物流センター・倉庫に関する動向調査
最新版:物流・倉庫部門のDX推進に関する意識調査2021

物流・倉庫部門のDX、期待効果は「働き方改革の推進」「コスト削減」「データの活用・見える化の推進」、成功要因は「従来の仕組み・制度の見直し」

昨年に引き続き、さまざまなメディアで企業におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)への取り組みが進んでいると言われています。

一方、経済産業省の「DXレポート2」によると、新型コロナウイルスの感染拡大などにより企業におけるDX が進んでいることが期待されたが 9 割以上の企業が DX に未着手であるか途上にある現状にあるということに言及されています。

このような環境下の中、物流・倉庫部門においてはDXへの取り組みはどれぐらい進んでいるのでしょうか、また期待できる効果とは何でしょうか。

昨年に引き続き、物流倉庫におけるDXへの取り組み状況について動向を調査すべく「物流・倉庫部門のDX推進に関する意識調査2021」を実施しました。

最新版:物流・倉庫部門のDX推進に関する意識調査2021概要
物流・倉庫部門のDX推進に関する意識調査2021

対象エリア:全国
調査対象者:物流倉庫部⾨事業所従事者(物流倉庫関連部門もしくは物流・倉庫部門事業所に所属している方)
回答者の業種:製造業40% 卸売業26% 小売業9% 運輸業・郵便業8% その他17%
有効回答数:749人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年5月25日~5月26日

調査項目

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み・実施状況

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)やデジタル化を推進している組織

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進することにより期待している効果

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する上での問題・課題

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)の成果

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んだことによる具体的な効果

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成功した要因

  • デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していく上での問題・課題について(FA)

以下、調査の内容を抜粋してご紹介いたします。

物流・倉庫部門のDX推進に関する意識調査2021の結果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況

勤務先におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況について「全社的に利用されている」と回答したのは全体の3.7%、「経営層でのみ使われている」が2.4%となった。一方で「一部の部門・部署で使われている」が13.0%、「あまり使われていない」の回答は全体の46.3%となった(図1)。

従業員規模別では従業員数が多くなるほど勤務先におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況が進んでいる傾向がみられた。

図1

デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況

デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉の普及状況

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み・実施状況

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み状況について「現在取り組んでいる」と回答したのは全体の8.0%、「今後取り組む予定がある」が6.5%となった。一方で、「必要性は感じているが、取り組んでいない」が15.4%、「取り組んでおらず、必要性も感じていない」の回答は全体の31.0%となった(図2)。

従業員規模別では従業員数が多くなるほどデジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組みが進んでいる傾向がみられた。

図2

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み・実施状況

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み・実施状況
デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み・実施状況

デジタル・トランスフォーメーション(DX)やデジタル化を推進している組織

デジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタル化を推進している組織について「DXを推進する専門組織がある」と回答したのは全体の30.3%となった。一方で、「DXを推進する組織横断のプロジェクトチームがある」が28.4%、「既存の情報システム部門がDXを推進している」が31.2%となった(図3)。

従業員規模別の集計では「DXを推進する組織横断のプロジェクトチームがある」が最も多かったのは従業員数5,000人~9,999人で44.4%、最も少なかったのは従業員数100人~499人で11.1%となった。

図3

デジタル・トランスフォーメーション(DX)やデジタル化を推進している組織(複数回答)

デジタル・トランスフォーメーション(DX)やデジタル化を推進している組織

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進することにより期待している効果

DXを推進することにより期待している効果についてもっとも回答が多かったのは「生産性の向上」で55.0%となった。次いで「コスト削減」「データの活用・見える化の推進」、で48.6%の順に続く結果になった(図4)。

もっとも回答が少なかったのは「事故・故障等の予防、安全性の向上」で16.5%となった。

従業員規模別では、100人~499人で「データの活用・見える化の推進」が全体と比べやや高くなっている。

図4

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進することにより期待している効果(複数回答)

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進することにより期待している効果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する上での問題・課題

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する上での問題・課題についてもっとも回答が多かったのは「知識・ノウハウの不足」で44.0%となり、次いで「推進できる人材不足」で35.8%、「推進できる組織・体制不足」で32.1%の順に続く結果になった(図5)。

従業員規模別の集計では「知識・ノウハウの不足」が最も多かったのは1,000人~4,999人の回答で60.9%、最も少なかったのは10,000人以上で回答は29.6%となった。

図5

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する上での問題・課題(複数回答)

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する上での問題・課題

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の成果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組み成果について「DX推進の成果が出ている」と回答したのは全体の43.3%となった。一方で、「DX推進の成果がでていない」が26.7%、「わからない」が30.0%となった(図6)。

従業員規模別では、100人未満で「DX推進の成果が出ている」が全体と比べやや高くなっている。

※この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図6

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の成果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の成果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んだことによる具体的な効果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み成果が出ているとの回答者を対象とした設問で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んだことによる具体的な効果についてもっとも回答が多かったのは「働き方改革の推進」で50.0%となった。次いで「コスト削減」で42.3%、「データの活用・見える化の推進」で42.3%の順に続く結果になった(図7)。

期待効果の設問の回答結果と比較すると、期待効果で上位にあった「生産上の向上」は下位に、反対に「働き方改革の推進」については回答の上位となっている。

※この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図7

デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んだことによる具体的な効果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んだことによる具体的な効果

デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成功した要因

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組み成果が出ているとの回答者を対象とした設問で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成功した要因について、もっとも回答が多かったのは「従来の仕組み・制度の見直し」で34.6%、次いで「DX人材の確保・育成」で15.4%、「DX推進担当部門の設置」で11.5%の順に続く結果になった。

※この設問の回答数が少ないため参考データとなります。

図8

デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成功した要因

デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成功した要因

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していく上での問題・課題について(FA)

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していく上での問題・課題についてのFA(フリーアンサー)では、「人材不足」「費用対効果」「DX化の範囲」に関連する問題・課題が多くみられた(以下FA回答の抜粋)。

  • どこまでデジタル化できるかの見極めが難しい

  • 目的が社員に浸透していない

  • システム構築する人間が現場の事をよくわからない

  • 何をDX化するのか、対予算効果は得られるのか

  • マニュアルでのオペレーションが多く、自動化できる範囲が狭い

  • 紙をデータにする際の業務手順の見直しを進めるさいの各部署の温度差がある

  • DXを進められる業務が少なく推進できない

  • システム構築する人が現場の事をあまり理解していない

  • 古い体質なので、新しいことをやりたがらない

  • アナログ人間が多いので率先して取り組める人材がほとんどいない

  • イメージが湧かないことがあって、進んでいるのかよくわからない

  • 人材不足と言うよりも扱う担当者に対する評価不足

  • 取り組み開始から、完了まで時間がかかるためスピーディな対応ができてない

  • 業務内容的、設備的にデジタル化を推進するにはまだ環境が整っていない

  • 費用効果が見れないため、踏み込んだ改修が難しい

調査結果ダウンロード

本調査結果については以下よりダウンロードすることができます。

富士電機では物流ソリューションに関連する動向調査を不定期に実施し、お客様に役立つ情報を発信しています。本調査の詳しい資料をご希望のお客様は弊社営業担当、もしくは「お問い合せ・導入に関するご相談」ページよりお問い合せ下さい。

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