IR資料室富士電機レポート/統合報告書
セグメント別概況
食品流通
高付加価値商材の市場投入、
コストダウン・合理化の推進により収益力を強化し、新分野開拓により売上拡大を図ります。
執行役員
食品流通事業本部長
浅野 恵一


事業内容 | 省人・省エネに貢献する自動販売機や、安全・安心な食材の流通に貢献するショーケース・店舗システムを提供 |
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主な向け先 | 飲料メーカ、外食チェーン、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、POSメーカ |
強み | 日本・中国・東南アジアの飲料自販機市場においてトップシェア(当社推定) 店舗向け設備機器の幅広いラインアップ 気流制御・冷熱を中心とした省エネ技術、堅牢、メカトロ技術 |
市場動向と事業機会
新型コロナウイルス感染症が収束方向に向かうなか、食品流通市場は、回復傾向が継続し、ほぼ前年度並みの市況を見込んでいます。また、省エネ、省人、非接触/非対面などのニーズが多様化し、新たなビジネスチャンスが生まれています。
サブセグメント | 市場動向と事業機会 |
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自販機 | 国内は、省エネやオペレーションの効率化を実現するIoTサービス、食品・冷食の販売需要の高まりによる「新たな自販機活用顧客」の需要継続もあり、自販機投資は前年並みを見込んでいます。 海外は、中国のリプレース需要の高まり、アジアにおける省エネ・環境対応など顧客ニーズの多様化に伴い、市況は回復傾向です。 |
店舗流通 | コンビニエンスストアを中心に省エネに対応した店舗の改装需要が高まるとともに、省人化、食品ロス削減、非接触、非対面、サテライト展開などのニーズが多様化しています。 |
2022年度実績・2023年度計画
2022年度は、中国の子会社における貸倒引当金計上による損益悪化影響があったものの、国内飲料メーカを中心とした自販機投資の拡大に加え、商材の高付加価値化、自販機および店舗流通分野における原価低減の推進などにより増収増益となりました。
2023年度は、自販機、店舗流通分野ともに更なる高付加価値商材の展開拡大などを主因に、売上高は対前年度7億円増加の960億円、営業利益は6億円増加の50億円、営業利益率は5.2%を計画しています。

重点施策
自販機分野の高付加価値商材展開と価格戦略推進
国内の自販機分野には、省エネやデジタルトランスフォーメーション(DX)といったニーズに対応した高付加価値自販機を展開し、顧客への提供価値を高めます。
飲料メーカには、当社従来機と比較して最大20%の消費電力量を削減したサステナ自販機(2001年比で85%削減)や、需要動向に応じて価格を柔軟に変動できるダイナミックプライシング機能、飲料メーカや自販機オペレータによる自販機への商品補充業務の効率化を実現する自販機IoTサービスなどのDX関連商材を展開します。
非接触/非対面、24時間販売といったニーズに対し、新たな自販機の活用を検討するお客様に対しては、バージョンアップした冷凍自販機を2023年度モデルとして市場に投入します。
収益力の強化に向けては、素材価格高騰分の価格転嫁に加え、高付加価値商材の価格戦略を進めます。さらにプラットフォーム化によるコストダウンに加え、サービス改革、業務効率向上などの合理化を推進します。
海外は、購買力の高い顧客に選択・集中した営業戦略を推進します。中国では、省エネ機能で差別化を図った飲料自販機の展開、アジアでは、搬送機能で差別化を図った食品自販機の展開など、ニーズに合わせた差別化製品の展開に取り組みます。
ニーズの多様化に対応したソリューション提案の推進
店舗流通分野には、省エネ、省人/省力化など、ニーズに対応したトータルソリューション提案を継続します。
コンビニエンスストアには、環境型ショーケース、店舗IoTサービス、新型カウンター機材など、機能の差別化を図り、高付加価値商材の展開を推進します。
また、外食チェーン向けに新型コーヒーマシンを投入し、売上拡大を図ります。

ものつくり体制の再編による事業体質強化
ものつくり体制を、事業規模に見合った体制に再編し、日本、中国(大連)の「世界2拠点」に集約しました。原価低減、操業効率向上、生産性向上といったトータルコストダウンを継続して行い、更なる事業体質の強化を図ります。
