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装置メーカの認定取得の負担を減らす、制御盤工場のモノつくり精神に迫る装置メーカの認定取得の負担を減らす、制御盤工場のモノつくり精神に迫る

世界規模で部品供給不足や納期遅れといった課題に直面しているモノつくり業界。
さまざまな対応を迫られていたり、装置の高度化に伴い要求も常に変化する中、
盤メーカや部品メーカはどのような貢献ができるのか。
今回は海外規格取得に精通しており、半導体業界向けに盤製作事業を展開している布目電機様との対談を通じ、付加価値を提供する提案型のモノつくりのあり方に迫ります。

OUTLINE

  • 制御盤として海外規格の認定を取得できるという強み
  • 付加価値のある提案をという想いで乗り出した、制御盤製造事業
  • 半導体業界の要望から生まれたプラグインブレーカ。
    「だれでも使える」性能に見据える展望
  • さらなる制御盤の付加価値を求めて、垣根を超えた共創関係を

TALK MEMBER

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※ 記事中の部署および役職名は取材当時のものとなっております。
※ 布目電機株式会社:以下布目。富士電機機器制御:以下FCS。 

制御盤として海外規格の認定を
取得できるという強み

加藤明夫(かとう あきお)様
大石FCS
まずは簡単に、布目電機様の事業について、ご紹介いただけますでしょうか。
加藤
はい。弊社はトランスの製造メーカとしてスタートしました。そこから、トランスを中心に日本国内はもとより、海外規格を取得することに力を入れています。さらに現在では箱単位での分電盤、制御盤の製造にも事業展開をしています。
大石FCS
1999年に制御盤のULライセンスを取得し、事業をはじめられたとお伺いしているのですが、具体的にはどのようなきっかけだったのでしょうか?
加藤
まずトランスの方で海外規格を取得したのですが、そのあと得意先様から、「実はトランスの方で、ケースに入れたもののUL認定が欲しい」というニーズがありました。それがきっかけですね。
大石FCS
UL認定を取得って、相当大変だと思うのですが、それに取り組んだということなんですね。
大根
そうですね。ニーズに応えるためにとにかくやろうという思いは強くて。でも、まず規格書自体かなり分厚いですし、何度も改訂が入っていますし。そのうえ認定者によって解釈も違ったりもして、苦労は想像以上でしたね。
大石幸勇(おおいし さちお)
加藤
トランスをケースに入れて規格認定をとりたいという話が出た当時、「どんなULの規格があってどうすれば取れるんだろう」というのが全くの手探りで。担当者は東京まで行って確認したそうです。そこでULの方に話を聞いて、ケースに入れるんだったら制御盤のULがあるよという話があって、色々アドバイスを受けてなんとかかたちにしたんです。結果的には、出来上がった制御盤に関してはその時アメリカから来日したUL審査官からも高評価をいただくことができました。
大石FCS
お客様の要望を叶えるためにそこまでというのは、本当にすごいですね。さらにそこから発展して制御盤製造を事業として展開されるというところにも、ものすごい気概を感じます。しかも、布目電機さんが日本で第一号のUL508Aメーカー技術担当者(MTR)資格を取得されたんですよね。それもすごい事実ですね。
大根
2020年10月1日以降、米国とカナダではUL508A認定MTRの設置が必要となっていたんですが、日本においても2022年4月1日からは、少なくとも1名のUL508A認定MTRを設置する必要があると通達を受けたんです。
とにかく何とか対応しなければ…という一心で、MTR資格試験にいち早く取り組んだ結果、日本で初めてUL508A認定MTR資格を取得したことを知りました。

付加価値のある提案をという想いで乗り出した、制御盤製造事業

大根賢治(おおね けんじ)様
加藤
今から考えれば、工業用制御盤の製造事業についても、あの時トランスをケースに入れたいという話があったからこそ乗り出したのかもしれませんね。
大石FCS
もしよろしければ、もう少し御社の製造事業というか、UL認定制御盤の事業が始まった経緯についてもお話を伺えますか?
加藤
制御盤製作を事業化するという話は、市場規模や営業展開の方法や、専任出来る技術者の確保などのこともあって当時社内では賛否が分かれていたんです。
大石FCS
そうだったんですね。
加藤
トランス事業は長いことやっていましたし、恐れながら業界でもそれなりに高いシェアを誇っていると現在も自負しております。ですが一方で、「ひとつの事業だけを頼りにした状態でいいのだろうか」と前々から感じる部分もあって。競合事業者もたくさんいる中で、ただ要求されたものを作るだけでは価格競争に飲み込まれてしまう。なにか付加価値のある製品を提供することでお客様に満足いただくということをしなければと思っていたんです。
大石FCS
その付加価値という点でフォーカスが当たったのが、UL認定の制御盤の話だったと。
大根
そういうことです。それ以前に電源ユニットの製造に取り組んだことがあるせいか、お付き合いのある装置メーカさんの設計担当の方でも、UL508Aの規格が分からなくて「逆に教えてください」といわれることがあったんです。
ということは、このUL認定の制御盤製造を通じて、規格認定のサポートができるのではないかと。それがお客様にとってメリットになるだろうと考えたんです。実際、半導体業界のメーカさんから「海外で作っているものを国内で作るなら布目さんに任せてもいい」というお話もあったので、本格的に展開しようという運びになりました。
認定証
大石FCS
やはり、規格に強いということが魅力になるんですね。
大根
お客様からすれば、日本じゃなくてアメリカに納めるものに関して、分厚い資料を読み込む手間や、認定機関に言われたことをどう解決するのかとか自分たちでやろうとしてもわからない。そこで、うちに任せていただければ、「こういう方法があるんじゃないですか」という提案をしたり、認定機関にいわれたことの解釈も我々の知見から解釈などをお伝えすることができるので、その点で設計者や品質保証の方に評価いただいています。 平たく言えば、「布目電機さんに聞けばわかるよ」ということで。
大石FCS
ちょっと意地悪な質問かもしれないですが、それだと変な話、「知識だけ教えて欲しい」みたいな話もあったりするんじゃないですか?
大根
コンサルティングしてほしいというところもあるんですが、うちとしては製造メーカであることにこだわっているので、教えることも製造する中でやります。
どんな場合でも、ただ言われたように作るだけじゃ意味がないというのが我々の考え方で。うちの経営理念で「共創」、お客様とともにやっていこうというのがあるんです。弊社の目線から言いますと、私たちの方からもご提案をしていこうという姿勢ですね。
加藤
最初から装置ありきの電気設計というよりは、お客様が要望するものを、ULの規格に置換するご提案だったり、プラスアルファのものを上乗せしていく提案だったりということは、強みとしてこだわっているポイントです。
大石FCS
受注側からの提案ということですよね。しかも要求に応えながらとなると難しそうですね。
大根
そうですね。たとえば半導体業界ではフットプリントとか容積をできるだけ小さくしてほしいというのがあって、「この大きさに入るものを作って欲しい」と言われます。その上で、他にもいろいろ部品をつけたいとか、系統も増やしたいというお話があったり。あと一番苦労するのは、日本のお客さんはこう作られても、海外の規格に合わせるとこれだけ大きくなりますといった矛盾が発生すること。いかにコンパクトにまとめながら、お客様の要求に合わせていくかというのは頭を使いますね。
大石FCS
規格と要求の双方に合わせて対応していただけるという点は、お客様からするとすごく信頼できるでしょうね。
加藤
たとえばどういう容積を増やすかという一点を見ても、考え方は会社や業種によって本当に様々です。横に伸ばすのか、フットプリントを考えれば縦に伸ばそうかとか。幸い、リピートで依頼いただくお客様も多いので、改良を重ねていく中で我々もノウハウを蓄積されてきているという感じですね。

半導体業界の要望から生まれたプラグインブレーカ。「だれでも使える」性能に見据える展望

付加価値のある提案をという想いで乗り出した、制御盤製造事業
大石FCS
少し話は変わりますけれど、今回布目電機様にコラボして作っていただいた制御盤ユニットは、セミコン2021でも展示したユニットでした。
実は今回のプラグインブレーカを使用したユニットというのは、以前から半導体装置メーカさんと話をしているなかで、要望を伺っていた製品でした。率直にお聞きしたいのですが、使われてみていかがでしたか?
大根
一言で言うと、「やっと日本のメーカさんもこうした製品を出してくれるようになったんだな」と。私どもの場合、7-8年前からグローバルの製品を使っていたことがあったので、そういった意味で期待感を持ちました。
圧着端子がいい例ですが、日本だと技量のある人が確実に取り付けるという安心を求めている場合が多い。一方、ヨーロッパで求められるのは「だれでも使える」ということだったりするんですよね。
加藤
熟練の人たちも時代とともに少なくなってきますし、技量に頼る作業を減らすというのは迫られてくる課題と思いますね。賛否両論はあると思うんですが。また、量が増えてくるのにあわせて生産効率を上げようとする際、プラグインブレーカの様なものを取り入れて効率化を図るということは求められていくのだと思います。「作り方のDX化」みたいなことでしょうか。
大石FCS
「作り方のDX化」というのは、つまり製作のフローをもっと汎用的にすることですよね。技量に頼るということではなく。
加藤
おっしゃる通りです。
大石FCS
いまおっしゃられた「作り方のDX化」という点に絡めてもう一つお伺いしたいのですが、今回どうしてあのプラグインブレーカを採用したユニット製作にご協力いただけたのかという点が我々としても詳しく知りたいと思っていまして。「作り方のDX化」って、つまり作り方が変わるってことじゃないですか。盤メーカさんだけじゃなくこれは日本的な風潮とも言えるのかもしれないですけど、作り方が変わることを嫌う傾向があると思うんですよね。なぜ御社はわざわざ仕様を変えてまでご協力いただけたんだろうと。
大石幸勇(おおいし さちお) 02
加藤
確かに仕様を変えれば今まで通りに量産ができなくなりますから、嫌がるのが普通だと思います。でも、コストや効率を考えるうえで、どこを重視するかということなんですよね。人の雇用に重きを置けば、その人の工賃分ってどうなるのという話になる。でも、プラグインブレーカっていうのは、いわば省工数や省スペース化に有効な製品じゃないですか。省工数で、誰でも使えるということに重きを置いたら、プラグイン式を採用した場合コストはどういう考えになるのかと。経営戦略が変わればコストの見方も違う考え方になる。僕はそういう認識なんですよね。
大根
海外規格への適応というのをやってきているのでそもそもそのような部品には馴染みがあったというのもありますが、だれでも使えるという仕様の製品は、今後日本の製造業も採用していかないと難しいと思うんですよね。そういう風に考え方を前に進めていくことも、これからのモノつくりには必要な側面だと思いますし、弊社として大切にしたい点でもあります。
大石FCS
だれでも使えるみたいなことで言うと、今日でもお聞きするのが、「現地に行って部品を交換しないといけないから、ブレーカを一個だけ成田に持ってきてください」という依頼なんですね。日本で取り付けた場合には現地で交換しないといけない。今回作ったプラグインブレーカには、そういう負担をゼロにしたいという思いが込められているんです。
大根
実際に部品ひとつ変えるといっても、容量が変われば配線が変わるとか、その際に海外の担当がわかるレベルの写真の手順書を送ってほしいとか、英文のやつを作ってくれとか、もういろんな話が発生します。そういうところにワンタッチで交換できる製品があれば、お客様の方もフレキシブルに対応できると思いますね。

さらなる制御盤の付加価値を求めて、垣根を超えた共創関係を

加藤明夫(かとう あきお)様 02
大根
今回もそうですが、FCSさんも確かお客様からの引き合いがあって新しくSCCRに対応したコンパクトなブレーカを作られたじゃないですか。半導体業界の方では、海外みたいに電流などの電気特性を可変できるものが欲しいという声もあったりしますから、それができたらすごく喜ばれるんじゃないかなって思いますね。
大石FCS
大根様のおっしゃるような可変製品の開発は、ぜひ今後考えたいところですね。
大根
我々としても、そうやって意見をもとに作っていただいた製品があって、それをうまくアレンジするということができれば、盤の省スペース化だっていろんな手立てが生まれてくると思います。もっと共創すればさらにお客様にも有意義な付加価値のある提案ができるんじゃないでしょうか。
加藤
あと考えられるのは、今後プラグインブレーカが高SCCRで実現できたら、これは日本の中にはないことなので、パイオニアになれると思います。
大石FCS
それはぜひ取り組んでみたいですね。
加藤
弊社としてもそれを盤として組み込むのか、ユニットとして作るのか、というのを考えながら、機器単体で評価がどうという視点だけではなく、もっと効果的にメリットを活かしていく。そういう考え方が有効なのではないでしょうか。
大石FCS
おっしゃる通りですね。弊社としてもブレーカ単体というよりも、もっと盤メーカの方と協力体制をとって、全体としてメリットが生まれる形を作っていくべきだと思います。価格の面でも一緒になって市場を開拓しながら、その流れでブレーカの方も安くできるとか、そういう流れを作っていけたらいいなと思っています。
他のメーカの方から見れば弊社はいち部品メーカではありますが、我々としては装置全体のことを考えたうえで、プラグインブレーカのような製品の必要性を考えています。そういう意味では、私たちももっとニーズや業界の動向などの情報を取りに行かなければいけないし、盤メーカ様をはじめとして一緒に盛り上げていきたいなと思います。
大根賢治(おおね けんじ)様 02
大根
我々側の視点からいいますと、いまは部品を選ぶにしても、いままでは規格にあっていればいいよという話だったのが、たとえば化学物質とかそういうのにも配慮するということを踏まえて選ぶというのが世の中のベースになる中で、適応した部品を選ぶという新たな難しさが生まれたりしています。なので、これからの業界や社会全体の動向も見据えながら、いろいろな対応をしていかなければならないですね。
大石FCS
世の中の変化を捉えてモノつくりをすることがますます求められるということですよね。そのためには情報をもっと連携したり共有したり、そういった関係性が望ましいのかなと。
大根
今の時代はいいものがあって採用されるとわっと広がるところがあるので、もっといろんな提案で自分たちからも広げていきたいですね。
大石FCS
今回のようにいいものが出たから一緒にやりましょうとおっしゃっていただけるのは、弊社としてもとても有難いことです。なので今後は、「こういうの作れないかな?」「これできます!」みたいな会話をして、win-winの関係をぜひ作っていきたいです。
加藤
プラグインブレーカをつかったユニットは、まさに弊社が考える「共創」の一環ですので、ここで止まらずさらにブラッシュアップしながらご一緒させていただければと思っています。ぜひ今後もよろしくお願いします。

取材を終えて

取材を終えて

海外への装置展開を考えたとき、ULをはじめとする海外規格はついてまわるものですが、日本で「制御盤として海外規格を取得できる」という布目電機様の独自性に驚きました。現在の事業の広がりも、お客様の要望に真摯に答えていくということと、与えられた仕様をそのままつくるのではなく、規格をクリアしながら適したものを「共創」するという姿勢に裏打ちされているのだなと強く感じました。

今回ご協力いただいた、プラグインブレーカを使用したユニットについてもお話を伺いましたが、海外でよりニーズの高い「だれでも扱える」とった仕様は、世の中の展望を考えたときに必要性が増してくるだろうなと実感すると同時に、メーカの垣根を超えて情報を共有したり、ニーズを交換しあいながら「共創」するモノつくりのあり方にとても可能性を感じました。

今後もニーズの変化や世の中の動きをとらえながら、あらゆる業界のモノつくりに貢献していきたいと思います。

今回の取材にご協力いただいた企業

布目電機株式会社様

https://www.nunome.co.jp/

記事に登場したプラグインブレーカやUL規格などについてのご質問も受け付けております。

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