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ポンプの振動測定を省力化したい
ポンプ設備の振動測定を省力化するには、人手による巡回・記録作業を削減し、IoTセンサによる「自動収集」へ切り替えることが有効です。測定データをデジタル化することで、点検工数の削減だけでなく、異常兆候の早期検知も可能になります。

【目次】
ポンプの振動測定を省力化するメリット
工場のペーパーレス化を進めることで、業務の省力化や効率化、業務の標準化、リアルタイムの情報共有、意思決定の迅速化など、さまざまなメリットが期待できます。従来、記録データを活用する際には転記や情報の整理に多くの手間と時間がかかっていましたが、タブレットなどを利用することで、工場内のどこでもデータの入力や設備の確認が可能となり、関連データの整理や活用もしやすくなります。
・業務の省力化・効率化
保守・点検や出荷作業、在庫管理などで記録・帳票作成がデジタル化され、転記作業や二重管理が不要になります。結果として作業工数が減少し、業務の省力化が期待できます。
・ミス防止と標準化の推進
デジタル技術を活用することで単純な記入ミスや伝達漏れなどのヒューマンエラー減らすことができます。また業務を標準化しやすくなるため、担当者に依存した業務の解消に役立ちます。
・リアルタイム情報共有・分析
データベース化やクラウドシステムを活用することでデータが即時で共有できるようになります。点検、保全、エネルギー管理などの現場対応力や経営判断の迅速化につながります。定量分析も可能になるため、AI技術を活用した予知保全や状態監視もしやすくなります。
・保全効率化と稼働率向上
データを蓄積・分析が容易になるため、属人化しやすい作業や、経験・勘に依存するような業務の最適化が可能になります。例えば点検記録や履歴のデジタル化・分析により、予防保全や点検周期の最適化が進み、設備稼働率の向上や保全コストの削減効果が期待されます。
チルドポンプの振動測定の省力化事例
ベアリングのグリス状態の見える化による焼き付き防止
食品工場のチルドポンプ設備におけるベアリングのグリス状態の見える化事例。従来は点検や保守が定期的・故障後に実施され、熟練者の経験に依存していましたが、LAN式振動センサと回転機故障予兆監視システムWiserotを導入し、リアルタイムでデータを収集・分析。これにより、異常兆候やグリスアップの最適タイミングを予測して早期対応が可能となり、保全作業の負担を計画的に軽減しました。結果として、500万円の損失回避やメンテナンス費用削減、設備寿命の延命効果が期待されています。
その他の事例
ポンプ以外の回転機設備でも上記事例と同じ仕組みで状態基準保全を実現することができます。
導入事例 振動診断によるファンの予防保全
導入事例 排気ファン設備のアンバランス状態の検出による損失回避
導入事例 機械設備(ベアリング振動)の故障予兆監視による損失回避
ポンプなど回転機設備における保全業務の現状と課題
製造業の設備保全では、熟練技術者の高齢化・退職や保全人材の不足により、ノウハウ継承、作業効率の向上、省力化が求められています。加えて、紙の帳票で点検・記録を行っている場合、誤記や転記ミスが起きやすく、情報共有や履歴の検索にも手間がかかります。 ポンプの振動測定でも、測定品質の確保や状態判定が属人化しやすい傾向があり、保全業務の標準化・省力化に向けた取り組みが求められています。
・属人化・ノウハウ継承の困難
特定の熟練者に知識が偏ると、異動・退職時に点検業務の継続が難しくなる場合があります。
・作業工数・業務負担の増大
現地巡回や紙ベースの記録では、点検範囲が広いほど時間を要します。さらに帳票の整理・保管・転記などの管理業務が発生し、担当者の負荷が増大します。
・ヒューマンエラー・転記ミス
紙での記録は書式や記入粒度が揃いにくく、誤記・誤読・転記ミスが発生する可能性があります。
・記録のばらつきとデータ活用の停滞
点検記録が担当者や現場ごとにばらつきやすく、データも散在しがちです。その結果、データを活用した分析や状態監視が難しい場合があります。
これらの課題を解決する手段としてIoT関連技術が注目されており、AI技術の活用や設備保全業務のDX化に向けた検討が進んでいます。
設備管理の省力化とIoTセンサ・スマート化技術
ポンプの振動測定の省力化で多い取り組みの一つが、振動センサを用いてデータを収集・分析する仕組みの構築です。近年は既設設備に後付けできる無線式センサも普及しており、配線工事の負担を抑えて導入できます。データを集めるだけでなく、閾値設定や解析(必要に応じてAI活用)により異常兆候を検知できる仕組みを作ることで、経験や勘に依存しにくい状態基準保全(CBM)につながり、保全作業の省力化に寄与します。
・IoTセンサによる状態監視
ポンプの軸受(ベアリング)付近にIoTセンサを設置し、振動(必要に応じて温度も)を自動計測します。無線式/有線(Ethernet等)など、現場環境に合わせた方法を選択します。
・状態監視(アラート)システムの導入
収集データを解析し、異常兆候を検知する仕組みを導入します。閾値によるアラートに加え、AI等を用いた解析を組み合わせることで、ベアリング損傷や潤滑不良などの可能性を示唆できる場合があります。突発故障の回避や計画保全に役立ちます。
・データの可視化と傾向管理
計測データをトレンド表示することで、振動値の緩やかな上昇か突発的な変化かを把握しやすくなります。変化傾向に基づき、点検・整備の要否を判断し、作業計画を立てやすくなります。
食品工場における設備保全のスマート化動向
食品工場では、保全人材の不足や作業負荷の軽減を目的に設備保全の省力化の検討が進んでいます。 食品工場の設備保全・スマート化に関する意識調査(2025年)によると、設備保全の現状に関する設問(複数選択)では、予防保全(定期点検・交換)が84.7%と主流である一方、事後保全も54.7%という回答結果になりました。予防保全中心でも突発対応がなくならない現状が示唆されています。
また、現在の設備保全における課題についての設問(複数選択)で、もっとも回答が多かったのは「人手・技術者が不足」で66.4%、次いで「突発的な故障が多い」で47.8%、「生産計画への影響」で38.8%の順に続く結果となりました。これら課題を解決する方法として注目されているのがIoTやAI、データを活用した設備保全のスマート化です。
設備保全のスマート化の必要性に関する設問(単一回答)では「必要」34.3%、「やや必要」41.8%となり、設備保全のスマート化への関心の高さがうかがえ、期待効果の設問(複数選択)では「生産性・稼働率の向上」60.8%、「突発的な設備故障の削減」52.9%、「保全業務の効率化・省力化」52.0%が上位に並び、省力化が稼働率・故障削減と同じ優先度で期待されているという結果になりました。
この他、 食品工場の自動化・省力化の現状と課題(2025年)でも、自動化・省力化の推進目的は「生産性向上・効率化」70.7%、「人手不足の解消・人員確保」65.9%、「コスト削減」60.2%が中心で、導入関心技術として「予知保全システム」17.9%が挙げられており、設備保全の省力化が自動化投資の候補に入っていることが確認できます。
保全作業の省力化や人材不足などの課題を解決する手段として、スマート化・省力化は今後取り組みが本格化すると予想できます。ポンプなど回転機はIoTを活用した事例が多くあり、小規模導入からはじめることができるため、省力化の対象になりやすい設備であると考えられます。
ポンプの振動測定の省力化に役立つ製品・サービス
回転機故障予兆監視システム Wiserot
回転機故障予兆監視システム Wiserot(ワイズロット) は、富士電機独自の技術とノウハウにより回転機の振動を定期的に計測し、傾向監視によって異常兆候を早期検知することで、予防保全の立案や生産ロスコスト、メンテナンスコストの低減に貢献します。診断対象としてモータ、ポンプ、ファンなど各種回転機に対応しています。また、無線式・LAN式振動センサを組み合わせることで、多様な設置環境・条件下のポンプ設備にも柔軟に対応可能です。独自の判定基準値(Q値)やインバータキャリア振動ノイズカット技術を活用し、ベアリング異常などを早期に検知することで、故障による設備停止を未然に防ぎます。
回転機故障予兆監視システム Wiserot
まるごとスマート保安サービス
まるごとスマート保安サービスは、上記Wiserotの上位システムに位置づけられるソリューションです。保全業務におけるオンライン・オフライン双方の設備データを統合し、BIツールによる見える化と多角的分析を実現しています。ISO18435準拠のO&M統合モデルを採用し、回転機の振動監視や傾向管理などの業務を標準化できます。データの自動収集と一元管理により、省人化・属人化防止、作業工数削減や保全費用の削減などに有効です。
まるごとスマート保安サービス
ポンプの振動測定から始める保全業務のスマート化
ポンプなど回転機の設備保全は属人化しやすい業務であり、IoTの活用やスマート化技術などによる課題解決が期待されています。これら技術を活用することで設備保全の省力化が期待でき、工場の安定稼働や保全コスト削減が可能になります。
実際に導入する場合は、現行業務の課題を整理し、IoTを活用した省力化、保全コスト削減にむけたデータ活用の検討、スケールメリットの有無を把握することが重要になります。その後、対象となるポンプ設備を限定し小規模導入、PoC(概念実証)などを実施し、IoTセンサが設置できるか、測定できるか、保全業務の省力化が可能なのか、などの検証を行います。
回転機故障予兆監視システム Wiserotは小規模の導入にも適しており、ポンプの振動測定から始めて工場全体の保全業務のスマート化までご提案可能なソリューションです。ポンプ以外へ適用した事例も多く掲載しておりますので、こちらもぜひご覧ください。
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