導入事例
振動診断によるファンの予防保全

ファン監視による予防保全で故障停止を回避。損失対策の試算効果は年間3000万円~7000万円。

振動診断によるファンの予防保全のイメージ

 保全管理   予防保全   遠隔監視   IoT 

化学系メーカーの予防保全導入事例。ファン監視による予防保全について、導入前の課題としてはインバーターノイズの影響で、回転機のベアリングの振動診断が難しい場合がありました。今回、インバータキャリアノイズ除去に対応した回転機故障予兆監視システムを導入し、振動診断を実現。故障停止回避することで年間3000万円〜7000万円の損失対策ができると試算しました。

回転機・モーター関連設備と予防保全

回転機・モーター関連設備と予防保全のイメージ

工場において回転機やモーター関連設備の故障を未然に防ぐことは重要です。

回転機は生産プロセスのさまざまな場所で利用されており、突発的な故障・停止は生産ラインの停止につながります。

これを回避するためには、モーターを監視し、故障の予兆を見つけ、異常を早期に検出することが必要です。このように設備の故障が発生する以前にメンテナンスを実施する保全方法は一般に「予防保全」や「予兆保全」とよばれています。

予防保全を実施する2つのメリット

予防保全を実施することは生産プロセスの安定性向上とコスト削減の両面でメリットがあります。

とつは、生産安定性の向上です。モーターの異常を事前に検出できることで、計画的メンテナンスを実施、突発的な設備故障を回避できます。これにより生産ラインの安定稼働が可能になります。

もう一つは、コスト削減です。突発的な設備故障はダウンタイムによる機会損失や、モーター関連設備の修理・交換作業の時間と費用が発生します。 予防保全を実施することでこれらを回避することが可能になります。

また、必要なメンテナンスを実施することは設備寿命を延ばすことにつながり、結果として設備投資費用を抑えることにつながります。

予兆監視による予防保全

モーターの予兆監視による予防保全を実施する場合、モーターの振動パターン、温度変動、電流・電圧の波形などをセンサーやIoTなどを利用して収集・監視(モニタリング)するのが一般的です。

[回転機/モーターのモニタリング項目]
・振動のモニタリング:モーターの異常な振動を検出し、部品の摩耗やアンバランスを監視します。
・温度のモニタリング:モーターの異常な温度上昇を検出して過熱を予防します。
・電流・電圧のモニタリング:モーターの電流・電圧を監視・分析し異常を見つけます。

これらのデータを収集し、傾向監視やリアルタイムに解析などを行います。異常なパターンやしきい値を超える変化が検出されると、警告やアラートを通知するなどの仕組みを設けることで、設備が故障する前に適切なタイミングでメンテナンスを実施することを可能にします。

課題はインバーターのノイズ対策

インバーターはモーターの速度やトルクを調整するための装置として一般的に利用されています。一方で、インバーターは高周波のスイッチング動作を行うため、電磁的ノイズが発生してしまいます。

このノイズにより正確な予防保全に必要な正確なデータ収集が難しくなることがあるため、モーターの予防保全を実施する場合には適切な対策を行う必要があります。

インバータのノイズを除去するためにはいくつかの方法があり、例えば制御信号線にシールド線を使用、ノイズフィルタの設置、配線・接地による対策、物理的な対策以外には信号処理技術を 用いてノイズ成分をデジタル的に除去する方法があります。

これらの手法を組み合わせることで、正確なデータ収集・予兆監視が可能になります。

化学系メーカ様:ファン監視による予防保全事例

ファン監視による予防保全事例のイメージ

インバータを使用した回転機では、 インバータのキャリア振動ノイズが回転機の振動に付加されるため、 本来のベアリングの振動診断を困難にすることがあります。

回転機故障予兆監視システム Wiserotを導入することで、 キャリア振動ノイズをカットし、回転機本来のベアリング振動のみの診断を可能にしました。

導入事例概要
導入企業:化学系メーカー様のファン監視
導入製品:回転機故障予兆監視システム Wiserot

導入以前の課題
・従来の回転機振動診断では、インバータのキャリア振動ノイズの影響により、回転機のベアリングの振動診断ができない場合があった。

適用効果
・インバータのキャリア振動ノイズをカットすることで、ベアリングの振動診断が可能に。これにより故障停止を回避することが可能になり、試算値で年間3千万円~7千万円の損失対策を実現。

回転機故障予兆監視システム Wiserotについて

回転機故障予兆監視システムWiserotは、回転機・モーター関連設備の予防保全を可能にするシステムです。生産ラインや重要機器として稼働している、回転機の振動を定期的に計測し、傾向監視により異常兆候を早期発見することで、適切な予防保全の立案、 生産ロスコスト低減に貢献します。

関連ページ:回転機故障予兆監視システム

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