物流センター・倉庫に関する動向調査
人手不足の実態と物流システムに関する調査

人手不足の実態と物流システムに関する調査

「人手不足の実態と物流システムに関する調査」は、製造業・卸・小売業における人手不足とITの活用状況をテーマとした動向調査です。

調査対象は、調査現在、 製造業、卸・小売業従事者(従業員数100名以上) 、かつ(製造、調達・購買、生産管理・品質管理、情報システム、経営企画、事業企画、物流・倉庫従事者等) に 所属している担当者を対象とし、人手不足の実態、ITの活用状況と物流システムに関連した設問に回答いただきました。

最新版:物流・倉庫部門における人手不足の実態調査

物流・倉庫部門及び事業所従事者を対象とした人手不足に関する実態調査の2021年版。人手不足対策の取り組み上位は「業務フロー・業務プロセスの改善見直し」「教育訓練能力開発化」「業務の平準化」という結果に。
物流・倉庫部門における人手不足の実態調査

調査について

さまざまな産業で、デジタル化への取り組みが活発化しています。物流分野においてはインターネット通販(EC)の市場拡大、グローバル化、多品種少量化が進んでおり、産業競争力強化や付加価値創出の手段として、AI・IoT の活用が広がりつつあります。

一方で、国内においては労働人口の減少による人手不足が深刻な経営課題になっています。IT活用による人手不足の解消・省力化や、物流データを活用等による生産性の向上が期待されています。

そこで、富士電機の物流ソリューション事業では、物流業務に関連する調査として、製造業・卸・小売業を対象とした企業における人手不足、IT の活用状況及び物流システムの活用状況に関する調査を実施しました。

対象エリア : 全国
調査対象者 : 製造業、卸・小売業従事者(従業員数100名以上)
(製造、調達・購買、生産管理・品質管理、情報システム、経営企画、事業企画、物流・倉庫従事者等)
有効回答数 : 300 人
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 2019 年 8 月 30 日~9 月 2 日

【調査結果】企業の 87%が人手不足を実感、すでに約 6 割の企業の業務に影響
~業務への影響トップは「技術・ノウハウの伝承が困難」~

物流業務に関連する調査として、製造業・卸・小売業における人手不足とITの活用状況に関する調査を実施しました。以下、調査内容を抜粋してご紹介いたします。

人材不足の実態について

「人手が不足している」とする回答は全体の87.3%。そのうち約6割が、人材不足によりすでに業務に影響があると回答。 業務における具体的な影響としては、「技術・ノウハウの伝承が困難」(53.3%)になったり、「従業員の時間外労働の増加や休暇取得の 減少」(47.1%)、「業務・サービスの質の低下」(43.1%)などの発生。 人手不足に対して行っている取り組みとしては、「教育訓練・能力開発の強化」「業務フロー・業務プロセスの改善・見直し」「IT導入による省力・効率化」がトップ3を占める。

取り組んで実際に効果があったものでは、1位が「IT導入による省力・効率化」、2位に「業務の外部委託(アウトソーシング)」、3位に「既存設備の更新による省力・効率化」「ロボット・自動機等の活用による自動化・省力化」があげられる。

図:「人手不足」の状況と影響

人手不足

人手不足が業務に及ぼす影響(業種・従業員数別)

人手不足が業務に及ぼす具体的な影響をみると、「技術・ノウハウの伝承が困難」が53.3%で最も高く、次いで「従業員の時間外労働の増加や休暇取得の減少」(47.1%)、「業務・サービスの質の低下」(43.1%)が4割台でつづく。

業種別では、「卸売・小売業」で「外部委託(アウトソーシング)や採用活動などによるコストの増加」がやや高くなっている。それ以外の項目では、全体と比べ総じて低くなっている。

従業員規模別では、「300~1,000人未満」で「業務の見直しや業務改善活動の停滞」「職場の雰囲気の悪化」「事業拡大・企業成長の妨げ」が目立って高くなっている。

図:人手不足が業務に及ぼす影響(業種・従業員数別)

人手不足が業務に及ぼす影響(業種・従業員数別)

人手不足に対する対応(製造業)

人手不足に対する対応を「製造業」に限ってみると、現在取り組んでいる内容(TOP3)では「教育訓練・能力開発の強化」が最も高く71.2%。次いで、 「業務フロー・業務プロセスの改善・見直し」(70.2%)、「IT導入による省力・効率化」(67.0%)、やや差があって「業務の外部委託(アウトソーシング)」「従業員間における業務の平準化」「既存設備の更新による省力・効率化」(各62.3%)が続く。

取り組んで効果があったものでは、1位が「ロボット・自動機等の活用による自動化・省力化」(15.8%)。2位に「IT導入による省力・効率化」「既存設備の更新による省力・効率化」 (各15.3%) 。

図:人手不足に対する対応(製造業)

人手不足に対する対応(製造業)

人手不足に対する対応(卸売・小売業)

人手不足に対する対応を「卸売・小売業」に限ってみると、現在取り組んでいる内容(TOP3)では「IT導入による省力・効率化」「教育訓練・能力開発の強化」(各57.4%)が同率でトップ。 次いで、「業務の外部委託(アウトソーシング)」「業務フロー・業務プロセスの改善・見直し」(各53.2%)、「従業員間における業務の平準化」 (51.1%)が上位にあがる。

取り組んで効果があったものでは、1位が「IT導入による省力・効率化」(17.0%)。2位に「業務の外部委託(アウトソーシング)」 (14.9%) 。3位に「教育訓練・能力開発の強化」「業務フロー・業務プロセスの改善・見直し」「多様な働き方実現」(各8.5%)。

図:人手不足に対する対応(卸売・小売業)

人手不足に対する対応(卸売・小売業)

IT 活用実態

ITを利用した取り組みを実施しているとする回答は、全体の52.3%。IT導入検討時には、主に「ITベンダーや情報システム会社」「展示会・セミナー」の情報を活用している様子。 現在、活用しているITでは、「在庫管理システム」「生産管理システム」「販売管理システム」が上位3位(すでに利用しているIT) 。今後、利用を検討しているITでは、「AI(人工知能)」「IoT(Internet of Things)」「ビッグデータ」が上位を占める(今後検討しているIT) 。

図:ITの活用状況

ITの活用

活用しているIT(製造業)

IT活用状況を「製造業」に限ってみると、すでに利用しているものでは「生産管理システム」が最も高く48.5%。次いで「在庫管理システム」(45.0%)、 やや差があって「販売管理システム」(38.1%)、「クラウドサービス(IaaS,PaaS,SaaS)」(35.6%)が上位にあがる。

今後、利用を検討しているサービスでは「AI(人工知能)」が突出して高く、46.0%。次いで「IoT(Internet of Things)」(39.6%)、「ビッグデータ」(36.1%)、 「生産管理システム」(34.2%)、「在庫管理システム」(33.7%)の順で続く。

図:活用しているIT(製造業)

活用しているIT(製造業)

活用しているIT(卸売・小売業)

人手不足に対する対応を「卸売・小売業」に限ってみると、現在取り組んでいる内容(TOP3)では「IT導入による省力・効率化」「教育訓練・能力開発の強化」(各57.4%)が同率でトップ。 次いで、「業務の外部委託(アウトソーシング)」「業務フロー・業務プロセスの改善・見直し」(各53.2%)、「従業員間における業務の平準化」 (51.1%)が上位にあがる。

今後、利用を検討しているサービスでは「AI(人工知能)」(43.2%)が最も高く、以下、「IoT(Internet of Things)」(40.9%)、「ビッグデータ」(38.6%)、「クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)」(31.8%)の順で続く。

図:活用しているIT(卸売・小売業)

活用しているIT(卸売・小売業)

倉庫/在庫管理システムについて

ITを利用・利用検討しているとする回答のうち、倉庫/在庫管理システムを検討した割合は、全体の80.5%。導入検討の主なきっかけは、「業務効率、生産性向上のため」。 それ以外に 「コスト削減のため」「従業員の負担軽減のため」「人手不足、省人化のため」が上位にあがる。 倉庫/在庫管理システムの導入効果をみると、全体の59.1%が「導入効果が感じられる」と回答。倉庫/在庫管理システムの問題点は、「従業員がシステムを活用しきれていない」(38.3%) こと。

図:倉庫/在庫管理システムを検討したきっかけ

倉庫/在庫管理システムを検討したきっかけ

倉庫/在庫管理システム導入の阻害要因では、「業務内容にあったシステムがない」(28.9%)、「導入後の運用を任せられる人材がいない」(27.7%)が上位2位を占める。 倉庫/在庫管理に関する問題・課題をみると、リアルタイムで在庫管理ができていない、各所の連携がとれていない点が共通してあげられる。 従業員規模別でみると、「300人未満」では在庫の増加・余剰問題、システム導入・運用まで至らないこと、「300~1,000人未満」では、それに加え、取引先・社内連携ができていないこと、「1,000人以上」ではさらに人材不足、従業員間でのレベル差など、人に関する問題が見受けられる。

DAS/DPS(デジタルピッキングシステム)について

ITを利用・利用検討しているとする回答のうち、DAS/DPSを検討した割合は、全体の31.3%。導入検討の主なきっかけは、「業務効率、生産性向上のため」。それ以外では、 「ミスやクレーム削減のため」「従業員の負担軽減のため」「コスト削減のため」が上位にあがる。DAS/DPSの導入効果をみると、全体の57.1%が「導入効果が感じられる」と回答。

DAS/DPSの問題点では、「ユーザービリティがよくない、使いづらい」「カスタマイズしにくい、できない」(各25.0%)こと。だがその一方で、全体の約4割は「特に不満や問題はない」と回答。 DAS/DPS導入の阻害要因では、「システム導入を考えるほど、現状に困っていない」(25.8%)、「導入後の運用を任せられる人材がいない」 (23.7%)、「業務内容にあったシステムがない」「システム導入するための予算がない」「導入の効果に懐疑的である」(各21.5%)などがあげられる。

仕分け/ピッキング作業に関する問題・課題をみると、在庫数の多さや仕分けパターンの複雑さに起因する作業効率の悪さ・煩雑さ、人材に関する問題が散見される。 従業員規模別でみると、「300人未満」ではピッキングミスや自動化できていないこと、「300~1,000人未満」では作業・生産効率の悪さや人材不足、「1,000人以上」では人的ミス、人材による能力の差、人材育成など、人に関する問題点が多くあげられている。傾向としては、従業員規模が大きくなるにつれて「作業そのもの」から「人材」の問題へ移行している様子。

図:その他調査結果イメージ

調査結果ダウンロード

本調査結果については以下よりダウンロードすることができます。

富士電機では物流ソリューションに関連する動向調査を不定期に実施し、お客様に役立つ情報を発信しています。本調査の詳しい資料をご希望のお客様は弊社営業担当、もしくは「お問い合せ・導入に関するご相談」ページよりお問い合せ下さい。

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