戸田市教育委員会様

Google for Education
戸田市教育委員会小山市教育委員会・小山市立絹義務教育学校
「未来の創造を見据えた教育」の実現を目指し、「ICTのマストアイテム化」を実践
  • 写真は戸田市教育委員会様からのご提供です

MISSION
目的

予測不可能な未来社会を自立的に生きるための資質・能力の育成

産官学民と連携した知のリソースの積極的な活用で「21世紀型・汎用的・非認知」の3つのスキルを育成する戸田市教育委員会様。小中一貫カリキュラムの実践やSEEPプロジェクト*1など、先進的な教育改革に積極的に取り組まれています。同委員会様では、子供たちが予測不可能な未来社会を自立的に生きるための資質・能力の育成を目的に、様々な場面でICTを積極的に活用した教育活動を実践されています。
その中でも、変化する社会の動きを教室に取り入れることを重要視されており、ICTのマストアイテム化を推進。今回、「Google for Education」及び「Google Chromebook」を導入されました。
携帯性に優れたタブレットとGoogle for Educationを併用することで、子供たちへの課題の管理やコラボレーションの促進、コミュニケーションの活性化に役立てられています。加えて、富士電機ITソリューションの「教育総合サポートサービス」で、学校様の状況に合わせた研修や運用をご支援。先生方の働き方改革や子供たちの新しい学びに繋がるICT活用を実現されています。

  • *1  Subject(教科)の授業力の向上、EdTech(教育×テクノロジー)の推進、EBPM(客観的根拠に基づく政策立案)の推進、PBL(課題発見・解決型学習)等の新たな学びの推進。

変化する社会の動きを教室に入れ、ICTを教育のマストアイテムに

戸田市教育委員会 教育長
戸ヶ﨑 勤 氏

将来を展望したときに、子供が出ていく社会を知ろうとしないのは極めて不誠実だと思います。そのために「変化する社会の動きを教室に入れる」必要があると考えています。社会はどんどん変化しているのに、ICTを活用しないチョーク&トークの授業など、社会と乖離した教育のままではいけないという思いが常にありました。全てのものにアクセスできる環境のある時代です。変化する社会の動きを教室に入れる前提で考えると、ICTを教育に活用することはマストだと言えます。
戸田市では、全校でプロジェクトベースの学び(PBL*2型学習)を実践しています。その中で、調べたり、写真や動画をとってプレゼンテーションにまとめたり、全体で共有したりするような場面が必然的にでてきます。教科の枠を超えたPBL型学習の中で教師や子供たちにとってもICTがより身近なものになりました。PBLに限らず、密にならないで「主体的・対話的で深い学び」を成立させることを考えると、ICTを活用した教育活動はなくてはならないものであると思います。また、今年度から小学校で全面実施となったプログラミング教育も、戸田市では平成30年度から取り組んでいますが、これもICT活用には大きな役割を果たしました。
ICT活用を促進するためのコツは、まず「力を抜いてどんどん使う」。次のステップとして「学校全体で有効活用」だと考えています。効果的、効率的に使うにはどうすればいいかを学校全体で考え、先生方がお互いに授業を見合ってより良い活用を考えていけると良いですね。また、教育委員会としては組織的に、長期的に考えて計画を進めていく必要があると思います。
全ての子供が学校でも家庭でもICTを積極的に活用した学習が継続できるように、対面とオンラインを効果的に組み合わせるハイブリッド型の授業形態の実現を目指しています。

  • *2  Project-Based Learningの略。プロジェクト型学習。身近な課題を解決するために、子供たち主体で、仲間と協力しながらプロジェクトや課題解決に取り組む学習活動の手法。
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ICTのマストアイテム化、その先の活用まで学校と伴走する

戸田市教育委員会 教育政策室指導主事
布瀬川 裕貴 氏

2年前までICT活用はそこまで多くはありませんでしたが、校内の研修会などを通じて先生方がICTのよさを「実感」することで活用が全体に広がっていきました。そのきっかけは校務や校内研修であったと思います。
例えば校務で必要な「安全点検」を「Google for Education」で実施している例がありました。ICTで行えば、集約する人は楽になるし、点検する人は問題があったら写真に撮って提出できます。写真があると後で比べられるし見やすいですよね。そうした中で、「こうやって提出するんだな」「集計が楽だな」「授業だと〇〇に使えそうだな」という実感が積み重なっていきました。 もう一方で、子供達が変わったという実感も大きな要因です。発表できなかった子供が発表できたとか、落ち着かない態度だった子供が、プログラミングでは活躍するという具体的な姿で目の当たりにしたときに、ICT活用の有効性を感じられます。ICTを使うことで多面的に子供たちを評価できることも良さの一つです。
戸田市は学校の「自走と競走」をテーマに新たな学びの実現に取り組んでいます。そのため全校一律の管理型ではなくミニマムスタンダードだけ決めて、学校の主体性を大切にしています。制限がないからこそ差がでてくる部分もありますが、底上げ方式ではなく、よりよく取り組んでいる学校のグッドプラクティスを横展開することで、全体の取組の質を高めていけると考えています。
学校の特性を理解して、現在抱えているものや状況を考え、学校目線で必要な提案や支援を行うようにしています。学校と伴走するイメージでしょうか。丸投げではなく、経過も共有し共に取り組むことを大切にしています。

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RESULT
結果

新しい学びのかたちを通して、子供たちの自走につながる変化を実感

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    子供たちが課題を解決するために、自ら必要なツールを選び、「学びをとりにいく」授業

    ⼀⻫授業は⾏わず、課題を与えて⽅向性を⽰し、グループワークを⾏います。課題を解決するために、⼀⼈⼀台のタブレット端末を使い、検索サイトで調べたり、YouTubeで参考になる動画を⾒たり、実験をしたりしながら、班ごとにGoogle スライドの共同編集でまとめます。また、単元のまとめには各⾃がツール(検索サイト、YouTube、教科書など)を選び、単元の振り返りを⾏います。
    現在は、理科や算数を中心にこの新しいスタイルの学習がすすめられています。「まだ、試⾏錯誤中ですが、教科が苦⼿な子供も、得意な子供も自発的に取り組んでいます。」
    (戸田市立喜沢小学校 主幹教諭 勝俣 武俊氏)

    理科の授業。先⽣は⼦供たちの話に耳を傾けながら、⼦供たち⾃身で考えられるように声かけ。「何のために実験してるのかな︖整理して考えてみよう」
    (戸田市立喜沢小学校 情報教育部主任 教諭 菅原 大輔氏)
    班で協⼒しながら、「どうしたら⼈に伝えやすくなるか」を考え、Google スライドにて撮影した動画や写真を入れたスライドを作成。進め⽅は⼦供たち⾃身で決める。タイピングなどの基本スキルは隙間時間を利⽤して練習。
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    遠隔授業を日常に取り入れる

    複数教室をテレビ会議システムGoogle Meetでつないだ遠隔授業を日常に取り入れています。日常からオンライン環境に慣れておくことで、自宅でのオンライン授業に抵抗がなくなります。また英語以外の授業で、ひとりの先生が授業を進行し、他の先生が個別に子供たちの対応をするような新しい授業の形も、指導の充実と働き方改革の一環として想定しています。

    教室では補足の説明や資料の提示、個別の質問などに対応
    2クラスをつないだ授業。画面右のALTの先生は別の教室から授業を進行。Google meetで画面を共有
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    連絡事項や課題の提出もデジタル化で確実に

    欠席連絡はGoogleフォームを利用。その日の学習内容や課題、次の日の持ち物など連絡帳に記すような内容もClassroomで配信されるので、欠席している子供や保護者にも連絡事項が伝わります。

    Google フォームの欠席連絡画面
    Classroomで課題を提出、先生から評価やコメントがもらえる。課題によってはノートを撮影して画像を提出することもある。
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    隙間時間にClassroomの活用で、先生方も効率アップ

    授業で利用する教材の確認や作成は、ちょっとした時間などに随時アップ。課題や宿題、翌日の持ち物などを、毎日Classroomのストリームに配信しています。

    毎日Classroomのストリームに配信
    毎日Classroomのストリームへクラスごとに配信することにより、子供たち・保護者の両方に日常的な活用が浸透していく。
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    富士電機ITソリューションの研修で、先生方のClassroom活用がスタート

    「あの研修がスタート地点でした。Classroomを知らない先生がほとんどだったので、研修のおかげで踏み出すことができました。その後、校内で定着に向けたICTロードマップを作成、できるところから活用を進めました。簡単ではありませんでしたが、2か月経った頃には、全てのクラスで使えるようになりました。
    クラウドベースで授業を進められるようになり、どのような学びが、子供同士が離れていても協働的に学べるかを考えています。Googleスライドによる共同編集はまさに代表的なもの。学校と家庭のシームレスな学びを成功に導くには、『自分で学ぼうとする姿勢』が必要です。そのため、『課題を自ら設定したり、自分で学びをとりにいく学習』を実践しています。」

    戸田市立喜沢⼩学校
    校長 ⼿塚 浩 氏
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    ICT活用に留まらない子供たちの前向きな変化

    「『学びをとりにいく』学習を実践する中で、子供たちに変化が見られました。
    ①自分で学びを楽しんで考え、『次はこうしようと』主体的に考える姿
    ②友達同士の強みを生かし、アクティブに学ぶ姿
    ③待つ姿勢から自ら動いて学ぶ姿勢へ
    始まったばかりですが、ICT活用だけでなく、前向きなこどもたちの『やってみたい!』が様々な場面で見られるようになりました。」

    戸田市立喜沢⼩学校
    主幹教諭 勝俣 武俊 氏

戸田市教育委員会様が実現を目指す「TODA TERAホーム&スクール構想」

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