富士電機株式会社

セグメント別概況

半導体

パワー半導体の生産能力増強を
継続的に実施し、電動車市場および
再生可能エネルギー市場での
事業拡大を図ります。

執行役員常務
半導体事業本部長
宝泉 徹

写真:宝泉  徹
事業内容

産業分野、電装分野、情報分野

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主な向け先

【産業】
インバータ、工作機械、エアコン、太陽光・風力発電、電鉄

【電装】
電動車(EV、HEVなど)のモータ駆動、エンジン制御、ブレーキ制御

【情報】
[媒体]ハードディスク(データセンター、パソコン)
[感光体]複写機、プリンタ

強み

【パワー半導体】

  • 電力変換効率を大幅に向上させる独自デバイス
  • 高放熱性・高信頼性を実現するパッケージ技術
  • パワエレ機器の高効率化・小型化・高信頼性に貢献するIGBTモジュールの製品開発力

市場に対する課題認識と事業機会

高い変換効率・電力制御で省エネを担うパワー半導体は、経済成長やテクノロジーの進展に伴うエネルギー消費量の増加、環境規制、製造業での自動化投資拡大などを背景に、グローバルで需要が拡大しています。

自動車分野では、世界各国でガソリン車から電動車へのシフトが急速に進展しており、電動車のモータ駆動用インバータ向けなどの需要拡大が見込まれています。

産業分野では、高速通信規格「5G」の普及や半導体製造装置関連向け、クリーンエネルギー需要の高まりを背景とした太陽光や風力などの再生可能エネルギー分野向け、中国を中心としたエネルギー効率の高いエアコン向けなどの需要が拡大する見通しです。

2020年度業績・2021年度事業計画

2020年度は、自動車の電動化市場の急拡大を背景に、電動車向けパワー半導体の採用メーカー・車種が拡大し、自動車向けの売上が大幅に増加しました。また中国市場を中心に、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギー分野向けやFA分野向け、エアコン向けパワー半導体の売上が拡大しました。これらを主因に売上高は、対前年度201億円増加の1,575億円となりました。営業利益は、パワー半導体の生産能力増強投資に係る費用が増加したものの、物量・生産増により79億円増加の177億円となりました。

2021年度は、引き続き需要が旺盛な電動車向け、中国の再生可能エネルギー分野向け、FA分野向け、エアコン向け市場を中心にパワー半導体の受注拡大に取り組むとともに、生産能力増強を引き続き行い、売上高は対前年度165億円増加の1,740億円、営業利益は39億円増加の216億円を目指します。

グラフ:売上高 2021年度経営計画 1,740億円
グラフ:営業利益 2021年度経営計画 216億円、営業利益率12.4%

重点施策

電動車向けパワー半導体の採用加速

2020年度は、2019年度より量産を開始した第4世代直接水冷モジュールの本格量産および採用車種の拡大により自動車向け製品の売上高が対前年度で大幅に増加しました。

第4世代直接水冷モジュールは、当社が他社に先駆けて独自開発したRC-IGBTを搭載するとともに、従来製品よりも放熱性能を高めた直接水冷構造を採用したことで、電力密度を従来品比で36%向上させた、電動車のモータ駆動用インバータ向けパワー半導体です。搭載機器の高効率化、小型化・軽量化の実現に貢献します。

2021年度は、電動車市場の更なる伸長を見込み、引き続き当社製品の採用拡大に取り組み、電動車市場の伸長を上回る売上拡大を図ります。

※RC-IGBT:異なる機能を持つ2種類の半導体(IGBT、還流ダイオード)を1チップ上に直線状に交互に配置し動作させることで、2チップ別々に配置した場合に比べて大幅な小型化を可能にします。

グラフ:電動車生産動向と当社IGBT売上計画 2019年度比2021年度経営計画 電動車生産195、当社売上280
産業向けパワー半導体第7世代IGBTモジュールの売上拡大

2020年度は、従来比約30%の低損失化を実現し、高放熱性・高信頼性を備えた第7世代IGBTモジュールの需要が、中国の再生可能エネルギー分野向けやFA分野向け、エアコン向け市場を中心に増加し売上が拡大しました。また、製品系列を拡充し、業界最高クラスの低損失性能で搭載機器の省エネに貢献する「XシリーズIGBT-IPM※」の量産を開始しました。

2021年度は、引き続き需要が堅調な中国の再生可能エネルギー分野向け、FA分野向け、エアコン向け市場を中心に第7世代IGBTモジュールの拡販を図ります。

※過電流・過熱などによる故障を防ぐ自己保護機能およびIGBTの駆動回路を搭載した第7世代IGBTモジュール

生産能力増強の加速と次世代製品の開発推進

パワー半導体チップの製造工程については、8インチの生産能力増強投資を継続的に実施しています。組立工程については、自動車向けおよび産業向け製品の生産能力増強投資を実施しています。

またパワー半導体の製品競争力の強化に向けて、次世代型IGBTモジュールやSiCモジュールの技術開発・製品開発にも取り組んでいます。

グラフ:設備投資(半導体全体) 2021年度経営計画 410億円
グラフ:前工程8インチ生産能力推移 2018年度比2021年度経営計画 296

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