富士電機株式会社

セグメント別概況

パワエレ エネルギー

東南アジアを中心にシステム商談を推進し、
電気設備丸ごとビジネスの拡大に向けて、
グローバル商材の開発と
エンジニアリング体制の強化を図ります。

執行役員常務
パワエレ エネルギー事業本部長
河野 正志

写真:河野 正志
事業内容

【エネルギーマネジメント】
変電設備、エネルギーマネジメントシステム、スマートメータ

【施設・電源システム】
無停電電源装置(UPS)、電機盤

【器具】
受配電・制御機器

富士電機の事業分野についてはこちら

主な向け先

電力会社、素材プラント(鉄鋼、化学など)、データセンター、半導体工場、機械セットメーカー

強み
  • 電力の安定供給と最適化に貢献する幅広い製品・システムから保守サービスまでの一括提案
  • 電力の安定供給と最適化にかかる豊富な納入実績、エンジニアリング経験
  • 国内外自社工場で磨き上げた省エネのノウハウ

市場に対する課題認識と事業機会

中長期的に経済成長が期待される東南アジア・インド・中東では、変電所、データセンターなど社会・産業インフラや半導体工場への投資は継続しており、電力の安定供給のため、変電設備や電機盤などの需要は堅調に推移しています。とりわけデータセンター市場では、情報システムのクラウド化や電子商取引が進展し、大規模データセンターの建設が増加しており、電力安定供給に貢献する無停電電源装置(UPS)は大容量化とともに小型・省エネ化が求められています。

国内では、1970年代~1980年代に鉄鋼・化学などの素材プラントや鉄道会社に納入した変圧器、開閉装置など変電設備の老朽化を背景に、事故の予防や遠隔操作を含めたメンテナンス性の高効率化を目的とした設備の更新投資が継続すると見込んでいます。

また、脱炭素化やエネルギーコスト抑制の観点から、CO2排出削減や省エネに向け、工場全体のエネルギーの見える化・最適化へのニーズが増えています。電力変換効率の高い製品の導入だけではなく、お客様において最適なエネルギー需給制御を実現するエネルギーマネジメントシステム(EMS)活用の機会が増加していくことが見込まれます。

2020年度業績・2021年度事業計画

2020年度は、産業電源機器の前年度大口案件の影響に加え、スマートメータ、電機盤、器具などの需要減により、対前年度88億円減少の2,092億円となりました。営業利益は、物量減があるものの、原価低減などの推進により、17億円増加の140億円となりました。

2021年度は、グローバル商材の市場投入、エンジニアリング支援体制の強化などによる東南アジアを中心とした海外事業の拡大に取り組むとともに、データセンターや半導体工場向け電気設備丸ごとビジネスの拡大、前年度下期より市況が回復し始めた器具の需要増により、売上高は対前年度78億円増加の2,170億円、営業利益は12億円増加の152億円を計画しています。

グラフ:売上高 2021年度経営計画 2,170億円
グラフ:営業利益 2021年度経営計画 152億円、営業利益率7.0%

重点施策

東南アジアを中心としたシステム商談の推進

2020年度までは、富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社(FMT社)に盤工場とエンジニアリングセンターを設置し、プラントビジネスの強化に取り組んできました。2021年度は、東南アジア・インド市場向けにグローバル新商材の開発を進め、変圧器、開閉装置、UPSなどの電圧・容量のラインアップを拡充するとともに、FMT社のエンジニアリングセンターが現地生産拠点(タイ、シンガポール、インド)と連携し、データセンターや電力・素材分野向けシステム提案力を強化します。インドの中大容量UPSの生産立ち上げに向けて、神戸工場、FMT社が富士電機コンスルネオワット社(FCN社)に対し、技術・生産支援を行います。

電気設備丸ごとビジネスの拡大

2020年度は、国内および外資系データセンター向けや半導体工場に電気設備丸ごと提案を実施するとともに、大規模化するデータセンター向けに大容量UPS(1200kVA)の開発に注力しました。2021年度は、更に大規模化するデータセンターの商談獲得に向けて超大容量UPS(2400kVA)の開発を加速させるとともに、外資系データセンターの国内実績によるベンダー登録を進め、海外案件の受注拡大を目指します。コア商材であるUPSの開発強化に向けて開発機能を東京工場に集約し、丸ごと提案が可能なエンジニアの増強・育成を進め、技術支援力の底上げを図ります。国内外の生産拠点では、生産技術の向上を図り、製品の内製化・標準化を推進し、原価低減に取り組みます。

大規模データセンター向けの大容量UPS

7500WXシリーズ(2021年4月発売)

  • 容量(kVA/kW):1,200kVA/1,200kW
  • 業界最高クラスの電力変換効率:96.6%
  • 世界最小級の設置面積(幅3,500mm×奥行900mm)により、より多くのサーバー設置が可能
写真:大規模データセンター向けの大容量UPS
グラフ:データセンター向け売上推移 2021年度経営計画 伸長率205%(2018年度比)
器具事業の体質強化

2020年度は、米中貿易摩擦の長期化に新型コロナウイルス感染症拡大による設備投資抑制の影響が加わり、工作機械需要が大幅減少となるなか、需要変動に動じない体質の構築に向け、徹底した固定費削減に取り組んできました。2021年度は、2020年度に引き続き事業体質の強化を目指し、既存機種の競争力強化、差別化商品開発の推進、ものつくりの効率化などによる徹底的な固定費の削減を進めます。

2021年度経営計画説明会および事業戦略説明会の説明内容、質疑要旨についてはこちら