金属業界です。

静止型無効電力補償装置(SVC)の構成方式

他励式SVC(高インピーダンスTR方式)

他励式SVC(高インピーダンスTR方式)の単線結線図

サイリスタのスイッチ動作により、高インピーダンス変圧器への電流を制御し、無効電力を補償します。

●70MVAクラス以下の中容量に適する
●遅相分の連続制御

他励式SVC(高圧サイリスタ方式)

他励式SVC(高圧サイリスタ方式)の単線結線図

サイリスタのスイッチ動作により、リアクト ルへの電流を制御し、無効電力を補償します。

●70MVAクラス以上の大容量に適する
●遅相分の連続制御





参考資料

・大容量自励式フリッカ補償装置の導入事例

この資料内では、製鋼業向け大容量自励式フリッカ補償装置の導入事例が掲載してあります。この事例では、従来の他励式装置から自励式装置への更新により、少ない設備容量で高いフリッカ補償性能を実現しました。また、コンパクトな設計により、限られたスペースにも設置できるなど、設備の効率化にも貢献しています。

出所:富士電機技報 Vol.89 No.2 p.099(2016)


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・フリッカ補償システムの最新制御技術

電力供給の「電気の質」に対する要求がより厳しくなってきている現在、フリッカ補償装置(SFC)の役割はより重要なものとなってきています。パワーエレクトロニクスを駆使したSFC には、サイリスタを用いた他励式SFC および自己消弧デバイス(IGBT など)を用いた自励式SFCがあります。本稿ではフリッカ補償システム(他励式および自励式)の最新制御技術について紹介しています。

出所:富士時報 Vol.80 No.2 p.131(2007)


資料ダウンロード

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電圧フリッカ対策・電源設備の最適化のご提案

電圧フリッカ対策に課題はありませんか。富士電機では、大容量変圧整流装置やアーク炉用変圧器の流れを汲む豊富な経験と実績をベースに、1974年から静止型無効電力補償装置/静止型フリッカ補償装置を製造してきました。これら豊富な経験と実績、最新の制御技術で、電炉製造分野の電力系統・電源設備の課題を解決し、「電圧の安定化」に貢献します。


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