提案事例
蓄電池用PCSの重耐塩対応

PCSの重耐塩対応で腐食や劣化に対する耐久性を向上。直接海水がかからなければ、湾岸・海岸から300m以内でも設置可能に。

蓄電池用PCSの重耐塩対応のイメージ

 電源設備   コスト削減 

重化学プラント向けの提案事例。従来の耐塩仕様のPCSは湾岸・海岸から300m以上離れた場所にしか設置できなかったが、重耐塩対応を実施することで300m以内でもPCSが設置可能に。これにより機器の長寿命化、信頼性の高い運用を実現し、ライフサイクルコストの低減にも貢献。

再生可能エネルギーの導入拡大と系統用蓄電池

 日本では2050年までに脱炭素社会を実現するため、今後再生可能エネルギーの導入が拡大すると考えられています。

化学業界ではカーボンニュートラルに向けた目標が掲げられており、CO2排出量の削減、エネルギーコストの削減、サステナビリティ向上などを目的にさまざまな取り組みが進められています。

一方で、再生可能エネルギーは発電量が一定ではないため、電力系統が不安定になるという課題があります。近年、この課題を解決する方法として、系統用蓄電池が注目されています。

系統用蓄電池とは

系統用蓄電池は、電力の需給バランスを調整するために利用されます。電力余剰時には蓄電・電力不足のときは放電などを行うことができるため、系統電力の安定化に役立ち、さらなる再生可能エネルギーの導入が可能になります。

[蓄電池の主な役割]
・電力需給のバランス調整:充放電制御することで電力系統の安定化を図ることができます。
・再生可能エネルギー導入支援:発電した余剰電力を蓄電できるようになります。
・エネルギーコストの削減:ピークカット等を行うことで電力費用の削減が可能になります。
・バックアップ電源:災害時や停電時に電力を供給することができます。

蓄電池の充放電機能にはPCS(Power Conditioning System)が使われています。系統用蓄電の高効率な稼働のためには、系統用の大容量蓄電池に対応可能なPCSが必要で、かつ、電力損失を最小限にするために高い電力変換効率であるPCSが必要になります。

重化学系プラントにおける塩害の問題

海岸近くに位置する重化学系プラントでは塩害が大きな問題となります。海水中の塩分を含んだ風や潮風によって塩分が設備に付着して腐食を引き起こす可能性があるためで、腐食により金属等の素材は劣化・損傷し、結果として設備の不具合や寿命を縮めます。

この問題を解決する為、重化学系プラントでは耐塩及び重耐塩仕様の設備が必要になります。

重化学系プラントにおける塩害の問題に関するイメージ

適用事例:重化学系プラント向け屋外型蓄電池用PCSの重耐塩対応

 重化学系プラント向け系統用蓄電池の重耐塩PCSのニーズへ対応するため。屋外型蓄電池用PCSの重耐塩対応モデルの開発を計画。富士電機は配電盤や自販機など2012年以前から屋外に設置されてきた製品技術を適用した屋外型太陽光用PCSを2012年に製品化しております。

同機器を国内外で納入実績、海塩粒子の影響を受ける現場で得られた錆に対する腐食の知見と技術を適用、重耐塩仕様の屋外型蓄電池用PCSを開発、 2023年に製品化対応を予定しています。

重化学系プラント向け屋外型蓄電池用PCSのイメージ

[重耐塩対応以前の課題]
・従来の耐塩仕様のPCSについては湾岸・海岸から300m以上離れた場所にしか設置できなかった。

[重耐塩対応による課題解決]
・海水が直接機器にかからない場所であれば、湾岸・海岸から300m以内でPCSが設置可能に。
・重耐塩対応で塩害による腐食や劣化に対する耐久性を向上、これにより機器の長寿命化、安全かつ信頼性の高い運用を実現し、ライフサイクルコストの低減にも貢献。

参考:重耐塩仕様蓄電池用PCSの主な特徴
・強制空冷と熱交換器冷却のハイブリッド方式 ・アイドリング機能による待機損失低減 ・3レベル適用による高効率
・省スペースを実現 ・JET高圧認証試験準拠 ・IEC62109準拠 ・耐用年数20年

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