物流倉庫の基礎知識
ロケーション管理

ロケーション管理とは

ロケーション管理とは、材料・部品・中間仕掛品などの商品・物品を、ゾーン・棚番号・段や間口など使ったロケーション番号を用いて保管・格納する管理手法のことです。

ロケーション番号は一般にアルファベットと数字を使って表記されます。一般的にロケーション番号と商品との関連付け、数量管理をハンディ―ターミナルやスマートデバイス(タブレットPCやスマートフォンなど)を使って行います。

倉庫現場で導入できるロケーション管理システム。工場における「材料・部品・中間仕掛品」のロケーション管理をフリーロケーション化することで、保管効率向上させることができます。

ロケーション管理のメリット

ロケーション管理は効率的に在庫を保管場所を適切に管理することが目的で、入出庫・ピッキング作業など物流倉庫内の作業を効率化するために利用されます。

ロケーション管理をすることで、物品の所在が分かりやすくなり、商品や物品の知識が浅い作業担当者でも正確に作業ができるようになります。ロケーション管理をすることで作業効率を上げることができ、熟練者の知識に頼るといった属人的な作業を最小化することができます。

ロケーション管理の種類と方法

ロケーション管理は「フリーロケーション」「固定ロケーション」「ゾーンロケーション」「ダブルトランザクション」の4つの方法があります。これらは取り扱う物品や商品、保管スペースの広さ、形状や出荷頻度など用途・目的に合わせて適切な管理方法を選択することで、作業効率を向上させることができます。

どのロケーション管理を行うかは物流倉庫によりますが、重要なのは作業者の作業効率が落ちないように、また入出庫のミスを起こさないように、どの商品がどこに格納・保管されているのか明確にしておくことです。

・フリーロケーション

フリーロケーション

フリーロケーションでは、空いてるスペースに商品を保管・格納する方法です。メリットは空いているスペースを最大限利用できるため、保管効率をあげることができ、無駄のない物流倉庫の利用が可能になることです。入出荷頻度に変動がある場合、これに応じて柔軟に格納・保管場所を変更することができます。

デメリットは保管場所が固定されていないため、同じ商品が点在して保管されるがあり、作業効率が悪くなる懸念があります。これを避けるため、保管ルール徹底する必要があり、ロケーション管理のシステム化するなどの工夫が求められます。

・固定ロケーション

固定ロケーション

固定ロケーションはあらかじめ決められている保管スペース・保管棚に格納する方式です。メリットはロケーション番号ことに商品が格納されているので、現物管理が容易なことです。フリーロケーションと比較すると、同じ商品が点在することがないため、ロケーション管理のシステム化などをしなくても管理が可能です。

デメリットは、商品・物品の数だけ保管スペースが必要になること、新商品など棚を増やす必要がある場合、ロケーション番号の再割り当てが発生することです。また、在庫の有無によらず保管スペースが必要になるため、保管効率が上がらない場合があります。商品・物品の取扱数が多い場合や、年間通して在庫しておく必要がある場合などに適しています。

・ゾーンロケーション

ゾーンロケーションはフリーロケーションと固定ロケーションの中間の管理方法です。特定のエリアを指定して類似部品や関連商品・物品群を集約し、そのエリア内ではフリーロケーションで商品・物品を管理します。自動倉庫との組み合わせで利用される場合が多いロケーション管理方法です。

ゾーンロケーション

・ダブルトランザクション

ダブルトランザクションはフリーロケーションと固定ロケーションを組み合わせてた管理する方法です。ストッエリアでは保管効率を優先し、ピッキングエリアでは作業効率を優先することで、倉庫内の作業効率を向上することができます。

ダブルトランザクション

ロケーション管理のシステム化

ロケーション管理を支援するシステムにはロケーション管理システムや在庫管理システムに付帯したロケーション管理機能があります。また、バーコードやRFIDを活用してローケーションが正しいかどうか判断する仕組みや、ロケーションが誤っている場合はアラームを出すなどの仕組みを構築することで、入出庫やピッキングミスを最小化することができます。

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