予防保全事例

炉体まわり
1 冷却水不足・断水による絶縁焼損事例

絶縁テープおよびターン間絶縁リングが焼損し、絶縁テープが剥離しています。

2 コイル導体の層間短絡(レヤーショート)

コイルのターン間で放電現象が発生し、導体が溶損し最終的に通水穴に達して冷却水が漏れ出します。絶縁テープおよび層間リングの絶縁低下、ターン間に異物(金属)が混入し絶縁を損傷させたり、湯差しによる絶縁物の炭化等により、層間短絡事故が発生します。

3 コイル導体の穴あき記録写真

一般的にコイル導体の期待寿命は20年前後です。水質の悪化・耐火物の膨張等によりコイル導体が変形したり、割れや穴あき等が発生します。

4 コイルセメントおよび炉頂部

セメント全体的にクラックが入っており、湯差しと思われる変色箇所が見られます。炉頂部キャスタブルにクラックが入っており、部分的に浮き上っています。定期的な補修が必要です。

5 予備コイル

長期間の操業停止リスクを回避するため、予備コイルの購入を強く推奨いたします。

6 インダクタケース

インダクタ返却時の事前調査時点では水圧試験に問題はありませんでしたが、その後、使用中に水冷パイプから水漏れが発生する事例がありました。

7 水冷フィーダ

水冷フィーダは出湯する度に可撓するため、出湯回数が増えるにつれて内部の素線が劣化し最終的には断線に至ります。また、被覆のゴムは温度上昇や経年劣化により硬化・ひび割れし、漏水することがあります。

8 ダイヤル温度計

冷却水の流量低下は、温度上昇として検出されます。温度計が壊れていると、トラブルの拡大につながります。

9 冷却水ホース

炉コイルに使われる冷却水ホースは、絶縁性をもつ特殊品です。

10 接点付き圧力計

冷却水の圧力低下は、炉コイルの抜熱に必要な流量を確保できず、コイルの絶縁劣化や焼損につながります。圧力計は安定操業に重要な機器です。

11 油圧シリンダ

油漏れを放置すると、湯玉の飛散などにより着火事故につながる恐れがあります。また、ホースの破損により炉体の予期せぬ下降で挟まれ事故などの危険があります。

電源機器まわり
1 制御装置

制御装置内部の電解コンデンサは60,000時間(約7年)前後で容量低下が進みます。周囲温度が高いと劣化は加速されます。

2 プログラマブルコントローラ・アナログ変換器

制御装置と同様に機器内部の電解コンデンサの劣化は周囲温度により寿命低下を招きます。廃型機種はパーツの供給が終了しているものが多いため、現行機種への更新が必要です。

3 整合コンデンサ(炉用コンデンサ)

周囲温度が高いと、絶縁油の内圧が高まり液漏れや筐体の膨張破損につながります。粉塵の堆積は地絡・放電故障につながるため、清掃により環境維持に努めてください。

4 変圧器オイルクーラ

水冷変圧器の場合、オイルクーラの配管が閉塞すると絶縁油温度が上昇し変圧器内部の劣化を加速します。配管が腐食漏水すると、内部に冷却水が侵入して短絡事故に繋がります。

5 変圧器絶縁油ガス分析

変圧器内部の内部異常を診断するためには、定期的なガス分析による傾向観察が有効です。

6 インバータ2次冷却水回路

純水は定期的に全量交換するだけでなく、コンディション維持のためにイオン交換樹脂も定期的に交換してください。循環ポンプ・熱交換器は予備の購入を推奨します。

7 サイリスタ素子

サイリスタ素子には特性ランクがあります。交換の際には特性ランクを合わせる必要があります。

8 各種基板

基板に使われる電解コンデンサは60,000時間(約7年)前後で容量低下が進みます。周囲温度が高いと劣化は加速されます。

冷却水装置まわり
1 冷却水不足・断水による絶縁焼損事例

絶縁テープおよびターン間絶縁リングが焼損し、絶縁テープが剥離しています。

2 コイル導体の穴あき記録写真

一般的にコイル導体の期待寿命は20年前後です。水質の悪化・耐火物の膨張等によりコイル導体が変形したり、割れや穴あき等が発生します。

3 インダクタケース

インダクタ返却時の事前調査時点では水圧試験に問題はありませんでしたが、その後、使用中に水冷パイプから水漏れが発生する事例がありました。

4 水冷フィーダ

水冷フィーダは出湯する度に可撓するため、出湯回数が増えるにつれて内部の素線が劣化し最終的には断線に至ります。また、被覆のゴムは温度上昇や経年劣化により硬化・ひび割れし、漏水することがあります。

5 冷却水ホース

炉コイルに使われる冷却水ホースは、絶縁性をもつ特殊品です。

6 接点付き圧力計

冷却水の圧力低下は、炉コイルの抜熱に必要な流量を確保できず、コイルの絶縁劣化や焼損につながります。圧力計は安定操業に重要な機器です。

7 変圧器オイルクーラ

水冷変圧器の場合、オイルクーラの配管が閉塞すると絶縁油温度が上昇し変圧器内部の劣化を加速します。配管が腐食漏水すると、内部に冷却水が侵入して短絡事故に繋がります。

8 インバータ2次冷却水回路

純水は定期的に全量交換するだけでなく、コンディション維持のためにイオン交換樹脂も定期的に交換してください。循環ポンプ・熱交換器は予備の購入を推奨します。