富士電機株式会社

セグメント別概況

食品流通

市場の変化を捉え、
新商材投入と新規顧客開拓を加速し、
成長戦略を推進します。

執行役員
食品流通事業本部長
浅野 恵一

写真:浅野 恵一
事業内容

【自販機】
飲料自販機、食品・物品自販機

【店舗流通】
店舗設備機器、金銭機器

富士電機の事業分野についてはこちら

主な向け先

飲料メーカー、自販機オペレーター、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、POSメーカー

強み
  • 日本・中国(飲料)・タイにおける業界トップの自販機シェア
    ※当社推定
  • 商品を効率良く冷却・加温する冷熱技術
  • 自販機で培ってきた省人・省力化に貢献する自動化技術

市場に対する課題認識と事業機会

国内の自販機市場は、コンビニエンスストアなどの他販路との競争が進み、ロケーション(設置場所)も飽和状態にあり、微減が続いています。2021年度の需要は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、お客様である飲料メーカーの投資抑制が継続し、2020年度並みと予測しています。一方で、自販機オペレーションの効率化、感染症対策としての「非接触・非対面」、脱炭素社会の実現に向けた「環境対応」のニーズが拡大しています。

コンビニエンスストア、スーパーマーケットを主要顧客とする店舗流通分野では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、生活スタイルの変化に対応した改装需要が増加しています。さらには「食品廃棄ロス削減」などのニーズが高まりつつあり、ビジネスチャンスが広がっています。

中国をはじめとする海外の自販機市場では、顧客ニーズの多様化に対応することが課題となっています。大手飲料メーカーの「省エネ」「環境対応」ニーズに加え、店舗系顧客によるサテライト店舗拡大に向けた自販機活用ニーズが拡大しています。

2020年度業績・2021年度事業計画

2020年度は、自販機の投資抑制やコンビニエンスストア向け案件の延伸などにより、対前年度279億円減少の766億円となりました。営業利益は、固定費削減に努めるものの、物量減により、91億円減少の-53億円となりました。

2021年度は、厳しい市場環境が継続すると予測していますが、国内自販機のシェアアップ、新商材を中心とした売上拡大、コンビニエンスストア向け店舗設備機器のシェアアップ

および改装工事案件の増加により、対前年度109億円増加の875億円を計画しています。営業利益は、物量増および前年度の事業構造改革、更なる原価低減、一部不採算機種の価格改定により、80億円増加の27億円を計画しています。

グラフ:売上高 2021年度経営計画 875億円
グラフ:営業利益 2021年度経営計画 27億円、営業利益率3.1%

重点施策

事業構造改革による体質強化

2020年度は、国内外とも大幅な需要の減少に伴い、事業構造改革を実施しました。開発体制の見直し、人員の最適化など富士電機グループ内での成長分野への人員再配置や設備投資計画などの見直しにより固定費を大幅に削減し、事業体質の強化を図りました。2021年度は、事業構造改革の効果を最大限に抽出するとともに、ものつくりの更なる原価低減、高付加価値商材の投入により収益性の改善を図ります。

社会ニーズに対応した高付加価値自販機の展開

「非接触・非対面」「キャッシュレス」といった社会的ニーズから、手で触れることなく商品購入可能な完全非接触自販機を2021年3月に開発しました。自社開発した双方向通信端末の搭載により、利用者はスマートフォンを操作することで商品の選択から決済まで完了でき、商品取り出し口には自動開閉機能を搭載しています。

また、国内の飲料メーカーや自販機オペレーターでは、商品補充業務などの効率改善が喫緊の課題となっており、当社は自販機運営に必要な「中身商品の需要予測」「販売計画」などをAIでサポートする「新たなサービスビジネス」を計画しています。これらのサービスと高付加価値自販機により、新たな需要を獲得していきます。

写真:完全非接触自販機(スマホで操作する)
中国・アジア自販機事業拡大に向けた取り組み

中国では、環境意識の高まりを受け、日本品質を求める大手飲料メーカーに「省エネ自販機」「環境対応自販機」を提供します。さらに、コンビニエンスストア・店舗系顧客向けに、「食品自販機」「コーヒー自販機」などを提供します。

アジアでは、タイを中心に自販機市場が拡大しており、新規飲料メーカーや店舗系顧客に「キャッシュレス対応自販機」や「食品自販機」、「自販機コンビニ」など、現地ニーズに対応した自販機を提供します。

店舗の多様なニーズに対応したソリューション提案

店舗流通分野では、コンビニエンスストア向けにショーケースをコア商材とし、カウンター商材、自動釣銭機、自販機コンビニ、店舗運営管理システムを組み合わせたトータルソリューションを提供します。

ショーケースは、当社の保有する冷熱技術と気流制御技術を活用することで、食品廃棄ロス削減に貢献する「長鮮度ショーケース」や、脱炭素社会の実現に貢献できる「ノンフロン(CO2)ショーケース」の開発に取り組みます。

図:カウンター商材 売上拡大、自販機コンビニ 省人化、店舗運営管理システム 省人・省力化、自動釣銭機 非接触・非対面、ノンフロンケース 環境対応、長鮮度ケース 食品廃棄ロス削減

2021年度経営計画説明会および事業戦略説明会の説明内容、質疑要旨についてはこちら