物流センター・倉庫に関する動向調査
製造業におけるピッキング作業のデジタル化とデジタル機器の利用動向調査
製造業におけるデジタルピッキングシステムの利用は66%。今後の利用意向を含めると9割を超える結果に。
「製造業におけるピッキング作業のデジタル化とデジタル機器の利用動向調査」は、富士電機が実施した「製造業におけるIoT/ITと物流システムの利用動向調査」において、 デジタルピッキングシステム/デジタルアソートシステムの利用状況に関する回答者を対象とした追加調査です。
ピッキング作業のデジタル化の動向に加えて、導入効果の有無やどのようなデジタル機器を利用しているのかなどについての動向調査を実施しました。
調査対象は、現在製造業に従事しており、かつ、IoTの導入・選定・情報収集等に関係する担当者を対象とし、ピッキング作業に関連した設問に回答いただきました。
製造業におけるピッキング作業のデジタル化とデジタル機器の利用動向調査概要
対象エリア:全国
調査対象者:製造業従事者※
回答者の立場:決裁する立場:34.2% 起案する立場:37.2% 情報収集をする立場:27.6% その他:1.0%
有効回答数:197人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年5月27日~5月28日
※「製造業におけるIoT/ITと物流システムの利用動向調査」でデジタルピッキングシステム/デジタルアソートシステムの利用状況に関する回答者を対象とした追加調査
調査項目
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仕分け・ピッキング方法について
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デジタルピッキングシステム(DPS)の利用・活用状況
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デジタルアソートシステム(DAS)の利用・活用状況
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デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)導入検討のきっかけ
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仕分け・ピッキング作業に活用している/今後活用を予定しているデジタル機器・技術
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仕分け・ピッキング作業に活用している/今後活用を予定しているデジタル機器・技術(アイテム数別)
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デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)に対する不満・問題点
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デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)を導入していない/導入しない理由
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仕分け/ピッキング作業全般に関する問題・課題
以下、動向調査の内容を抜粋してご紹介いたします。
製造業におけるピッキング作業のデジタル化とデジタル機器の利用動向調査の結果
仕分け・ピッキング方法について(複数回答)
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回答者の勤務先で採用している仕分け・ピッキング方法については「種まき・摘み取りの両方」を採用しているとの回答が最も多く、「摘み取り(つみとり)式」とする回答は全体の29% 、「種まき(たねまき)式」とする回答は全体の15%となった(図1)。
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アイテム数別の集計でもほぼ同様の傾向がみられた。
デジタルピッキングシステム(DPS)の利用・活用状況
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デジタルピッキングシステム(DPS)を「既に利用している」とした回答は66%となった(図2)。「既に利用している」「今後、利用を検討している」を含めるとDPSの利用意向は9割を超える。
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アイテム数別の集計では、300~499アイテムの企業が最もDPSの利用率が高いという結果になった(図3)。また、既に利用しており導入効果も得られているとの回答割合(除く、導入効果はまだわからない)が最も高かったのは1000アイテム以上の企業で82%、最も低かったのは100~299アイテムの企業で42%となった。
デジタルアソートシステム(DAS)の利用・活用状況
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デジタルアソートシステム(DAS)を「既に利用している」とした回答は51%となった(図4)。「既に利用している」「今後、利用を検討している」を含めるとDASの利用意向は約8割となる。
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アイテム数別の集計では、500~999アイテムの企業が最もDASの利用率が高いという結果になった。また、既に利用しており導入効果も得られているとの回答割合(除く、導入効果はまだわからない)が最も高かったのは1000アイテム以上の企業で71%、最も低かったのは100アイテム未満の企業で33%となった(図5)。
デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)導入検討のきっかけ
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DPS/DASの導入検討のきっかけについては、「業務効率、生産性の向上のため」「ミスやクレーム削減のため」「人手不足、省人化のため」が上位を占めた(図6)。
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アイテム数別の集計では、100~499アイテムの企業では「ミスやクレーム削減のため」、 1000アイテム以上の企業では「人手不足、省人化のため」が「業務効率、生産性の向上のため」 に次いで高くなる傾向がみられた。
仕分け・ピッキング作業に活用している、もしくは今後活用を予定しているデジタル機器・技術
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仕分け・ピッキング作業に活用している、もしくは今後活用を予定しているデジタル機器・技術について、最も活用が見込まれているのが「ハンディターミナル」で40.1%、次いで「RFID・ICタグ」が38.1%、「タブレットPC」36.5%という回答になった(図7)。
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「デジタル表示機」については無線式・有線式があり、合算すると55.4%と「ハンディ―ターミナル」を15.3%上回る結果となった。
仕分け・ピッキング作業に活用している、もしくは今後活用を予定しているデジタル機器・技術(アイテム数別)
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デジタル機器のうち、「デジタル表示機」「ハンディ―ターミナル」「タブレットPC」「スマートフォン」「音声認識デバイス(ボイスピッキングなど)」についてアイテム数別に集計を行った(図8)。
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「デジタル表示機」「タブレットPC」「スマートフォン」「音声認識デバイス」は300~499アイテムで最も利用割合が高く、「ハンディ―ターミナル」は1000アイテム以上での活用率が高くなった。
デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)に対する不満・問題点(複数回答)
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DPS/DASに対する不満・問題点については、「従業員がシステムを活用しきれない」の回答が最も多く、32.7%となった(図9)。
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アイテム数別の集計では、100~299アイテムの企業では「他のシステムとの連携が取れていない」、 300~499アイテムの企業では「他のシステムとの連携が取れていない」が「従業員がシステムを活用しきれない」 より高くなる傾向がみられた。
デジタルピッキングシステム(DPS)/デジタルアソートシステム(DAS)を導入していない/導入しない理由
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DPS/DASを導入していない/導入しない理由については、「導入効果に懐疑的である」の回答が最も多く、37.1%となった(図10)。
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アイテム数別の集計では、100~299アイテムの企業では「従業員がシステムを使いこなせない」「業務内容にあったシステムがない」が「導入効果に懐疑的である」 より高くなる傾向がみられた。
仕分け/ピッキング作業に関する問題・課題について(FA)
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「仕分け/ピッキング作業」に関する問題・課題についてのFA(フリーアンサー)では、「人的ミス」「多品種少量生産対応」「既存システムとの連携」などに関する問題・課題が多い傾向がみられた(以下FA回答の抜粋)。
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人のミスを無くしたいが、なかなかいい手段がない
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都度部品が多く、マスタ設定などの登録作業を行なっても1度きりで終わることも多い
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部品点数が多く、欠品が多い
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品種が多様化してきており、全体の管理が追いついていない
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多品種少量生産で時間がかかる
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自動化と人を介する作業の組み合わせ
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システム化は人手不足解消に役立つと思うが精度に不安がある
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オートメーション化を進めているが属人的な作業を解消できない
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製品の数が多すぎてピッキングに時間がかかりすぎる
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旧来からの在庫管理システム等との連携が取りづらい
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資材の材質や形状が多種多様で単純なピッキングでは困難
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調査結果ダウンロード
本調査結果については以下よりダウンロードすることができます。
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