導入事例
排熱利用ヒートポンプによるボイラーの焚き減らし

製造プロセスの排温水からヒートポンプで蒸気を生成、ガスボイラーの焚き減らしを実現。年換算でCO2排出量26000kg/年の削減が可能に。

排熱利用ヒートポンプによるボイラーの焚き減らし事例のイメージ

 排熱利用   省エネ対策   CO2排出量削減 

食品製造業における排熱利用の事例。従来は、蒸気を使用した製造工程から出る排温水のほとんどを排水として処理していました。今回、蒸気発生ヒートポンプを導入し、排熱を製造プロセスに再利用する仕組みを構築。ガスボイラーの燃料使用量とCO2排出量の削減を実現しました。

脱炭素化とコスト削減が期待される「排熱利用」

食品製造業では、製品の加熱・殺菌プロセスで多くの熱エネルギーを必要とします。燃料費の高騰と脱炭素化が求められる中、エネルギーコストの削減と、環境負荷の削減をいかに実現するかが重要な課題となっています。

この解決策として注目されているのが、製造プロセスから出る排熱の有効活用です。製造プロセスから排出される熱を捨てずに回収・再利用することで、エネルギーコストを削減するだけでなく、化石燃料の使用を減らし、CO2排出量を低減することが可能になります。

排熱利用・未利用エネルギーの活用動向

食品製造業において、排熱利用や未利用エネルギーの活用は、省エネとCO2排出量削減の観点から注目されています。

富士電機の 食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査(2022年調査)によると、排熱利用について「取り組んでいる」との回答が40.8%、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定がある」との回答が27.5%となりました。

両者を合わせると約68.3%となり、食品工場における、排熱利用の取り組み意欲の高さがうかがえます。

食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査(2022年調査)の調査結果

排熱を有効活用する方法

排熱利用にはさまざまな方法があります。実際には業種ごとの製造プロセスや課題に応じて、最適な方法を検討する必要があります。ここでは、排熱の有効活用に向けた代表的な方法を3つご紹介します。

・熱交換器の設置
加熱や乾燥工程などから発生する高温の排気や排水の熱を回収し、原料や洗浄水の予熱、温水供給などに再利用します。

・ヒートポンプの活用
温度の低い排熱を効率良く集めて高温側で利用できるようにし、給湯や暖房、空調などの熱源として再利用します。

・ボイラー排ガスからの熱回収
蒸気ボイラーから排出される高温排ガスの熱を回収してボイラー給水を予熱したり、他の製造工程の熱源として利用します。

このほかにも、冷却水の廃熱を空調や暖房などに利用したり、乾燥工程の排熱を他工程で活用するなどの方法があります。また、複数の技術を組み合わせることも可能です。

導入事例:排熱利用ヒートポンプによるボイラーの焚き減らし

・業種:食品製造業  ・導入製品:蒸気発生ヒートポンプ

排熱利用ヒートポンプによるボイラーの焚き減らしの導入前後のイメージ図

【導入以前の課題】
蒸気利用の製造プロセスに対し、ガスボイラーを使用、排温水は一部再利用するも大部分を排水として処理している。 CO2削減効果のある省エネ施策を推進したい。

【導入効果】
排温水からヒートポンプで蒸気を生成し、ボイラーの焚き減らしを実現した結果、年換算でCO2排出量26000kg/年の削減、LPG使用量約7900Nm3/年の削減が可能になった(試算値)。※運用条件によって導入効果は異なります。

関連製品:蒸気発生ヒートポンプ

蒸気発生ヒートポンプは工場で排出される排温水(60~80℃)などから熱を回収し、飽和蒸気(100~120℃)を供給します。遠隔監視・操作に対応しており、ヒートポンプとエネルギーマネージメントシステムを組み合わせることで食品工場全体の省エネ、エネルギー利用の最適化を可能にします。

関連ページ:蒸気発生ヒートポンプ



富士電機では製造業向けに製造活動を支える設備機器、IoTシステムや制御システムを数多く提供、その実績をベースとし食品製造業にIoT活用・ 生産性向上・スマート工場化を支援するためのシステム&ソリューションを提供しています。

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